旭化成メディカルは27日、宮崎県延岡市で建設を進めてきたウイルス除去フィルター「プラノバ」の組立工場が完工し、竣工式を開催したと発表した。
同社は、バイオ医薬品や生物学的製剤のプロセスで使用されるウイルス除去フィルター「プラノバ」、バイオセーフティ試験受託サービス、バイオ医薬品CDMOといった「バイオプロセス事業」を成長エンジンの1つと位置づける。
1989年にセルロース製中空糸型フィルター「プラノバ」、2009年に「プラノバ BioEX」を開発し、医薬品の安全性に貢献する製品として製薬会社の信頼を獲得し、グローバルに事業を拡大。2022年には、高いウイルス除去性とオペレーションの簡素化を実現した次世代セルロース膜「プラノバ S20N」をラインアップし、多くの顧客から着実に評価を得ている。
近年、生物学的製剤のウイルス安全性に対する要求が高まっていることに加え、モノクローナル抗体を中心としたバイオ医薬品の開発が活発化しており、ウイルス除去フィルターの需要が増加している。同社は、2019年に「プラノバ」紡糸工場(宮崎県延岡市)を竣工し、2021年には「プラノバ BioEX」紡糸工場の増設(大分県大分市)を決定するなど、生産体制の強化に取り組んできた。さらなる安定供給を目指し、今回、3施設目となる組立工場が竣工した。
同社は今後も、積極的に研究開発や設備投資を行うとともに、革新的かつ信頼性に優れたバイオプロセス製品・装置や学術コンサルテーションの提供を通じて、バイオ医薬品メーカーが安全かつ効率的に、患者が安心して使用できる医薬品を製造することに貢献していく。