大洋塩ビはこのほど、塩化ビニル樹脂を12月1日納入分から「43円/kg以上」値上げすると発表した。同製品については、今年に入り原燃料価格高騰を背景に2度の価格改定を行ってきたが、その後も原燃料価格はさらに騰勢を強めている。加えて、近年の生産設備の修繕・維持費用、副資材などの諸経費の高騰が、事業収益を大きく圧迫、自助努力だけでは事業継続に支障をきたしかねない状況にある。
塩化ビ樹脂の国内需要は、昨秋から新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に払拭され回復基調にある。また、アジアや米国をはじめとした海外需要も堅調に推移、日本を含むアジア域内の需給バランスもひっ迫した基調が継続しており、海外市況は歴史的高値圏で推移している。このような状況下、今後も国内での安定供給を継続するため、再度の価格改定実施を決定した。