旭化成は9日、旭化成発のスピンアウトベンチャーとなるDiveRadGel(ダイブラッドジェル)を設立したと発表した。DRG社では、新規薬物送達システム(DDS;Drug Delivery System)基剤「ソナノス」を用いたがんワクチン事業を担い、複合的がん免疫治療の医師主導治験による臨床試験入りを目指す。
DRG社は、経済産業省が支援する“出向起業”の枠組み「大企業等人材による新規事業促進事業」を活用し、旭化成グループ非連結会社として創業した。代表取締役社長には、ヒアルロン酸ナノゲルの発明者であり、旭化成リードエキスパートの中井貴士氏が就任。
中井氏は、「このたび、『ソナノス』を用いたがん免疫療法を開発するDRG社を旭化成からのスピンアウトベンチャーとして設立できたことを大変うれしく思う。本治療法は、既存のがんワクチンや遺伝子改変T細胞の限界を克服し、強力な抗腫瘍効果と再発抑制をもたらすことが期待される。がんに苦しむ患者さまに1日でも早く新たな治療法を提供できるよう取り組んでいく」と述べている。