三菱ケミカルは17日、難燃性を高めた内装材向けのアルミ樹脂複合板「ALPOLIC(アルポリック)/fr INNER LIGHT」に、消臭・抗菌機能を付加した新たなグレードを今月下旬から発売すると発表した。
同製品は、アルミニウム合金の表面の塗膜が、排泄臭や生ごみ臭、たばこ臭などの原因となるアンモニアや硫化水素などの悪臭物質を吸着し、室内の不快な匂いを低減。また、食中毒や下痢などの要因となる黄色ブドウ球菌や大腸菌に対しても抗菌効果を発揮する。今後、抗菌製品技術協議会(SIAA)が制定した抗菌シンボルマーク「SIAAマーク」取得にも対応していく予定だ。
同社では不燃性能に加えて消臭・抗菌機能を持つ同製品を内装仕上げ材のラインアップに追加することで、たばこの分煙化が必要な飲食店や公共のトイレ、病院、福祉・介護施設、レストランの厨房や住宅のキッチンなどを最適な用途と位置づけ、より幅広い分野での拡販を目指す。
また同製品は、製造ラインで一括してプレコーティングすることにより、消臭・抗菌機能をもつ塗料を後工程で塗布したり、施工現場で塗装したりすることなく、より低コストで提供できる。加えて、表面がアルミニウムのため、金属調の意匠性に優れるほか、割れや破片が飛散するなどの危険性も低減できる。
「アルポリック」は表面にアルミニウム、芯材に樹脂を使用した3層構造からなるアルミ樹脂複合板。さまざまな意匠・加工性・耐候性を持つシリーズを取り揃え、幅広い用途で使用されている。1970年代の生産・販売開始から現在に至るまで国内トップシェアを誇り、海外でも世界130カ国以上への販売実績がある。
今年10月に、今回の新製品のベースとなる「アルポリック/fr INNER LIGHT」を発売。新たに開発した難燃性が高い芯材を採用することで、単位重量当たりの潜在燃焼発熱量を従来品の十分の一に低減し、高い評価を得ている。