住友化学 イスラエル企業に出資、ヘルスケア事業を創出

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2019年12月4日

 住友化学は3日、イスラエルのスタートアップ企業で高精度の臭気検知IoTプラットフォームを開発するナノセント社に200万ドルを出資したと発表した。今回の出資により、ナノセント社との戦略的な技術的連携を深めるとともに、新規ヘルスケア事業の創出に取り組んでいく。

 ナノセント社は、テクニオン・イスラエル工科大学発のスタートアップ企業で、ケミレジスタを搭載した臭気検知センサーと、検知したデータを活用するIoTプラットフォームを開発している。

 すでに、複数の臭気をリアルタイムで検知できるポータブルデバイスと、検知したデータをクラウド上に蓄積・解析し、スマートフォンなどの端末にその結果を表示させる情報基盤の試作品を完成させている。

 この先、単純な臭気の検知に留まらず、検知した臭気パターンをAIアルゴリズムによって機械学習させることで、体調変化のような複雑な状態を見分けられるようになる可能性がある。

 住友化学は、ナノセント社との連携により、次世代ヘルスケアプラットフォームの鍵となる「体調可視化」の実現を目指している。

 排泄物の臭気データから体調変化や病気の兆候を読み取り、その日の体調に適したソリューション(食事や薬、生活習慣など)の提案により、健康管理に役立てる仕組みを構築するための実証実験を計画。

 また、さまざまな揮発性化学物質の集合体である臭気を高精度で検知できるナノセント社の技術は、ヘルスケアに留まらず、工場や街中での有害物質の検知・モニタリング、自動車内の臭気判定・管理など、応用範囲は多岐にわたることから、次世代事業の創出につながると判断し、今回の出資を決定した。

BASF 農業関連事業で50%の売上増を目指す

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2019年12月4日

30以上の新製品上市へ、デジタル技術の活用も

 BASFのアグロソリューション事業部門は、マーケットシェアの拡大と農業市場の成長率を1%上回る成長により、2030年までに50%の売上増を目指す。

 BASFの農業分野の戦略は、生産者が人口増加に対応する十分な食料を供給することを可能にし、限られた耕地や病害の圧力、気候変動などの課題に対処することを可能にするイノベーションに基づく。

 今年、1000億円以上に増額した研究開発予算は、同社の農業におけるイノベーションパイプラインを支えており、2028年までに30以上の新製品を上市し、ピーク時の売上高は約7300億円に達する見通しだ。これには8つの有効成分に加え、小麦交配種・大豆・キャノーラ(アブラナ科)・綿・野菜のユニークなトレイト(形質)と、高性能な種子が含まれる。

 全ての事業やポートフォリオの決定の際に、サステナビリティを検討することで、生産者や農業に対する持続可能な解決策の提案を積極的に主導する。昨年8月にバイエルから買収した事業と資産の統合を1年以内に完了し、種子・形質・農薬からデジタル技術まで、幅広いソリューションを生産者に提供できるようになった。

 同社は農業のソリューションを提供する世界有数の企業として、「南米と北米の大豆・トウモロコシ・綿」「北米と欧州の小麦・キャノーラ・ひまわり」「アジアのコメ」「世界各地の果物・野菜」という4つの主要な戦略的顧客セグメントと、そのクロップシステムと呼ばれる特定の作物の組み合わせに重点を置いて活動する。これらの作物は合計で世界市場の約70%を占めている。また、同社は農業分野でデジタル技術による新たな収入源も創出する。

 農業での先駆的なデジタル専門知識とパートナーシップにより、生産者がBASF製品を使用し、農場を管理し、製品やサービスにアクセスして購入する際、付加価値を与えるデジタル分野のソリューションを提供する。精密技術とデジタル化を活用することで、農業における将来のイノベーションの機会が得られるようになるが、これには、新たな成果ベースのビジネスモデルも含まれる。

 今年上半期のアグロソリューション事業部門の売上高は、前年同期比38%増の約5300億円となった。これは主に、バイエルから事業と資産を買収したことによるポートフォリオ効果によるもので、特別項目控除前EBITも、主として買収した事業の貢献により、今年上半期に23%増加し、約1000億円となっている。

 

三菱ケミカル グッドキャリア企業アワード2019のイノベーション賞を受賞

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2019年12月3日

 三菱ケミカルはこのほど、従業員の自律的なキャリア形成支援について模範となる企業として、「グッドキャリア企業アワード2019」のイノベーション賞を受賞したと発表した。

三菱ケミカル 授賞式の様子 (左端)竹内昌子人事部キャリアサポート室長  
三菱ケミカル 授賞式の様子 (左端)竹内昌子人事部キャリアサポート室長

「グッドキャリア企業アワード」は、従業員の自律的なキャリア形成支援について他の模範となる取り組みを行い、その成果が認められる企業を表彰するもの。その理念や取り組み内容などを広く発信することで、キャリア形成支援の重要性を普及・定着させることを目的に厚生労働省が実施している。

 同社は、会社の持続的な成長を支えるのは、社会の変化を捉え自ら成長し続ける従業員一人ひとりであると考え、「自律的キャリア形成」に取り組んでいる。

 また、従業員の自律的な成長を目的としたキャリアデザイン面談を目標管理面談とは別に年1回実施している。今回は、全社員のキャリアデザイン面談の実施、さまざまキャリア形成支援への取り組みが評価された。

 同社は今後も、従業員一人ひとりの能力が最大限発揮されるよう、この取り組みを継続的に推進し、企業としての成長を図っていく。

帝人 「ウッドシティTOKYOモデル建築賞」を受賞

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2019年12月3日

 帝人はこのほど、高機能繊維で補強した木造建築物用集成材「AFRW(Advanced Fiber Reinforced Wood)」を使用した、世界初の建築物である「MIRAI LIVELY HOUSE」が、東京都産業労働局が主催する「ウッドシティTOKYOモデル建築賞」で「奨励賞」を受賞したと発表した。

帝人 「MIRAI LIVELY HOUSE」の外観
「MIRAI LIVELY HOUSE」の外観

 同建築賞は、東京都産業労働局が、東京都で木材利用の新たな可能性を開拓する、革新的またはモデルとなるような建築物と木質空間を表彰するもの。新たな木材需要を喚起することにより、全国の森林循環を促進し、林業・木材産業の成長を図ることを目的としている。

 帝人が自社の東京研究センター(東京都日野市)の敷地内に建築し、社内の会議やイベントなどに活用している「MIRAI LIVELY HOUSE」は、木材の軽量性と鉄骨並みの高い剛性を併せもつ「AFRW」を使用している。

帝人 「MIRAI LIVELY HOUSE」の内観
「MIRAI LIVELY HOUSE」の内観

 柱のない開放性の高い空間を実現した建物で、内部に用いた木材と周辺の自然とが調和した快適性の高い空間により、ストレス低減効果が期待できる。建築のエキスパートである前田建設工業と高知大学構造工学研究室の助言・協力を得て、今年4月に完成した。

 帝人グループは今回の受賞を契機として、木造建築物への「AFRW」の普及を図り、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指すとともに、SDGsの目標達成に貢献していく。

 

ヘンケルの自動車戦略 一体成型CFRPホイールを加速

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2019年12月2日

 ドイツの化学・消費財メーカーのヘンケルはこのほど、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)を活用した自動車用一体成型ホイールの世界的大手であるオーストラリアのメーカー、カーボンレボリューションへの母材(マトリックス樹脂)の供給で戦略的契約を締結した。両社は今後、共同で一体成型CFRPホイールの開発を加速させていく。

一体成形CFRPホイール
一体成形CFRPホイール

 世界の自動車産業が軽量化ソリューションを求める中、自動車の足回りであるバネ下重量の軽量化にも注目が集まっている。バネ下重量の多くを占めるホイールだが、一体成型CFRPホイールを使用することで、アルミホイールに比べ40~50%の軽量化を実現すると同時に、魅力的な表面仕上げも可能になる。

 カーボンレボリューションのCFRPホイールは現在、世界的に最も有名なスポーツカーのいくつかのモデルに使用されている。ホイール軽量化によるバネ下重量の大幅な削減は、慣性モーメントを低減させ、回転などの運動性を高めるため、操舵性、走行性、加速・ブレーキ性能が向上する。また、持続可能性の観点からも、燃料・電気のエネルギー効率改善や、CO2排出量の削減が図れる。

 両社は、数年にわたる緊密なコラボを通じ、複合材料技術の実績のある製品ポートフォリオを拡大し、世界の自動車メーカーの厳しい性能要求に対する独自のソリューションを提供してきた。ヘンケルは今後、様々なグローバル自動車メーカーへのCFRPホイールの最良のソリューション提供を目指し。欧州とオーストラリア(メルボルン近郊)にある2つの生産拠点からサポートを行っていく考えだ。

AGC 素材開発にAR技術、開発スピード向上を図る

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2019年12月2日

 AGCはこのほど、素材の組成開発を担う材料融合研究所と、素材の生産プロセス・設備開発を担う生産技術部で、スタートアップのKAKUCHO(東京都渋谷区)がもつ「webAR」の試験使用を決定したと発表した。今月から同技術を開発現場に導入し、開発のスピードアップ化を図る。

AR使用時の様子
AR使用時の様子

 KAKUCHOは「AR/MRを社会に浸透させ、誰もみたことのない新しい日常を創造する。」を企業理念に掲げ、ARを利用した高級インテリアEC「FURNI」と、FURNIに使われているAR技術を提供する「webAR」の2つの事業を提供している。

 AR(Augmented Reality)とは、一般的に拡張現実と訳されるもので、物体検知・空間認識・顔認識などの画像認識を通して、現実環境をコンピュータにより拡張する技術。建設現場や工場などの作業現場での活用や、自動運転への応用など、ビジネスのさまざまなシーンで活用が進んでいる。

 「webAR」は専用のアプリを開発することなく、ウェブブラウザ上でARを簡単に使用できる技術だ。事前にURLを共有しておけば、スマートフォンやタブレットなどのデバイスを現場でかざすことで、開発設備をそのままの形状・サイズ感で現場風景に重ね合わせて表示できる。

 これまで図面や仕様を共有するだけでは正確に伝えることができなかった、現場のレイアウト・作業性・安全性などを設備導入前に明らかにすることが可能になる。同技術により開発者間のコミュニケーションを促進し設備開発のスピードを向上することで、素材開発全体のスピードアップに繋げていく考えだ。

 素材の開発には、組成開発、生産プロセス開発、設備開発などの開発フェーズから量産に至るまで数十年を要することもある。中でも設備開発は同じ図面や仕様を共有しているにもかかわらず、組成開発者と設備開発者が認識する現物イメージに乖離があり、開発に多大な時間を要するケースがある。この課題を解決する手段の1つとして、AGCはAR技術に着目した。

日本触媒 台風19号災害の被災地・被災者に義援金

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2019年12月2日

 日本触媒はこのほど、台風19号災害による被災者の救援や被災地の復興に役立ててもらうための義援金として、日本赤十字社を通じ500万円の支援を行うことを決定したと発表した。また、加えて、労働組合と連携して従業員から災害募金を集める。同社は「被災地の1日も早い復興をお祈り申し上げます」とコメントしている。

住友化学 価値創出に向け最重要課題にKPIを設定

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2019年12月2日

 住友化学はこのほど、経営として取り組む7つのマテリアリティ(最重要課題)に対する主要取り組み指標(KPI)を設定した。

 今年3月、同社グループの持続的成長と、事業を通じたサステナブルな社会の実現への貢献を共に達成するため、事業と直接関係する「社会価値創出に関するマテリアリティ」と、将来を見据えた取り組み課題である「将来の価値創造に向けたマテリアリティ」の2つの観点から7つのマテリアリティを特定。マテリアリティに対するKPIは、外部有識者の意見も踏まえた上で、サステナビリティ推進委員会での審議を経て設定した。

 「社会価値創出に関するマテリアリティ」については、SDGsの17の目標下にある169のターゲットに則したKPIを設定することで、それぞれの課題解決にどのように貢献するかを明示。一方、「将来の価値創造に向けたマテリアリティ」については、技術・研究開発の推進とデジタル革新への取り組みの進捗では、グループ全体の数値指標を設定。またダイバーシティ&インクルージョンの推進では、国や地域ごとに取り巻く環境が異なることから、グループ各社ごとにKPIを設定することとしている。

 今後、KPIを用いてマテリアリティに対する取り組みの進捗状況を確認するとともに、社内外のステークホルダーとの対話を推進していく。住友化学グループは、持続可能な社会の実現に向けて、引き続きグループ一丸となって創造力を最大限に発揮し、化学の力による新たな価値創造を通じた社会課題の解決を目指していく方針だ。

JXTGエネルギー 早大と包括連携活動に関する協定書締結

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2019年12月2日

 JXTGエネルギーは29日、早稲田大学と「持続可能な未来社会実現」に向けた、イノベーション推進のための包括連携活動に関する協定書を締結したと発表した。

 同社と早大は2010年から材料分野を中心に、共同研究創出を目的とした技術シーズの探索を継続してきた。同協定の締結はこれまでの連携を強化し、包括的で分野横断的なオープンイノベーションを実行して、低炭素化をはじめとした様々な社会課題に対応していくことが目的だ。

 具体的な取り組みとして、まず早大が建設中の121号館内に「ENEOSラボ」を設置し、主にCO2からの燃料・化学品製造技術の開発といった「CO2削減に向けた革新技術の研究」に取り組む。さらに、オープンイノベーション戦略研究機構などでの共同研究の加速、卓越大学院での人材育成活動などについて連携を深める。

 早大が持つ多様な分野での豊富な人材と組織体制、実用化を見据えた広範・最先端の研究実績などの強みと、エネルギーのリーディングカンパニーとして、エネルギー変換技術や社会実装に関する経験のある同社の強みを生かし、低炭素化に向けた技術開発などの研究を進める。

 JXTGグループは長期ビジョンで、2040年のありたい姿として「事業構造の変革による価値創造」を掲げており、オープンイノベーションの積極的な推進を通じ、革新的な技術・事業の創出を目指す。

日本触媒・三洋化成 経営統合に関する最終契約を締結

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2019年12月2日

 日本触媒と三洋化成は29日、それぞれの臨時取締役会で、共同株式移転の方式により両社の親会社となる統合持株会社「Synfomix」を設立し、経営統合を行うことを決議、両社間で対等の精神に基づいた最終契約を締結したと発表した。

 両社は今年5月、経営統合の検討に関する基本合意書の締結を発表し、経営統合に向けた詳細な検討と協議を進めていた。株式移転比率は、日本触媒1.225、三洋化成が1となっている。

 今回の経営統合は、国内外の競争当局の承認を前提とするものであり、両社の定時株主総会での、株式移転計画書の承認を受けた上で行われる予定。また、両社は同株式移転の効力発生日の2年後をめどに、統合持株会社および両社の合併を実行することを基本方針としている。

 ただ、具体的な方針については、効力発生日以降に設置する各種委員会などでの協議を踏まえ、事業上の合理性を考慮した上で、今後両社の協議にて決定する。なお同日、三洋化成は、高吸水性樹脂事業を営む連結子会社SDPグローバル(出資比率:三洋化成70%、豊田通商30%)の完全子会社化を発表。経営統合による統合効果の最大化を図るため、豊田通商のすべての株式を取得する。