帝人フロンティアは7日、発汗時の水分に反応して編み地が三次元的に構造変化することで、体感可能なレベルで通気性が高まり、衣服内の蒸れ感を解消する快適素材「FIBALIVE AC(ファイバライブ エーシー)」を開発したと発表した。
2023年度向けから、同製品を通年対応が可能なスポーツ・アウトドア向け衣料の重点プロモート素材と位置づけ、ユニフォームをはじめとした機能性衣料用途や資材用途なども含めて幅広く展開していく。2024年度には25万mの販売を目指す。
同社は、吸湿性の異なるポリマーを貼り合わせて糸にし、コイル状のクリンプ構造をもつS/S(サイド・バイ・サイド)型複合糸を使用した、快適素材「ファイバライブ」を2009年から販売。水分に反応して編み目が開閉し衣服内の蒸れ感を軽減するが、従来品は、発汗時に編み目が大きく開くことから衣服のサイズに変化が生じる課題があった。そのため、製品化にあたり編み目の開閉の変化量を一定規模に抑えざるを得ず、通気性の制御機能低下を余儀なくされていた。
こうした中、S/S型複合糸による特殊加工糸を使用することで、編み地構造が二次元方向ではなく三次元方向に変化し、高いレベルで通気性をコントロールできる新たな立体編み地構造体として、自己調節快適素材「ファイバライブAC」の開発に成功した。
機能面の特長は、発汗前に比べて2倍以上の高レベルな通気性の変化、吸水時の寸法変化の抑制(変化率:タテ・ヨコとも5%以下)、高密度編み地設計による優れた風防性、ソフトな風合いと外観の優れた質感など。環境面では、リサイクルポリエステルとの組み合わせが可能なほか、自動的に通気性を制御するため省エネにも貢献する。