東ソーは6日、ジルコニア粒子構造の再設計により、従来の焼成温度(1500℃)よりも低温(1250℃)で焼結できるジルコニア「Zgaia」シリーズを開発したと発表した。焼成温度を低下させることでCO2排出量の低減に貢献することが期待される。
「Zgaia」シリーズは、特長として、①粒子構造の再設計による低温焼結性の付与、②同社独自製法による均一なイットリア(Y2O3)が挙げられる。今回、従来のジルコニアでは不可能であった低イットリア(Y2O3)添加グレード「Zgaia 1.5Y‐HT」の開発に世界で初めて成功し、高強度と高靭性の両立を実現した。過去には焼結体粒子の均一な微細組織化により水熱劣化を抑制したことで耐久性が高い「Zgaia 3Y‐LD」を開発しており、両グレードを顧客に訴求する。
今後、サンプルワークを本格的に開始し、量産化を検討していく。同時に、「1.5Y‐HT」の高靭化のメカニズムに関しては、東京大学に開設している「次世代ジルコニア創出社会連携講座」にて解明中であり、近日中に共同発表を行う予定だ。同社は、世界で初めてジルコニア量産化に成功して以降、ファインセラミックス分野での世界トップメーカーを維持しており、今後も革新的な技術開発に注力していく。