クレハはこのほど、グループ会社であるクレハ・アメリカ(米国テキサス州)が、米国スタートアップ企業であるClaros Technologies(C社)と、PFAS吸着及び無害化技術プラットフォーム開発についての共同開発契約を締結したと発表した。
C社は、米国ミネソタ大学からの技術ライセンスにより、様々な基材中にナノ粒子を生成する技術を保有し、次世代のサステナブルな機能繊維や、水浄化用途で有害物質を高選択で除去できる吸着材を開発している。
パーフルオロアルキル化合物、ポリフルオロアルキル化合物及びこれらの塩類(PFAS)は各種産業に広く利用されているものの、毒性が高く、自然分解しないため環境中に残存しやすい化学物質。C社が開発した「Clarosorb PFAS」吸着材は、水中のPFASを効率的に捕捉し、より安全な水を生成する。またC社は高度な分析能力を保有していることに加え、PFASをフッ素やCO2などの安全な副生成物に変換する完全無害化プロセスを開発中であり、これらの技術を組み合わせた、分析・除去・破壊を含むPFAS浄化のエコシステム確立を目指している。
今回、クレハはC社との契約によって戦略的なパートナーシップを構築し、PFASに対する持続可能なソリューションの共同開発を加速させ、化学メーカーとしての社会的責任を果たしていくとともに、さらなるビジネスポートフォリオ拡大を目指していく。
クレハは中期経営計画において、前中期経営計画から引き続き新規事業探索と育成に取り組んでいる。今後もシナジーが見込めるスタートアップとのオープンイノベーションを積極的に推進し、新事業のシーズを数多く生み出していく。