帝人は28日、英ボンバルディア・エアロストラクチャーズ・アンド・エンジニアリング・サービスのエアバスA220向けの、炭素繊維「テナックス」の供給契約を延長したと発表した。
両社は2010年に「テナックス」の供給契約を締結し、主翼やセンターウィングボックス(翼胴結合部)、尾翼などの構造材向けの指定原糸として供給してきた。新たな供給契約の締結により、契約期間は2025年まで延長されることになる。
帝人は炭素繊維事業の拡大に向け、航空機用途を注力分野の一つとしている。高強度高弾性率炭素繊維をはじめ、熱可塑性樹脂を使用した一方向性プリプレグテープ、炭素繊維強化熱可塑性樹脂積層板、熱硬化性プリプレグ、一方向に並べた炭素繊維の束を化学繊維糸で縫い付けたシートのノンクリンプファブリックなど、幅広い製品展開により、強力に用途開発を推進している。
今回の契約延長を機に、航空機向け炭素繊維製品のマーケットリーダーとしてソリューション提案力を一層強化し、2030年ごろまでに、航空機用途で年間9億米ドル以上の売上を目指す。