産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)と名古屋グランパスエイトと連携し試合時の入場者間の平均距離とマスク着用率を調査した。政府、日本サッカー協会、Jリーグによる「ワクチン・検査パッケージ」に関する技術実証における、観客による感染予防対策の実施状況調査の第1弾で、10月6日の本試合で実施した。
ソーシャルディスタンスの計測は、ワクチン接種証明・陰性証明チェックブースでの入場者間の平均距離をレーザーレーダーで計測。試合開始10分前の最も混雑した時間帯であっても、半径2m以内の平均人数は2人ほどで、密集は発生していなかった。
試合中のマスク着用率は、カメラ撮影とAIの画像解析で評価。通常座席でのマスク着用率は平均で93%、ワクチン接種普及前と比べて大きな変化はなかった。また、ワクチン・検査パッケージ席(ワクチン接種証明・陰性証明チェックを通過した人の席)でのマスク着用率も93%で、通常座席と同程度だった。
1試合のみの調査結果だが、ワクチン接種が進み、緊急事態宣言などが解除された状況下での試合でも、ワクチン接種済や事前検査で陰性が証明されている観客も含め、マスク着用率は従前に比べ大きな差はなかった。
今後も調査を継続し、結果を取りまとめる。なお今回は速報のため、今後、数値などが修正される可能性がある。