DICは8日、工業用フェノール樹脂製品(固形、溶液)について今月21日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「40~70円/kg以上」。
昨今、原油価格の上昇やメーカーのトラブルも重なり、工業用フェノール樹脂の主原料となるベンゼン、フェノール類やメタノールなどの価格が高騰している。また、コロナ影響要因も含め各地港湾施設の機能不全による納期遅延や燃料高騰を背景に、ユーティリティや物流コストも上昇している。一方、コロナ禍からの経済活動の回復などもあり、昨年後半から自動車用途を中心に国内外で需要が拡大している。
同社は、これらのコスト上昇分を自助努力で吸収することが極めて困難であることから、今後の安定供給を図るために値上げせざるを得ないと判断した。