ENEOS、日本触媒、三菱商事の3社はこのほど、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けて、国内初となるバイオ原料を使用したエチレン誘導品(バイオ誘導品)の製造・販売を2024年度に開始することを目標に共同調査を行うことで合意したと発表した。
今回の取り組みでは、ENEOSのエチレン製造・販売力、日本触媒がもつエチレン誘導品の酸化エチレン(日用品や化粧品などの原料)や酸化エチレン誘導品、エチレングリコール(ペットボトルやポリエステル繊維などの原料)の製造・販売力、三菱商事の化学原料・製品の安定供給とバイオ原料・環境負荷低減素材の事業開発・マーケティング力を連携させるのが狙い。 各社の知見を生かすことで、国内初のバイオ誘導品のサプライチェーン(SC)構築による事業化を通じ、社会が求める低・脱炭素、循環型社会実現へ貢献していく考えだ。
具体的には共同調査により、3社はグローバルな原料調達力や、既存のエチレン・エチレン誘導品の製造能力と販売チャネル、川崎コンビナートの供給物流インフラを活用し、バイオ誘導品の製造・販売の実現性について市場ニーズを把握することで、より具体的な評価を行っていく。
ENEOSはグループ長期ビジョンの中で、低炭素・循環型社会への貢献を掲げ、環境対応型事業の強化に取り組んでいる。日本触媒はグループ長期ビジョンにCO2排出量の削減やリサイクル技術開発、脱炭素への取り組みなど、果たすべきサステナビリティの実現を掲げている。また、三菱商事はエネルギーと素材分野で、社会価値・環境価値・経済価値の3価値を同時に実現する事業の構想・実行を通じ、最重要テーマに掲げる低・脱炭素社会実現への貢献を目指している。
各社はそれぞれのビジョンに基づき共同調査を進め、持続可能性に配慮した原料を使用するバイオ誘導品普及の早期実現を目指す。