三菱ケミカルは15日、キレート剤のエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、L‐アスパラギン酸N、N‐二酢酸(ASDA)について、2022年1月1日出荷分より価格改定の実施を決定し、各需要家と交渉に入ったと発表した。改定品目と改定幅は、EDTA類とDTPA類が国内「35円/kg以上」輸出「300ドル/t以上」、ASDAが国内「25円/kg」輸出「200ドル/t以上」となっている。
キレート剤は国内の洗剤や肥料向けの需要が堅調に推移し、海外では水処理用途を中心に需要が伸張している。一方、供給面では、足元の原油価格上昇に伴い直近の国産ナフサ価格は6万円/klを超えるレベルで推移している。これを受けてEDA・苛性ソーダ・ホルマリンなどのキレート剤の原料価格が大幅に上昇している。加えて梱包材料、物流費などの諸経費の上昇、近年の働き方改革や設備安全への要求の高まりから製造コストは上昇しており、採算が悪化している。
こうした中、同社は、生産の効率化などによるコスト低減努力を続けているものの、現在の原料価格の上昇は自助努力で吸収できる範囲を超えていることから、このコスト上昇分を価格に転嫁せざるを得ないと判断し、価格改定の実施を決定した。