東レは7日、2025年3月期第1四半期(4―6月期)の連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比10%増の6377億円、事業利益68%増の368億円、営業利益83%増の381億円、純利益93%増の269億円だった。
セグメント別では、繊維事業は増収増益。衣料用途は欧州市場の低迷や海外品との競争激化の影響は継続しているが、総じて堅調に推移した。産業用途は自動車用途で需要が回復傾向にあるが、国内自動車メーカーの不正問題や中国EV市場での競争激化の影響を受けた。
機能化成品事業は増収増益。樹脂・ケミカル事業は、樹脂事業が国内自動車メーカーの減産の影響を受けたが、中国およびアセアン向け非自動車用途の需要が回復。ケミカル事業は堅調に推移した。フィルム事業は電子部品関連でサプライチェーンの在庫調整の反動から需要が伸長した。電子情報材料事業は有機EL関連材料・回路材料の需要に回復が見られた。
炭素繊維複合材料事業は増収増益。航空宇宙用途が順調に回復を続けているほか、風力発電翼用途に緩やかな回復が見られた。
環境・エンジニアリング事業は増収減益。水処理事業は、逆浸透膜の二大市場である米国・中国において需要が堅調に推移したほか、中東向けの大型案件があった。国内建設子会社が高収益物件の販売減少の影響を受けた。
ライフサイエンス事業は増収・事業赤字。医薬事業は、後発医薬品浸透および薬価改定の影響を受けたほか、海外で販売量が伸び悩んだ。医療機器事業は、透析機器が国内外で堅調に推移したが、原燃料価格高騰の影響を受けた。
なお同日、上期業績予想の修正を発表。売上収益1兆3100億円(前回予想比500億円増)、事業利益700億円(同100億円増)、純利益460億円(同70億円増)を見込む。通期業績予想については、第2四半期決算時に見直す予定。