出光興産は徳山事業所(山口県周南市)で、従来比約30%の省エネルギー効果がある高効率型ナフサ分解炉の建設起工式を、4月25日に行った。
同社は装置の高効率化によるコスト競争力の強化を目的として、エチレン製造装置内にある旧型のナフサ分解炉2基を、高効率ナフサ分解炉一基へ更新することを決定した。2020年内の完成を予定。
高効率ナフサ分解炉は、原料を短時間で熱分解しエチレンの得率を高め、熱効率を向上させる仕組みで、従来の分解炉によるエチレン生産時と比較し約30%の省エネルギー効果が発揮される。
徳山事業所は、1957年に出光初の製油所として操業を開始し、1964年に石油化学工場を立ち上げた。現在は周南コンビナートを形成する中核企業として、国内生産量約11%のエチレンを生産しコンビナート各社へ安定供給するとともに、競争力強化に向けた取り組みを行っている。
なお今回の更新は、工場の省エネルギー化を支援する経済産業省の「平成30年度省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」に採択されたもの。
同社は、今後も事業活動に伴う環境負荷の低減に注力するとともに、地球環境と経済が調和した地域社会の形成への貢献を目指していく。