帝人グループは今月12~14日にフランス・パリで開催される「JECワールド2019」に出展する(展示ブース:ホール6、G28とJ28)。同展示会は、世界中に55万名以上の会員をもつ世界最大の複合材料関連団体・JECグループが毎年開催しているもの。今回は、新たに帝人グループに加わったイナパル・プラスティコ社とジーグラー社を含む、同グループの複合成形材料や高機能マテリアルを結集し、さらなる用途開拓を図る。
イナパル・プラスティコ社は、ポルトガルの自動車向け複合材料成形メーカー。炭素繊維を使用したCF-SMC(熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させシート状にした成形材料)やPCM(プリプレグ・コンプレッション・モールディング)などの技術をもつ。
他方、ジーグラー社はドイツに本社を置き、欧州を中心に自動車向け内装材の生産・販売を展開。長年培ってきた不織布の生産・加工技術を応用し、優れた静音性能をもつ吸音材製品を市場投入しており、欧州で高いシェアを誇る。共に昨年夏、帝人グループの100%子会社となった。
主な出展内容は、複合成形材料では、熱可塑性炭素繊維複合材料(CFRTP)「セリーボ」や超軽量複合成形部材。高機能マテリアルでは、炭素繊維「テナックス」、パラ系アラミド「トワロン」「テクノーラ」、不織布「HACOloft」、高耐熱・高耐衝撃プリプレグなどを予定。構造部材やEV向けバッテリーケースといった自動車関連部品をはじめ、宇宙・航空、船舶、風力発電、建築など、各素材に合わせたさまざまな用途を提案していく。強度に優れるアラミド繊維「トワロン」と炭素繊維「テナックス」を組み合わせた、複合材料で補強したヘリコプター座席なども紹介する。