旭化成と旭化成アドバンスは13日、ベトナム・ハノイ近郊(タイビン省)において、帝人フロンティアと旭化成エアバッグファブリックベトナム(AFV)を設立し、エアバッグ基布製造拠点を新設することを決定したと発表した。なお、AFVの出資比率は、旭化成74%、旭化成アドバンス20%、帝人フロンティア6%。エアバッグ基布の新設備は年産約2000万㎡で、2024年上期の稼働を予定している。
旭化成のナイロン66繊維「レオナ」は、高強度、高耐熱、高耐久、軽量という特性を有し、自動車用エアバッグ向け原糸やタイヤの補強材として、自動車産業を中心に広く工業資材分野で採用されている。中でも、主力用途のエアバッグは、アジア地区での自動車生産台数の増加および安全要求の高まりにより、搭載率が上昇し、搭載部位も増加するなど、さらなる成長が見込まれている。また、CASEやサステナビリティの観点から、顧客のエアバッグに対するニーズの多様化も予想されている。
これまで旭化成グループは、エアバッグ素材メーカーとして、「ナイロン66原糸の製造・販売」、「中国における帝人フロンティアとのエアバッグ基布製造合弁会社の運営」および「縫製品の製造・販売」を行ってきた。こうした中、原料・原糸・基布・縫製の一貫開発および生産体制を構築し、顧客への迅速な対応と、さらなる付加価値の提供を実現するために、AFVの設立およびベトナムにエアバッグ基布製造拠点の新設を決定し、エアバッグ素材サプライチェーンの一層の強化を図っていく。
旭化成グループは今後も、エアバッグ素材サプライチェーンにおける全てのセグメントにおいて、顧客ニーズに合わせた事業拡大・安定供給を継続し、事業環境変化に応じた技術向上に努めることで、現在から未来への安心・安全なモビリティ社会の実現に貢献していく。