JXTG 大田次期社長「40年を目指し新中計で加速」

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2020年5月22日

JXTGエネルギーの大田勝幸社長
JXTGエネルギーの大田勝幸社長

 JXTGホールディングスとJXTGエネルギーはこのほど、社長交代人事を発表した。6月25日付で、JXTGエネルギーの大田勝幸社長が、「ENEOS(エネオス)ホールディングス」と「ENEOS」両社の社長に就任する。

 JXTGグループは、6月に運営体制と商号の変更を予定。ホールディングスとエネルギー事業会社を実質的に統合し1つの事業持株会社とすることで、新生「ENEOSグループ」体制の下、新たな運営形態に移行する。

 20日、オンライン形式による社長交代会見で、JXTGホールディングスの杉森務社長は、「大田氏は2018年にJXTGエネルギー社長に就任して以来、鋭い分析力と、明朗闊達で何事にも真摯な姿勢でリーダーシップを発揮し、巨大なエネルギー事業会社を1つにまとめ、構造改革に果敢に取り組んでいる」と、大田社長を評価。「その経営手腕は周囲が認めるところだ。

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ダイセル 「国連グローバル・コンパクト」参加企業に

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2020年5月22日

 ダイセルは21日、国際連合(国連)が提唱する「国連グローバル・コンパクト」に署名し、4月29日付で参加企業として登録されたと発表した。また同日付で、日本のローカルネットワークである「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン」に加入している。

 「国連グローバル・コンパクト」は、企業や団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することで、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み作りに参加する自発的な取り組み。世界160カ国以上の1万4000を超える企業や団体(5月現在)が参加している。

 同社は昨年6月に「サステナブル経営推進室」を設置し、持続可能な社会に貢献する体制を強化。「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の四分野からなる「国連グローバル・コンパクトの10原則」を支持し、今後も持続可能な世界の実現に向けて活動していく考えだ。

石化協 森川会長「厳しい局面下でも安定供給が重要」

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2020年5月22日

 石油化学工業協会は21日、今年で2年間の任期満了を迎える森川宏平会長(昭和電工社長)の退任に向けた挨拶文を発表した。

 初めに、協会が取り組む3つの重要課題について振り返った。①「保安・安全の確保」では、経営層の強い関与を重要視し、保安に関するトップ懇談会、事業所長の保安に関する意見交換会を実施。安全文化の醸成では、保安推進会議・保安表彰式、保安研究会、産業安全塾などの開催により、情報や教訓の共有化、危険に対する感性の向上、人材育成支援などを進めた。

 スマート化に向けた取り組みでは、IoT、AIなどの最新技術について会員各社向け勉強会や官民協同テーマ検討などに注力。森川会長は「新技術は今後さらに導入が進むと思われ、保安の向上、操業の安定化に寄与することを期待している」とし、「会員各社のプラントにおいては、幸いにして、死傷者を伴う重大保安事故の発生は無く、今後もこのような状況の継続と軽微な事故件数の低減を望む」と強調した。

 ②「事業環境の基盤整備」では、わが国石化産業が国際競争に打ち勝ち、持続的に発展していくために、税制改正や規制改革の実現に取り組んだ。第3次石環検の答申を受け、昨年12月に「今後の定期修理の在り方に関する報告書」をまとめている。

 ③「グローバル化対応の推進」では、アジア石油化学産業会議(APIC)に協力参加。また、中国石油・化学工業連合会(CPCIF)、日化協との共催で日中化学産業会議を毎年開催した。「交流を通して、同国の石化産業への取り組みの真剣さと技術的進化を肌で感じた。経済成長のみならず環境に対する意識の大きな変貌を目の当たりにし驚かされた」と感想を述べた。

 最後に森川会長は、「米中貿易摩擦の激化、原油・中東情勢など国際情勢も不確実性を増している状況だ。わが国経済は、コロナ禍の影響により、厳しい局面に直面している。今後、石化製品の需要は、一部分野で堅調さが見られるが、国内自動車生産の本格的な減産が実施されるなど、工業用途向分野のさらなる低下が見込まれる。新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく『緊急事態宣言』が徐々に解除されるとともに、国内経済活動が再開していくことが期待されるが、依然、第2波リスクは残るなど、新型コロナウイルスとの共存が求められる時期がしばらく続くことが予想される」と懸念を示した。

 そして「このような状況にある中、安全で安定した国民生活を支えるためにも石化業界における製品の安定供給は引き続き極めて重要だ」と訴えた。

 なお、次期会長には、三菱ケミカルの和賀昌之社長が推薦され、7月2日に開催予定の定時総会で選出される予定となっている。

JSR 東大理物と包括連携、新技術・新材料の創出を図る

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2020年5月22日

 JSRは21日、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻(東大理物)と包括的連携に合意し、4月1日より、共同研究を開始したと発表した。東大理物は包括連携を通して、社会に深く浸透した様々な材料の機能の理解を深め、その探究を通して普遍的真理と新たな学問領域を見出だしていく。

 JSRはその成果として、アカデミアと産業界の融合による、新たな高機能材料を社会に導出する。また、包括連携にはフェローシップも含まれており、このような取り組みは東大理物130年以上、JSR60年以上の歴史の中で、互いに初の試みとなる。

 具体的な取り組みとして、①東京大学本郷キャンパス理学部1号館に協創オフィス「JSR・東京大学協創拠点CURIE」を設置。名称のCURIE(キュリー)は、物理学賞と化学賞、2度のノーベル賞を受賞したマリ・キュリー氏の名にちなみ、物理と化学の融合による大きな研究開発成果の創出を願い命名した。加えて、研究開発で重要な「好奇心(キュリオシティ)」、「知性(インテリジェンス)」および「感性(エモーション)」の意味も包含している。

 ②世界に羽ばたく人材育成のため、物理学専攻の博士課程学生を対象とした給付型フェローシップである、「JSRフェローシップ」を創設。今後ますます重要になる、理論、実験に限らず幅広い物理学を通して、学術界、産業界を発展させうる人材を支援することを目的としている。

 ③サイエンスと産業技術の融合による新技術・新材料の創出。JSRは製品の機能発現原理を深く理解し、サイエンスに基づく、物理と化学の融合により、非常に高い差別化性能を持つ製品開発を推進していく。さらに、東大理物は、この連携の中で多様な現象の探究と物理的視点に立った学理追求を行うことで、次世代の科学と応用の基盤となる成果を世界に発信していく。

 JSRの川橋信夫社長兼COO兼CTOは「当社製品のさらなる性能向上には、自然科学に基づいた原理原則を理解することの必要性を認識していた。東大理物は、素粒子から光、物性、宇宙、さらには、生物まで、あらゆる分野を網羅する、日本最大かつ世界でも最大規模の物理学研究の拠点であり、JSR製品の機能を飛躍的に向上させるサイエンスを共に構築できる最適なパートナーと考えている」とコメント。

 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻長の常行真司教授は「包括連携を通じて、材料分野だけでなく、幅広い科学分野で成果を創出し、さらには、基礎研究だけでなく社会の課題解決にも意欲的な人材の育成と輩出を目指す」と述べている。

東ソー 新型コロナウイルス抗体検出試薬の開発に着手

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2020年5月22日

 東ソーは21日、同社の全自動化学発光酵素免疫測定装置「AIA‐CL」シリーズ用の「新型コロナウイルス(SARS‐CoV‐2)に対するウイルス抗体検出用検査試薬」の開発を開始したと発表した。

 免疫測定検査試薬の特徴であるモノテスト&凍結乾燥技術をベースとした、迅速・高感度なオールインワン検査試薬の開発を推進。全自動装置である「AIA‐CL」シリーズと組み合わせることで、簡便かつハイスループット(高生産性)な測定環境を提供することを目指す。

 同社は、独自のモノテストカップ方式の全自動免疫測定(イムノアッセイ)検査システムを展開し、60を超える検査項目の測定試薬を開発してきた。これまで培ってきた技術と知見を生かし、早期の完成を目指す。

 また、遺伝子検査法の1つで、RNAを増幅・検出するTRC法を用いた新型コロナウイルス検査キットの開発も、体外診断用医薬品としての上市を目指して精力的に取り組んでいる。新型コロナウイルスに起因する世界的な公衆衛生上の問題対策の一助を担うため、関係各所に協力を仰ぎ、早期の社会実装化を目指す考え。

 なお、今回の件は、日本医療研究開発機構(AMED)の令和2年度ウイルス等感染症対策技術開発事業「新型コロナウイルス抗体検出を目的としたハイスループットな全自動免疫測定方法の開発及び同測定方法の社会実装に向けた研究」のもとに実施される。

 研究課題は、横浜市立大学学術院医学群微生物学の梁明秀教授を中心とする研究グループの研究成果である抗ウイルス抗体検出方法を基に、東ソーと横浜市立大学、関東化学が協働で実施する。

 

宇部興産 中計の進捗、初年度は環境悪化で未達に

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2020年5月21日

 泉原社長「コロナ収束後に向け、成長戦略を推進」

 宇部興産は20日、中期経営計画「Vision UBE 2025‐Prime Phase‐」(2019~2021年度)の進捗状況について電話会議による会見を行った。泉原雅人社長は、前年度を振り返り、「年度後半から中国経済の減速の影響を受け、自動車産業をはじめ製造業全体が不振に陥り減収減益となった」と総括した。今年度については、「新型コロナのマイナスインパクトは9月をピークに迎え、年度末にかけて回復してくる」と想定。コロナ影響によって売上高で

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住友化学、クラレ、旭化成建材の3社 日化協技術賞を受賞

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2020年5月21日

 日本化学工業協会はこのほど、優れた化学技術の開発や工業化によって化学産業ならびに経済社会の発展に寄与した事業者を表彰する「日化協技術賞」を発表。

 総合賞に住友化学の「低環境負荷・併産品フリーのクメン法プロピレンオキサイド(PO)製造プロセスの開発と工業化」、技術特別賞にクラレの「プラスチックシンチレーションファイバ(PSF)の開発と工業化」、環境技術賞に旭化成建材の「高性能発泡プラスチック断熱材「ネオマフォーム」「ネオマゼウス」の開発」を選定した。

 住友化学のPO製造技術は、クメンを循環利用し、副生物が実質的に水のみでPOだけを生産する世界で初めて工業化されたクメン法PO単産プロセス。独自開発のエポキシ化触媒と組み合わせることで、非常に高いPO収率と分離精製の省エネ化を達成し、優れた運転安定性を実現できるという特長が評価され、受賞に至った。

 クラレのPSFは、独自製法で開発したプラスチック製光ファイバー。コア(内側)は蛍光剤入りのポリスチレン樹脂、クラッド(外側)はメタクリル系樹脂の多重構造で、放射線が当たると発光する性質を持つ。高い発光量、透明性、優れた線径精度は世界中の研究者に認められ、放射線検出用素材のデファクトスタンダードとなっている。今回、PSFの技術開発と製品性能、世界的な研究機関への安定供給実績、民生用途への拡大などが評価された。

 旭化成建材の高性能発泡プラスチック断熱材は、フロン系ガス不使用や断熱性を長時間維持するといった課題を克服した製品。旭化成建材は、フェノール樹脂組成の抜本見直しを行い、フェノール樹脂発泡体の脆さ改善と強度の大幅向上を達成。さらに独自の発泡ガス組成や添加剤などの最適化により、革新的なフェノールフォーム発泡成形技術の開発に成功した。断熱材の開発が、環境負荷低減に顕著な効果を持ち、わが国の化学技術の進歩と産業の発展に大きく寄与するものとして評価された。

 

日清紡 モビリティ領域の事業拡大に向け独2社を買収

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2020年5月21日

 日清紡ホールディングスは、連結子会社であるJRCモビリティが、大手自動車メーカーの車載機器の開発支援を行っているドイツ現地法人のRBIとLEASの2社を買収し完全子会社化したと発表した。

 日清紡グループでは「環境・エネルギーカンパニー」グループとして、「モビリティ」「インフラストラクチャー&セーフティー」「ライフ&ヘルスケア」の3つの戦略事業領域で未来社会の創造に取り組んでいる。今回の買収は、主力である「モビリティ」領域のITS(高度道路交通システム)事業の拡大・成長を図るもの。

 JRCモビリティは輸入車に搭載するETC車載器を製造・販売している。ETCのような道路課金システムは世界的に広がりつつあり、車載器搭載を義務付ける国もある。しかし、システムの仕組みや方式が国により異なるため、車載器の仕様が多種多様化しており、開発スピードの向上が重要な戦略となる。

 こうした中、JRCモビリティと協力関係にあり、開発エンジニアリング機能と組み立て・ロジスティック機能を持つ現地法人2社を買収。ドイツに拠点を持つことで、欧州自動車メーカー向けの車載器ビジネスを機動的かつ戦略的にグローバル展開することが可能となった。

 現在、自動車業界ではCASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)という新たな領域での技術革新が進んでいる。高度な情報通信技術分野で多くの実績と強みを持つJRCモビリティが、コネクティッド領域の発展に貢献することで、日清紡グループのモビリティ領域をさらに成長させるエンジンの役割を果たしていく。

 

東洋紡 新型コロナ検出キット、医療保険の適用対象に

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2020年5月21日

 東洋紡はこのほど、新型コロナウイルスを短時間で抽出・検出・測定できる検出キット「SARS‐CoV‐2 Detection Kit」が、公的医療保険適用の対象となったと発表した。

新型コロナウイルス検出キット、Nセット(左)とN2セット
新型コロナウイルス検出キット、Nセット(左)とN2セット

 同キットは、厚生労働省、国立感染症研究所発行の「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019‐nCoV遺伝子検査方法について」(5月12日版)の中で、陽性一致率90%、陰性一致率100%である遺伝子検査方法として、その結果が公表された。これにより、国立感染症研究所が作成した「病原体検出マニュアル2019‐nCoV」に準じた方法に該当することから、公的医療保険の適用対象となった。同キットは、これまで2時間半以上かかるのが一般的だったPCR法による新型コロナウイルスの抽出から検出・測定までを、最短60分以内で実現するもの。独自の遺伝子増幅酵素(特許出願中)を採用し、検体から遺伝子を抽出・精製する工程を省略できるのが特長だ。

 また、増幅・検出工程に使用する試薬の配合を調整し酵素の働きを最適化したことで、遺伝子の増幅にかかる時間を従来の約半分に短縮。使用に際しても、汎用的な遺伝子増幅装置(リアルタイムPCR装置)のみで行える。今年4月から敦賀バイオ工場(福井県敦賀市)で製造を開始、研究用試薬として全国の研究機関や大学の研究室、製薬メーカーの研究部門向けに販売している。

 今後は、同キットが医療現場に広く普及しPCR検査が迅速・簡便に行われることで、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に貢献していく。なお、同キットでは、検出用プライマー・プローブ液はNセットとN2セットの2タイプを提供している。いずれも価格は9万円(税別)/100回用。

 

日本触媒 カニ殻由来の化粧品素材、ベンチャーと業務提携

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2020年5月21日

 日本触媒は20日、マリンナノファイバー社と化粧品用素材に関する業務提携契約および代理店契約を締結したと発表した。同契約により、日本触媒は化粧品素材分野においてマリンナノファイバー社が製造した「キチンナノファイバー」と「加水分解キチンナノファイバー」のマーケティング活動を開始する。

キチンナノファイバー
キチンナノファイバー

 マリンナノファイバー社は、鳥取大学工学部の伊福伸介教授が設立した鳥取大発のベンチャー企業。蟹の名産地である鳥取県で大量廃棄されるカニ殻に着目し、カニ殻由来の新素材「マリンナノファイバー」に関する製品の研究開発・製造販売を行っている。

 「マリンナノファイバー」は、カニ殻の主成分であるキチンおよびその加水分解物を超極細繊維として抽出した「キチンナノファイバー」と「加水分解キチンナノファイバー」。「キチン」は、カニやエビなど甲殻類の外殻やキノコの細胞壁などの主成分で、生物資源由来の物質で持続性・安全性が高い、生物分解性などの特徴がある。

従来のキチン粉末(左)とキチンナノファイバー(右)
従来のキチン粉末(左)とキチンナノファイバー

 従来のキチン粉末では分散性・配合性が課題だったが、超極細繊維である「マリンナノファイバー」は、化粧品素材として分散性と配合性が良好、被膜形成力に優れる、創傷治癒性がある、人の肌にすっと馴染んで潤いをもたらす、抗炎症性がある、抗菌性がある、養毛効果がある、毛髪のツヤや指通りを向上させるなど、種々の特徴的な効果効能を持つ。この画期的な天然素材により、化粧品に様々な機能を付与することが期待される。

 日本触媒では、これらの特徴的な効果効能を実験データにより明確化するとともに、各化粧品用途に向けた処方を開発することで市場を開拓していく。そして、ニーズに対応した素材を提供することにより、中計の中で新規事業ターゲットの1つと定めた化粧品素材事業の拡大を目指していく考えだ。