三菱ケミカルは16日、英・Mura Technology社との間で、廃プラスチックから化学製品や燃料油の原料(リサイクル生成油)を製造する技術「HydroPRS」のライセンス契約を締結したと発表した。
三菱ケミカルは、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、原燃料の脱化石燃料化やプラスチックケミカルリサイクル(CR)の事業化に向けた詳細な検討を加速する。
「HydroPRS」は、高温高圧の超臨界水の中でプラスチックを分解し、リサイクル生成油へと再生する革新的な技術。従来の直接熱分解技術と比べ、高い収率で石油由来原料と同等の品質(既存設備へ前処理なしで投入可能)をもつリサイクル生成油を得ることができる。
この技術により、今までは焼却や埋め立て処理をしていたプラをCRすることで、プラのライフサイクル全体のCO2排出量と化石燃料の消費を大幅に削減することが可能となり、サーキュラーエコノミーの実現に大きく寄与することが期待される。
なお、Mura社は大規模なプラCRの工業化を目指しており、「HydroPRS」は数あるCR技術の中でも加速度的に工業化が進んでいる技術になる。
三菱ケミカルは今後も、革新的な技術を導入し、環境・社会課題を解決するソリューションを提供することで、サーキュラーエコノミーの実現に貢献していく。