信越化学工業の3月期 経常利益3%減の4051億円

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2021年5月6日

 信越化学工業は28日、2021年3月期の連結業績を発表した。売上高は前年比3%減の1兆4969億円、営業利益3%減の3922億円、経常利益3%減の4051億円、純利益7%減の2937億円となった。

 セグメント別に見ると、塩ビ・化成品事業は売上3%減の4697億円、営業利益5%増の970億円。米国のシンテック社はフル稼働を継続し、塩化ビニル、カセイソーダともに高水準の出荷を継続した。4-5月の経済活動の制限により市況下落の影響を受けたが、その後は世界的に需要が引き締まり値上げを実施した。欧州拠点と国内拠点も販売数量の維持に努め、市況の改善を享受した。

 シリコーン事業は、売上高8%減の2083億円、営業利益27%減の451億円。汎用製品の価格下落に加え、化粧品向けや車載向けの需要鈍化の影響を受けた。秋口から顧客需要が復調し始めている。

 機能性化学品事業は、売上高2%減の1126億円、営業利益21%減の218億円。セルロース誘導体は、医薬用製品は底堅く推移したが、建材用製品が振るわなかった。フェロモン製品やポバール製品は出荷が低調に推移した。

 半導体シリコン事業は、売上高4%減の3740億円、営業利益1%増の1441億円。経済活動の再開に伴い、半導体シリコンの需要が増加した。

 電子・機能材料事業は、売上高4%増の2348億円、営業利益3%増の702億円。希土類磁石は4-6月期の経済活動の制限により一時海外工場の稼働が影響を受けたが、下期に入り車載向けは強い回復を示し、HDD向けも好調に推移した。フォトレジスト製品はArFレジストやEUVレジストを中心に好調を維持し、マスクブランクスも先端、汎用用途とも堅調に推移した。光ファイバー用プリフォームは市況悪化の影響を受けて厳しい状況が続き、大型パネル用フォトマスク基板は需要鈍化の影響を受けた。

 加工・商事・技術サービス事業は、売上高7%減の972億円、営業利益3%減の143億円だった。

 なお、今年度の通期見通しおよび配当予想については、開示が可能となった時点で速やかに開示するとしている。