東洋紡 OPV用発電材料開発で仏政府機関と共同研究

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2019年8月5日

 東洋紡は、次世代の太陽電池として注目を集める、有機薄膜太陽電池(OPV)用発電材料の開発を加速する。今回、同材料について、フランス政府機関の原子力・代替エネルギー庁(CEA)との共同研究を開始した。

 OPVは、シリコンなどの無機物を材料とする一般的な太陽電池と異なり、炭素・硫黄・窒素原子などを含む有機物を発電材料に用いる。発電材料は、ガラスや金属だけでなくプラスチックなどの表面にも塗布できるため、薄くて軽いフィルム状の太陽電池も実現可能になる。

 同社は、ファインケミカル事業で長年培った有機合成技術を応用し、材料の化学構造を最適化することで、LEDなど低照度の室内用光源でも高い出力が得られるOPV向けの新しい発電材料の開発を進めてきた。直近の検証では、オフィス環境と同等の照度環境下で、卓上電卓に使用される一般的なアモルファスシリコン太陽電池に比べ、1.4倍の出力を確認した。

 今回、同材料を使用したOPVモジュールの室内環境での高い出力性能や、製造工程での高いハンドリング性能などが評価され、CEAと共同研究を進めていくことになった。OPVの普及がいち早く見込まれる欧州での展開を視野に、同材料を用いたOPVの早期実用化に向け、開発に努めていく考えだ。

 OPVは壁や窓、衣服やカーテンの布地など、従来は使用が困難だった場所にも設置できることから、あらゆるものがインターネットにつながるIoTには欠かせない、無線通信を行うセンサーデバイス用のワイヤレス電源などに適しており、次世代の太陽電池として普及が期待されている。

BASFの1-6月期 ケミカルなど販売減で減収減益

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2019年8月5日

 BASFの2019年第2四半期は、売上高が前年同期比4%減の152億ユーロ、特別項目控除前EBITDAは同27%減の20億ユーロ、特別項目控除前営業利益は同47%減の10億ユーロ、純利益は同50億ユーロ増の65億ユーロとなった。売上高については、主にイソシアネートとクラッカー製品事業の影響により、販売価格が2%下落し、販売量は6%減少した。

 ニュートリション&ケアを除く全事業セグメントで販売量が減少した。特に、ケミカル事業セグメントとアグロソリューション事業セグメントの減少が顕著だった。これは、ベルギーのアントワープと米国テキサス州のポートアーサーで、スチームクラッカーの定期修繕を実施したこと、北米で悪天候が続き、アグロソリューション事業セグメントが打撃を受けたことが原因。

 バイエルから買収した、種子事業と非選択性除草剤事業によるポートフォリオ変更は、2%の増収効果があり、為替も2%の増収要因となった。EBIT(営業利益)に含まれる特別項目は、前年同期のマイナス6600万ユーロに対し、マイナス4億9700万ユーロ。特別項目の増加は、エクセレンスプログラムにおける臨時の費用も要因のひとつとして挙げられる。

 さらに、米国ガルフコーストでの天然ガスを中心とした投資に減損が生じた。この投資からはすでに撤退している。EBITは前年同期の19億ユーロから5億4800万ユーロに減少。純利益の増加は、ヴィンタースハルが連結対象外になったことによる帳簿上の利益によるものだ。

 厳しいマクロ経済環境を考慮し、通期の見通しを修正した。売上高は微減、特別項目控除前営業利益は最大30%の大幅減になると予測。投下資本利益率(ROCE)は、前年を大幅に下回る見込みだ。

 

日本触媒の4-6月期 市況とスプレッド悪化で減収減益

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2019年8月5日

 日本触媒は2日、2019年4-6月期の連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比10%減の770億円、営業利益55%減の369億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益54%減の33億円となった。製品海外市況下落に伴い販売価格が低下したことや、販売数量の減少、スプレッドが縮小したことで減収減益となった。

 セグメント別にみると、基礎化学品事業は、売上収益9%減の324億円、営業利益43%減の23億円。アクリル酸及びアクリル酸エステル、酸化エチレンは、販売数量が減少し、原料価格や製品海外市況下落に伴い販売価格が低下した。エチレングリコールは、販売数量は増加したが販売価格が低下。セカンダリーアルコールエトキシレートは、販売数量が減少した。

 機能性化学品事業は、売上収益10%減の420億円、営業利益73%減の11億円。高吸水性樹脂と特殊エステルは、販売数量が減少したことや、原料価格下落に伴い販売価格が低下した。コンクリート混和剤用ポリマー、電子情報材料及び無水マレイン酸は販売数量が減少。洗剤原料などの水溶性ポリマー、ヨウ素化合物、エチレンイミン誘導品及び塗料用樹脂は、販売数量が増加した。

 環境・触媒事業は、売上収益1%減の26億円、営業利益1億円増の9000万円(前年度は損失)となった。自動車触媒及び脱硝触媒は販売数量が減少したが、プロセス触媒、燃料電池材料及びリチウム電池材料は、販売数量が増加した。

 なお、通期業績予想については、7月31日に修正を発表している。

 

帝人の4-6月期 ポリカーボネート市況の悪化で減益に

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2019年8月5日

 帝人は2日、2019年4-6月期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比1%減の2146億円、営業利益7%減の170億円、経常利益20%減の169億円、純利益45%減の108億円となった。

 セグメント別にみると、マテリアル領域は、素材市況悪化の中、高機能材料分野を中心に一定の利益を維持し、売上高3%減の1599億円、営業利益29%減の64億円となった。マテリアル事業において、アラミド繊維分野では、主力のパラアラミド繊維が摩擦材、ゴム補強材などの自動車関連用途の販売数量でやや減少したものの、売値・販売構成の改善が収益に貢献した。

 炭素繊維分野では、炭素繊維が航空機用途では順調に推移したものの、コンパウンド用途では前期終盤から続く市況低迷により販売が減少した。樹脂分野では、主力のポリカーボネート樹脂が汎用品で市況価格の大幅下落の影響を受けたが、高付加価値品販売が収益を下支えした。フィルム分野では、自動車や電子部品用PENフィルムなどが堅調に推移したが、工程用離型フィルムの販売は低調だった。

 繊維・製品事業の衣料繊維分野では、国内の市況影響により衣料製品販売で苦戦したものの、産業資材分野では主に短繊維の販売が好調を維持した。複合成形材料事業ほかの複合成形材料分野では、北米のピックアップトラックやSUVなどの需要増や新規モデルの立上げを背景に、米国CSP社の自動車向け量産部品の販売が堅調に推移した。

 ヘルスケア領域は、「フェブリク」を中心に主力製品の好調を受け増益となり、売上高2%増の398億円、営業利益6%増の105億円。その他(IT事業など)は、売上高17%増の149億円、営業利益約2倍の13億円となった。

 なお同日、通期連結業績予想の修正を発表。フィルム事業会社譲渡や為替の見直しなどから、売上高を9100億円から9千億円に減額している。利益項目については修正を行っていない。

旭化成の4-6月期 市況悪化やスマホ市場鈍化で減益に

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2019年8月5日

 旭化成は2日、2019年4-6月期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比3%増の5021億円、営業利益14%減の413億円、経常利益15%減の440億円、純利益33%減の244億円となった。営業利益は減益となったが、最高益となった昨年度に次ぐ成績を記録した。

 セグメント別にみると、マテリアルセグメントは、売上高3%減の2714億円、営業利益26%減の259億円となった。基盤マテリアル事業は、アクリロニトリルの交易条件が改善したものの、ナフサクラッカーの臨時修繕や定修による誘導品販売量減少、また各製品の市況下落による交易条件悪化で減収減益となった。

 パフォーマンスプロダクツ事業は、セージ社連結やナイロン66の交易条件改善が寄与したが、不織布やエンジニアリング樹脂などの販売数量が減少し増収減益となった。スペシャルティソリューション事業は、中国向けイオン交換膜やスマートフォン関連電子部品などの販売数量が減少し、減収減益だった。

 住宅セグメントは、売上高12%増の1446億円、営業利益28%増の99億円だった。建築請負部門による引渡棟数が増加し増収増益となった。ヘルスケアセグメントは、売上高8%増の827億円、営業利益3%増の126億円。医療機関向け除細動器の販売数量が増加し増収増益となった。

 なお同日、上期連結業績予想の修正を発表。売上高を当初予想比170億円減の1兆710億円、営業利益30億円減の945億円、経常利益40億円減の980億円に下方修正した一方、純利益は30億円増の700億円と上方修正している。通期見通しについては見直しを行っていない。

 

帝人 米国・レネゲード社の買収が完了、完全子会社化

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2019年8月5日

 帝人は2日、今年2月に発表した米国・レネゲード社の買収について、株式譲渡に関する諸手続きを完了し、8月1日(米国時間)に完全子会社化したと発表した。

帝人はレネゲード社を完全子会社とすることにより、レネゲード社が他社に先駆けて展開してきた、優れた耐熱性と熱サイクル耐性とを両立する熱硬化プリプレグの生産技術と、帝人が蓄積してきた、炭素繊維や熱硬化性・熱可塑性の中間材料のノウハウやラインナップ、評価設備、販売チャネルなどとのシナジーを追求し、未来の最新鋭航空機向けのエンジン部材などに適応し、幅広い潜在ニーズに応える製品のグローバル展開をより一層強化していく。

 帝人は、航空・宇宙用途向け炭素繊維製品のマーケットリーダーとしての地位を確固たるものとし、2030年近傍までにこの用途で年間9億ドル超の売上を目指す。

 

日本ゼオン 次世代電子部品向け電子線レジストを上市

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2019年8月5日

 日本ゼオンは2日、次世代電子部品向けポジ型電子線レジストの新グレード「ZEP530A」シリーズを上市したと発表した。

 同社は、半導体デバイスの回路パターンをウェハー上に転写する際に使用される保護膜として、かねてより主鎖切断型のポジ型電子線レジスト「ZEP」シリーズを展開し、国内外の顧客に広く採用されている。今回、その既存グレード「ZEP520A」で培ってきた技術をベースに、更なる高解像度を実現した「ZEP530A」シリーズを開発、上市した。

「ZEP530A」シリーズは、優れたドライエッチング耐性を保持しつつ、解像度とプロセスウィンドウを向上させた製品。レジストの薄膜化により、ハーフピッチ(hp)17nmのライン&スペース(L/S)パターンの解像も確認している。また、「ZEP530A」の高解像度を引き出すため、新規現像液「ZED‐N60」も併せて開発・上市した。主な使用用途としては次世代電子部品の製造を想定しており、商用化が見込まれる第5世代移動通信システムへも活用の場が広がることが期待される。

 同社グループは、今後も最新技術を駆使した製品開発を促進し、顧客にとって価値ある製品の提供に努めていく考えだ。

出光興産 人事(9月1日)

2019年8月2日

[出光興産・人事](9月1日)▽エネルギーソリューション事業部企画担当部長兼企画課長米田豊▽流通業務部新潟石油製品輸入基地所長兼管理課長中西一則。