三菱ケミカルはこのほど、今年7月31日に、中国での赤色蛍光体特許侵害訴訟の一審で、被告である米国のIntematix社とその中国関連会社である英特美光电(苏州)、販売代理店の深圳格亮光电による特許の侵害を認める旨の一審判決を得たと発表した。
三菱ケミカルは2015年にIntematix社などに対して、物質・材料研究機構(NIMS)と共有する赤色蛍光体に関する特許を侵害しているとして、中国における蛍光体製品の生産および販売等の侵害行為の差止めと損害賠償を求める訴訟を深圳市中級人民法院に提起していた。
これに対し、今回、同中級人民法院は三菱ケミカルの主張を認め、Intematix社などによる当該侵害行為の差止めと合計200万元(約3000万円)の損害賠償金の支払いを命じる判決を下した。
中国はLEDパッケージの最大の生産国であり、赤色蛍光体の主用途である白色LEDパッケージでも最大生産量を誇る。
その中国での今回の勝訴判決は、長年積極的に投資、事業展開を行ってきた三菱ケミカルにとって非常に意義深いものとなる。
また、今回の勝訴判決は蛍光体産業のみならず白色LED産業全体で見ても重要な意味をもち、今後の両産業の健全な発展と秩序維持に繋がるものと考えられる。
なお、三菱ケミカルは、2011年にIntematix社とその韓国販売代理店に対し、韓国における同特許の対応特許に基づき特許侵害訴訟を提起し、2015年に特許侵害が認められ、対象となるIntematix社製蛍光体製品の韓国での輸入・販売などの差止めを命じる判決を得ている。
今後も、三菱ケミカルは、他社が特許を侵害する製品を実施するようなことがあれば、看過することなく適正な対応を取る方針だ。