横浜ゴムはこのほど、自動車用エアコンホースの50%軽量化に成功したと発表した。2024年の本格的な事業展開を目指す。
自動車産業は、CASE、MaaS、DXなど大変革の時代を迎えている。さらに世界各国は「2050年までのカーボンニュートラル(CN)達成」に向けて脱炭素化への動きを加速し、次世代環境対応車へのシフトが急進している。こうした中、航続距離の延長や燃費向上の観点から車両の軽量化は課題の1つで、搭載部品への軽量化ニーズはますます高まっている。
今回、軽量化に成功したホースは、同社の独自技術を駆使して開発したゴム・樹脂ポリマーアロイ(海相が樹脂、島相がゴムの海島構造体)により、ゴムの柔軟性・耐熱性と樹脂の高いガスバリア性を生かし、従来比50%の大幅軽量化を実現。ホース製造には、多量の熱を使う加硫が不要で、CN達成にも貢献する。
同社のホース配管事業ではゴム製、樹脂製の高圧ホースなど多くの産業用商品を生産販売しており、自動車用エアコンホースは日米などのカーメーカーに納入している。ホースと配管を一体化した設計・評価を強みとし、様々な要求や配管レイアウトに対応。配管はオール樹脂化を進め、ホースと配管の組み合わせでも大幅な軽量化が可能だ。
今後は、実用化に向けた開発や他の自動車配管への参入など、次世代環境対応に向けて独創的なホース配管の開発を推進していく考えだ。