積水化学 CDPの「気候変動Aリスト」企業に選定

2019年2月4日

 積水化学工業はこのほど、国際的な環境非営利団体CDPによる2018年の「CDP気候変動Aリスト」企業に選定された。

 CDPは、企業や都市が温室効果ガス(GHG)を削減し、水資源や森林を保護することを推進する国際的な非営利団体。650の世界の投資機関と115の企業・団体を代表し、「気候変動」「森林減少」「水のセキュリティ」に関する問題への効果的な対応について質問票による調査を実施し、回答を評価している。今回は、同社を含め日本企業からは20社が選定された。

 同社グループは、グループビジョンに掲げる「世界のひとびとのくらしと地球環境の向上への貢献」を目指し、ESG視点で持続可能な経営基盤の構築を図っている。

 特に環境については、気候変動をはじめとする環境課題に意欲的に取り組んでおり、昨年6月には自社とサプライチェーンでのGHG排出量を削減する長期目標が、化学業界では世界で初めてとなるSBT(科学的根拠にもとづく目標)の認証を取得した。

 加えて、GHG排出量削減などにかかる費用はコストではなく投資ととらえ、売上高の0.3%(2017~19年度の3年間で120億円)を超える環境貢献投資枠を設定し、排出量削減に資する設備更新に活用している。

 同社グループは、今後も気候変動課題の解決に向けた取り組みを加速していく。

三菱ケミカル ポートフォリオ改革でみかど化工の株式を譲渡

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2019年2月4日

 三菱ケミカルは1日、同社が所有するみかど化工(千葉県市原市)の全株式を、渡辺パイプ(東京都中央区)に譲渡したと発表した。

 みかど化工は、農業用ポリオレフィン系特殊フィルムやマルチ農業用フィルムなどの農業資材事業を主要事業としている。

 三菱ケミカルグループは1968年、創業者とともにみかど化工を設立して以降、同社をグループ会社としていた。しかし、今回、三菱ケミカルホールディングスグループの中期経営計画「APTSIS 20」に基づき進めている、ポートフォリオ改革の一環として、みかど化工の株式の売却を決定。

 三菱ケミカルグループのアグリソリューション事業の長年の取り引き相手であり、農業関連事業の強化を企図する渡辺パイプとの間で、株式譲渡について合意した。

帝人 熱可塑性炭素繊維中間材をボーイング社へ供給開始

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2019年2月1日

 帝人は31日、熱可塑性樹脂を使用した一方向性プリプレグテープ「テナックス TPUD」が、ボーイング社の認定を受け、航空機の一次構造材向けに供給を開始すると発表した。

テナックス TPUD
テナックス TPUD

 同社は、2016年にボーイング社との間で炭素繊維中間材料の材料認定契約を締結し、供給に向けて共同開発を進めてきた。

 今回、ボーイング社への供給を開始するテナックス TPUDは、熱可塑性樹脂を母材としたテープ状のプリプレグ(炭素繊維シートに樹脂を染み込ませたもの)で、耐熱性や耐衝撃性、耐疲労特性などに優れているほか、成形時間の大幅な短縮が可能で、製造工程におけるコスト効率の向上に大きく寄与する。

 今回の認定取得により、ボーイング社が今後就航を予定している次世代航空機への本格採用を見込み、今後2年以内に、ボーイング社指定の航空機部材メーカー向けに同製品の供給を開始する。

 帝人は炭素繊維事業の拡大に向け、航空機用途を注力分野に設定。高強度高弾性率炭素繊維や熱可塑性樹脂を使用した一方向性プリプレグテープのほか、炭素繊維強化熱可塑性樹脂積層板、熱硬化性プリプレグ、一方向に並べた炭素繊維の束を化学繊維糸で縫いつけたシートであるノンクリンプファブリックなど、グローバル市場で川上から川下までの用途開発を強力に推進している。

 今回の認定を皮切りに、航空機向け炭素繊維製品のマーケットリーダーとしてソリューション提案力を一層強化し、2030年ごろまでに航空機用途で年間900万ドル以上の売上を目指していく。

積水化成品 グループ会社3社が地元自治体と「災害支援協定」

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2019年2月1日

 積水化成品工業はこのほど、グループ会社3社が地元自治体と「災害時における物資の供給についての協定」を締結したと発表した。

 地域密着型の社会貢献の一環。積水化成品関東は茨城県古河市、積水化成品天理は奈良県天理市、積水化成品滋賀は滋賀県甲賀市と、それぞれ協定を締結した。

 同協定に基づき、大規模災害が発生した際には、同社グループの製品や保有している物質を、地元自治体に無償で供給することにより地域に貢献する。被災地や避難所で、同社グループの素材を使用した断熱材やクッション材、簡易食品容器などを活用してもらう。

 同社グループと地方自治体との「災害支援協定」の締結は、今回が初めて。特に甲賀市では、市内に生産拠点を持つ企業との初めての災害支援協定締結となった。

積水化学 世界で最も持続可能性の高い100社に連続選出

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2019年1月31日

 積水化学工業はこのほど、世界で最も持続可能性の高い100社「2019 Global 100 Most Sustainable Corporations in the World index」(Global 100)に選出されたと発表した。2年連続4回目の選出となった。

 「Global 100」は、カナダのコーポレートナイツ社が、世界のあらゆる業界の大企業(2019年は約7500社)を対象に、環境・社会・ガバナンス(ESG)などの観点から持続可能性を評価し、上位100社を選出するもの。

 今年の発表は、今月22~25日にスイスのダボスで開催された世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)の中で行われた。同社は、資源の生産性・イノベーション能力・安全・従業員の定着率などの項目で高い評価を受け、今回の選出となった。なお、日本企業の選出は同社を含め8社だった。

 積水化学グループは「新次元の成長」への第一歩として、中期経営計画「SHIFT 2019-Fusion-」(2017~19年度)に取り組んでいる。

 SHIFTの〝S〟は〝Sustainable〟を表し、「ESG視点で持続可能な経営基盤構築」を推進中だ。同社は今後も、世界の人々のくらしと地球環境の向上に注力し、社会の持続可能な発展に貢献していく。

三菱ケミカル 「グローバル・イノベーター」の100社に初選出

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2019年1月31日

 三菱ケミカルはこのほど、トムソン・ロイターのIP&Science事業を前身とするクラリベイト・アナリティクス社の「Derwent Top100 グローバル・イノベーター2018‐19」に選出されたと発表した。同社が選出されるのは初めて。

クラリベイト・アナリティクス・ジャパンTimothy Neely代表取締役(左)と三菱ケミカル垣本常務執行役員
クラリベイト・アナリティクス・ジャパンTimothy Neely代表取締役(左)と三菱ケミカル垣本常務執行役員

 同賞は、クラリベイト社が保有する世界最大の付加価値特許データベース「Derwent World Patents Index」や特許調査・分析プラットフォーム「Derwent Innovation」などから抽出されたデータを独自の評価基準に基づき、世界のビジネスをリードする100の企業・機関を毎年選出している。

 過去5年間の「特許数」「成功率」「引用における特許の影響力」と、過去3年間の「グローバル性」の4つを基本評価軸としている。

 今回の受賞は、三菱ケミカルの研究開発戦略や、国内外で取り組む知的財産活動が高く評価された。

 同社は今後も、知的財産戦略を重要な経営戦略の1つと捉え、事業戦略や研究開発戦略とともに三位一体の運営を推進。次世代事業や成長事業の成長・拡大を図りつつ、世の中の様々な課題に対するソリューション提供という、同社のミッション達成を目指していく。

ダイセル ナノダイヤモンドの無償サンプル提供を開始

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2019年1月30日

 ダイセルは29日、ナノダイヤモンド製品シリーズ「DINNOVARE」のサンプル提供を開始すると発表した。

 ナノダイヤモンドの新たな応用方法の開発を加速するため、大学や研究機関の研究者に限り、原則無償で「DINNOVARE」(ディノベア)のサンプルを提供する。無償提供実施期間は、30日から3月31日まで。サンプルはhttps://www.daicel.com/research/nano _sample/index.phpから申し込む。

 ナノダイヤモンドとは、4~6nmの粒子径をもつダイヤモンドの微粒子。ダイヤモンドコアやアモルファス炭素層、グラフェンやグラファイトといったsp2炭素層、酸素系官能基から構成される複合体だ。各構成要素やそれらの相互作用により、一般的なダイヤモンドとは全く異なる性質を発現する。

 潤滑剤(摩擦の低減・抑制)、樹脂酸化防止剤(酸化劣化の抑制)、めっき液用結晶粒界調整剤(金属の結晶改質)、ドラッグデリバリーキャリアー(薬剤など、物質の担持・移送)、蛍光イメージング材料(蛍光発光)など、様々な用途での応用が期待されている。

 従来の粉体や水分散液から、各種有機溶剤に安定分散させたものまで、幅広いラインアップを揃えている。従来の枠にとらわれずに実験・研究が可能で、ナノダイヤモンドを活用した新たなアプリケーションの創出と機能製品の創造に貢献する。

 なお、同製品はコンバーティングテクノロジー総合展「新機能性材料展2019」(30日~2月1日、東京ビッグサイト)、日本ものづくりワールド「第23回機械要素技術展」(2月6~8日、同)に出展する。

三井化学 気候変動課題解決に向けTCFDへの支持表明

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2019年1月29日

 三井化学はこのほど、金融安定理事会(FSB)が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース」(TCFD)の提言への支持を表明した。TCFDは2017年6月、気候変動の影響を金融機関や企業、政府などの財務報告で開示を求める提言を公表。これまでに世界513の企業・団体がTCFDの提言に賛同を表明している(昨年9月末時点)。

 三井化学グループは、自社の製造段階だけでなく、バリューチェーンを通したGHG(温室効果ガス)排出削減、緩和・適応に貢献する製品、サービス提供などの様々な取り組みを強化し、その対応を情報開示していくことで、持続可能な社会の構築を目指す。

 今後も「環境と調和した共生社会」「健康安心な長寿社会」を実現するために、ESGの推進、環境貢献価値・QOL向上価値の提供をはじめとする気候変動問題の解決に向けた積極的な取り組みを継続し、社会と同社グループの持続的発展に向けて注力していく。

 同社のTCFD支持ステートメントは以下の通り。「三井化学は、気候変動関連の課題解決につながる製品、サービス、技術の提供を通じて、GHG削減強化による低炭素社会の実現と、気候変動リスクに強い健康・安心な社会の実現に貢献していきます。継続的に気候関連のリスクおよび機会に関する自社の理解を深化させ、その取り組みを開示することを明言し、TCFDの提言への支持を表明いたします」。

ダイセル 独自開発のジェットインジェクターの提供を開始

2019年1月29日

 ダイセルは28日、独自開発したジェットインジェクター「アクトランザラボ」の提供を、29日から開始すると発表した。

 アクトランザラボは火薬の燃焼エネルギーで駆動するパイロドライブジェットインジェクター。充填した薬剤候補物質を、高速のジェット流として先端のノズルから射出する。このジェット流は瞬時に皮膚を通過し、薬剤候補物質は生体内へ速やかに注入、分散される。

 これまでの研究成果から、アクトランザラボを用いて遺伝子などの高分子物質を投与すると、投与物質を細胞内にデリバリーできることを動物実験で確認している。

 ダイセルは2017年度から3年間の中期経営計画「3D‐Ⅲ」で、医療分野への注力を掲げており、その一環として医療用の投与デバイスの開発を進めている。同社の火薬工学技術(パイロテクニック)を応用したこのデバイスは、遺伝子などの高分子物質を細胞内へ効率的にデリバリーできる可能性があり、将来的なヒトへの臨床応用も見据え、動物実験用にアクトランザラボを開発した。

 アクトランザラボを製薬企業などの研究機関へ提供することで、ヒトへの応用に向けた研究を進め、遺伝子治療薬や核酸医薬、DNAワクチンなど、革新的な医薬品の実現につながる新たな薬剤投与の方法(DDS=ドラッグデリバリーシステム)の実現を目指す。