ユニチカはこのほど、バイオマスプラスチック「テラマック」の新規銘柄であるストロー向け樹脂グレード「TP‐5040」を開発したと発表した。今後は市場へ投入するとともに、国内外に向けた積極的な販売体制を整えることにより、新規顧客開拓を進めていく。
昨今は海洋汚染問題がクローズアップされており、国内外の大手飲食チェーンを中心にプラスチック製ストローの廃止、もしくは紙製ストローへの置き換えの動きが加速している。こうした中、プラスチック製ストローの置き換えを進める場合は、材料自体が生分解性を有することが必須条件と考えられる。
植物由来のポリ乳酸を原料とした「テラマック」は、微生物や酵素の働きによって最終的には水と二酸化炭素に分解する。ただ「硬い・脆い」といった性質があり、ストローとしては、製造時のカッティングや使用時の折り曲げなどにより、ひび割れや破損を生じやすく、そのままでは実用化には適していなかった。
この問題点を解決するため、新グレードでは柔軟成分のポリマーおよび無機フィラーなどを適量付与。これにより一定の柔軟性と剛性、加工性を併せもつ最適な樹脂となった。また、紙製ストローは耐久性や強度に問題点があるが、新グレードは従来のプラスチック製ストローと同様の使用感を得ることができるのも大きな特長。
なお、ストロー向け樹脂グレードは日本バイオプラスチック協会(JBPA)のバイオマスプラマークを取得申請中。また、ポリオレフィン等衛生協議会の確認証明書を取得している。
今後は、プラスチック製ストローの代替用途として販促活動を進めるとともに、ストロー以外の用途への転用も図り、3年後には年間売上高5億円を目指していく考えだ。