三菱ケミカル 米国でMMAモノマー新設用の土地を取得

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2020年12月10日

 三菱ケミカルは9日、米国での独自技術「新エチレン法(アルファ法)」によるMMAモノマーのプラント建設を前提に、同国ルイジアナ州ガイスマーの土地を取得したと発表した。2022年半ばをめどに投資の最終判断を行う予定で、2025年中に35万tのMMAモノマー生産設備の稼働を目指す。

 同社は、2010年代前半より米国のシェールガス由来のエチレンを原料とした「新エチレン法(アルファ法)」によるMMAモノマーのプラント建設に向け候補地を検討。今回取得する土地は、エチレンをはじめとした原料調達のアクセスや近接するミシシッピ川を活用した物流面の優位性などにより、競争力の高いMMAモノマー事業の実現が可能となる。

 新エチレン法(アルファ法)は、2008年に同社グループのルーサイト社が開発した独自技術。同製法のプラントは、シンガポールとサウジアラビアにあり、今回の米国が3番目の拠点となる。また、米国プラントは生産能力35万tを予定しているが、これまで最大規模であったSABICとの合弁会社が運営するサウジアラビアプラント(同25万t)を超え世界最大となる見込みだ。

 同社は、MMAモノマーをグローバルに展開しており、今回のプロジェクトは単独出資で進めている。独自技術や立地優位性をベースとした競争力の高いプラントを新設することで、米国をはじめとした世界全域への最適な供給体制を構築し、リーディングカンパニーとしての地位を確固たるものにしていく。

三菱ケミカル 働き方改革を推進、社内転職が可能に

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2020年12月10日

キャリアデザイン面談を実施、社員の成長を支援

 三菱ケミカルは、同社流の働き方改革「三菱ケミカルは決めました」と題した30項目の宣言を昨年発表し、その実現に向けた取り組みに注力している。その一環として、〝従業員一人ひとりが社会の変化を的確に捉えて成長することが企業の持続的成長につながる〟という考えの下、グループ全体で「自律的なキャリア形成支援」を展開。

 具体的施策の1つとして、今後のキャリアについて、現状の課題と今後の取り組みを中長期的な視点で上司と話し合う「キャリアデザイン面談」を年1回実施している。面談では、〝ありたい姿〟を「キャリアデザイン面談シート」に記入。従業員自身が将来のビジョンと向き合う機会にもなっており、本人の異動希望や勤務地などの条件を上司と共有することで実現を目指す。

 同社の人事異動は、会社主導のみならず、職種・役職の公募に従業員が応募するケースも多く、関連会社の社長職が公募されることもある。その件数は年々増加しており、「キャリアデザイン面談」の結果、この公募制度が利用されることもある。こうした面談をはじめ、様々な社員の自律的なキャリア形成施策が評価され、厚生労働省が主催する「グッドキャリアアワード 2019」では、「イノベーション賞」を受賞した。また、面談では、自分が描いたキャリアに近づくために、新たな業務に挑戦することができる一方で、同じ社内で全く異なる職種を選ぶことも可能だ。

 この〝社内転職〟ともいえるキャリアチェンジは、総合化学メーカーである同社の事業業域が極めて広いこと、また、これを支えるための各研究所、購買、物流、知財管理など、数多くの部署をもっていることで実現していると言える。「キャリアデザイン面談」は、同社が発足した2017年に新設したが、それまで、従業員が主体的にキャリアについて考える機会がなかったため、人事部内にキャリア支援を専門業務とする「キャリアサポート室(現・キャリアデザイン・組織開発室)」を立ち上げた。

 キャリア相談窓口の設置、面談制度の新設、各拠点での説明会やワークショップの開催といった施策を実施した結果、キャリア相談件数は2017年度の39件から、2018年度には248件と大幅に増加しており、徐々に自身のキャリアについて自主的に考える意識が定着しつつある。

 同社は、大きく変化する市場環境や激化するグローバル競争に適応するとともに、多様な人材をひきつけ、活躍できる環境を実現するため、人事制度改革を推進。その一環として、人材配置については、10月から社内公募による異動を原則とした。募集回数も従来の年1回から4回に変更し、従業員の自律的で多様なキャリアを、一層支援・促進していく考えだ。

 

東洋紡 「グループ人権方針」を策定、人権尊重を推進

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2020年12月9日

 東洋紡はこのほど、国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」に従い、10月26日付で「東洋紡グループ人権方針」を策定したと発表した。

 同人権方針では、「人権尊重に関連した規範や法令の遵守」「事業活動全体を通じた人権尊重の責任」「人権デューデリジェンスの実施」「役員・従業員に対する教育」など8つの実践項目を定めており、国内外を問わず人権を尊重する経営を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献していく。

 同社グループは、目指す姿「人と地球に求められるソリューションを創造し続けるグループ」になるためには、人権尊重は欠かすことのできない要素の1つだと捉えており、グループの行動憲章や行動基準では、「人権・ダイバーシティの尊重」を謳い、人権を尊重することで多様性から生まれる価値の最大化を掲げている。

 今年1月には、人権の保護などに関する原則を定めた「国連グローバル・コンパクト」の趣旨に賛同し署名。今回、「国際人権章典」などの国際規範の支持・尊重を宣言する、グローバルな要請事項に応じた方針を新たに策定した。今後は同人権方針に基づき、社会のよき一員としてあらゆるステークホルダーの基本的人権を尊重する取り組みを実践し、広く社会から信頼される企業を目指していく考えだ。

ダイセル 新たな産学連携拠点の施設、金沢大に設置

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2020年12月9日

 ダイセルはこのほど、金沢大学と新たな産学連携拠点施設を同大の角間キャンパスに設置し、2022年から供用開始することに合意したと発表した。

 ダイセルは第四次長期ビジョンとともに、「サステナブル経営方針」を策定し、人々に幸せを提供する価値ある製品を、ヒトや地球にやさしい方法で生産する技術を開発・発展させることで、持続可能な社会の実現に貢献することを目指している。

 その中で、同社が長年扱ってきたセルロースをはじめとする脱石油につながる天然由来資源の有効活用「バイオマスプロダクトツリー構想」と、幅広い産業分野との連携で新たな社会的価値を創出できる仕組みづくり「クロスバリューチェーン構想」を推進。金沢大学との間では、長年、セルロースを中心に共同研究や人材交流を続けており、2018年には包括連携協定を締結。昨年には「先導科学技術共同研究講座」と同研究室を設置し、セルロース系の脱ヒ素浄化材の開発研究や、バイオマス由来の脱石油系合成プラスチックの製造を目指した基礎研究に取り組んでいる。

 今回の「新産学協働研究所(仮称)」では、バイオマスを活用したオープンイノベーション拠点として、林業、農業、水産業の一次産業の産品やその副産物、廃棄物などの森林資源・穀物資源・海洋資源などを、環境にやさしい次世代化学変換プロセスよって、様々なバイオマス新素材に変換する技術を共同研究し、その社会実装により「バイオマスプロダクトツリー構想」を実現していく重要な研究拠点となる。

三井化学 自動車向け特設サイトでソリューションを提案

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2020年12月9日

 三井化学は8日、同社ウェブサイトで自動車関連業種向けの製品を集めた新たな特設サイト「Mobility Materials web Exhibition」の公開を今月4日から始めたと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大により、リアル展示会の中止や縮小が今後も見込まれる中、リアル展示会に代わる提案の場として同サイトを運用していく考えだ。同社が今までに培ってきたノウハウと顧客からの要望を受け、検索機能を大幅に強化。パーツごと、またはソリューションによる最適な部材提案を行っていく。

自動車関連業種向け特設サイト
自動車関連業種向け特設サイト

 これまで同社ウェブサイトでは、「バンパー材」「燃料タンク」など大きく9つのカテゴリーにより部材提案を掲載してきたが、今回、よりきめ細かく自動車のパーツごとに分類。外装系では「フェンダー」「ピラー」「マッドガード」、内装系では「アームレスト」「フロアパネル」「天井材」、電装系なら「ワイヤーハーネス」「LEDリフレクター」などというように、各パーツに最適であると同社が推奨する部材が表示されるようになっている。また、「意匠性」「柔軟性」など、顧客の興味別に各ソリューションに関連する部材提案を行っていき、今後進展するEV化やコネクティッドカー化などにも対応する。

 三井化学は、今年4月に全社横断的なモビリティCoE(センター・オブ・エクセレンス)体制を構築し、顧客への素材提案力強化を推進。モビリティ事業本部内に設置したCoEプロジェクト推進室では、「軽量化」「CASE」「ライフスタイルの変化」「循環型経済への移行」などのキーワードに着目し、グローバルに情報収集や戦略室案、事業開発を展開している。

 その成果の1つとして今回、従来のモビリティ事業本部の枠を超えて他の事業本部の製品も含め、同社全製品で自動車関連業種の顧客へソリューションを提案するために同特設サイト(https://jp.mitsuichemicals.com/jp/special/mobility/index.htm)を立ち上げた。

出光興産 第17回アポロエナジーミーティング開催

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2020年12月9日

石炭動向を中心に説明、オンラインも参加者増加

 出光興産は4日、「第17回アポロエナジーミーティング」を開催。コロナ禍の影響により初のオンライン開催となったが、前年を上回る150社540人の関係者が参加した。同ミーティングは、電力、鉄鋼、化学といった同社の取引先に、石油・石炭をはじめとした主要エネルギーの需給・価格動向などの説明を行うもの。カーボンリサイクルが注目を集める中、石炭事業の将来や環境対応などについて発表が行われた。

 開会の挨拶に立った石炭事業部の児玉秀文部長は「脱炭素の動きが加速している。菅首相が所信表明で2050年カーボンニュートラル宣言を出し、大きな転換点になると見られる。石炭についても非効率石炭火力のフェードアウトが発表され、対応が求められている状況だ。ただ、 “出光興産 第17回アポロエナジーミーティング開催” の続きを読む

BASF 持続可能な認証パーム油の100%調達に向け前進

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2020年12月8日

 BASFはこのほど、昨年の実績を掲載した「パームプログレスレポート第4版」を発表した。パーム核油とその一次誘導体は同社の主要な再生可能原料の1つで、主に化粧品、洗剤、業務用洗浄剤やヒューマン・ニュートリションに使用されている。

 同社は2020年までに、全ての調達油脂原料をRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)認証原料にすることを目指す「パームコミットメント」を2011年に初めて発表し、2015年には目標項目を増やした。昨年は14万tの認証パーム核油を購入。全購入量の84%を占め、対前年比約14%増加した。また全パーム油38万tのフットプリントの90%について、搾油工場に至るトレーサビリティを実現した。

 同社は、ビジネスを進めるうえでNPDE(森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ)方針と実施の重要性を認識し、6月に森林保護方針を導入した。原材料のサプライチェーンから製造そして製品に至るまで、森林破壊を防ぐ取り組みに注力している。

旭化成 水素バリューチェーン推進協議会に参画

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2020年12月8日

 旭化成は7日、水素分野におけるグローバルな連携や水素サプライチェーンの形成を推進する新たな団体「水素バリューチェーン推進協議会(JH2A)」に参画したと発表した。同協議会は、同日付で発足し、参加企業は88社に上る。

 同社は、「サプライチェーン全体を俯瞰しつつ、業界横断的かつオープンな組織として、社会実装プロジェクトの実現を通じて、早期に水素社会を構築する」という協議会の目的に賛同し参画を決定。具体的には、①社会実装プロジェクトの提案・調整、②ファンドの創設、基本的な管理・運営の検討、③需要創出、規制緩和等の政策提言、④国際的な活動、⑤国内外の情報収集・分析・発信をテーマに据え、水素社会構築を加速させるための課題達成を目指していく。

 同社は、水素を利活用する化学メーカーとして、水素の需要創出および拡大のために取り組むべき課題について、協議会のワーキンググループ活動で積極的な提言を行っていく。さらに、同社が福島県浪江町の「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」において実証しているアルカリ水電解システムなどの脱炭素に役立つ技術についても、協議会での横断的な活動を通して社会実装を加速していく考えだ。

水素バリューチェーンっ協議会 ロゴ
水素バリューチェーンっ協議会 ロゴ

 

ダウ カーボンパートナーシップ、CO2を510万t削減

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2020年12月7日

 ダウはこのほど、2020年度カーボンパートナーシップレポートを発表した。オリンピックムーブメントの一環として行われた、12カ国以上での20を超えるCO2削減プロジェクトの結果を明らかにしている。

 これらのプロジェクトは、2014年のソチ、2016年のリオ、それぞれのオリンピック組織委員会および国際オリンピック委員会(IOC)とのパートナーシップからなるもので、CO2排出量削減への取り組みとして、IOCとオリンピック競技大会の歴史上、最も包括的なコラボレーションの1つとなっている。

 これらのカーボンパートナーシップは、CO2換算量で累計510万t以上の排出量削減(第3者機関で検証済み)を実現。今回のレポートでは、低炭素社会を築く技術を促進し実行に移すために、ダウとオリンピックムーブメントとのパートナーシップが通常のビジネスの枠を超えて、主要なバリューチェーン全体に新たな基準の科学、イノベーション、コラボレーションをどのようにもたらすかについて概説している。

 気候変動への対策は、環境や社会、ビジネス上の課題だ。材料科学の知見を備えた世界的リーダーであり、低炭素技術の製造者、エネルギーの大口利用者でもあるダウは、サステナビリティにコミットしている。行動を起こすことの責任を認識し、顧客やサプライヤー、バリューチェーンパートナーと協力して、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げた。

 これらのスポーツという舞台とともに実施されるプログラムは、ダウの科学に基づくソリューションとコラボレーションが、バリューチェーン全体を通じたCO2低減へのカギを握っていることを示している。

積水化学工業 ESG投資の指標「DJSI」に9年連続で選定

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2020年12月7日

 積水化学工業は、ESG投資の世界的な株式指標である「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)」の「World Index」に9年連続で選定された。

 DJSIは、金融インデックス開発大手のS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が構成銘柄を選定する指標で、企業の事業活動の持続可能性を評価し、業種ごとに上位の企業を選定する。今回、世界の調査対象企業3400社以上の中から、323社(日本企業39社)が「World Index」に選定された。

 同社は中期経営計画「Drive 2022」の中で、社会の持続可能性と同社グループの持続可能性の向上を共に追求するESG経営を実践し、企業価値を持続的に向上させる企業体制を構築することを、基本戦略として掲げる。同社は今後も、持続可能な社会の実現に向け一層貢献し、ステークホルダーに信頼され、100年経っても存在感のある企業グループであり続けるための挑戦を続けていく考えだ。

ESG投資指標「DJSI」に選定
ESG投資指標「DJSI」に選定