中外製薬 新社長に奥田氏が就任、小坂社長は会長CEOに

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2019年12月19日

 中外製薬は17日、同日開催された取締役会において、小坂達朗社長最高経営責任者(CEO)が代表取締役会長CEOに、奥田修上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長が社長最高執行責任者(COO)に内定したと発表した。永山治代表取締役会長は名誉会長となる予定。なお同件は、2020年3月下旬の株主総会後の取締役会で正式決定される。

中外製薬 奥田新社長
奥田新社長

 異動の理由について同社は、「CEOが全社経営戦略および重要案件の意思決定を担い、COOが業務執行上の意思決定を行う体制とし、意思決定の迅速化ならびに経営力のより一層の強化を図るため」と説明している。

 新社長COOとなる奥田氏は、「新社長COOの指名を受け、大変光栄であると同時に、未来を託された重責に身の引き締まる思いだ。価値あるソリューションで社会に貢献し、社会とともに持続的成長を遂げることが当社の基本方針であり、その過程で、成長した当社がさらに画期的なイノベーションを生み出す持続的好循環を築くことが私の使命である。革新的医薬品を核とするイノベーションで患者と医療に貢献することを改めて約束するとともに、当社を目指す姿である〝ヘルスケア産業のトップイノベーター〟とすべく尽力していく」とコメントしている。

 奥田氏は日本で創製された初めての抗体医薬品である「アクテムラ」の臨床開発責任者、のちライフサイクルリーダーを務め、同製品のグローバル展開において、臨床開発から発売に至るまでロシュとの協働の中枢として貢献した。

 2015年以降は経営企画部門を率い、中期経営計画や今年発表した新ミッションステートメントの策定を主導し、同社の新たな目指す姿と価値観を提示した。

 なお、座右の銘は「百折不撓」。

クラレ 第10回化粧品開発展でイソプレングリコールを紹介

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2019年12月19日

 クラレは1月20~22日に、千葉市の幕張メッセで開催される「第10回化粧品開発展(COSME Tech 2020)」に出展し、水溶性保湿基剤イソプレングリコール(表示名称:イソペンチルジオール)を紹介する。

 イソプレングリコールは保湿性・抗菌性に優れ、スキンケア・ヘアケア製品などに使われる。臭いが非常に少なく、さまざまな原料の溶解性にも優れる。

 また、肌への馴染みやすさや毛髪のキューティクルを補修する作用から、なめらかな使用感も生み出す。医薬部外品原料規格に適合し、安全性の高い製品としても評価されている。

 採用実績としては、スキンケア・ボディケアで化粧水・乳液・クリーム・美容液・フェイスマスク・ボディソープなど、ヘアケアではシャンプー・コンディショナー・トリートメント・ヘアワックスなど、メークアップで口紅・ファンデーション・アイシャドーなどがあり、入浴剤やウェットシートなどでも使われている。

 なお今回の展示会では、1月22日午後2時45分~午後3時15分に行われる無料セミナーで、イソプレングリコールの詳細について紹介する。

日本材料技研(JMTC) JSRと環状モノマー独占ライセンスを締結

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2019年12月19日

 日本材料技研(JMTC)は16日、JSRが保有する三官能性ベンゾオキサジンおよびその硬化物に関する特許について、独占的通常実施権許諾契約を締結したと発表した。

 対象となるモノマーは、JSRが開発したベンゼン環を中心にして3つのオキサジン環を持った星型構造を有するベンゾオキサジン。

 ベンゾオキサジンは、加熱することによって無触媒で開環重合が進み、低硬化収縮性の熱硬化性樹脂であるポリベンゾオキサジンを得ることができる環状モノマーの総称。

 ポリベンゾオキサジンは、架橋反応によってフェノール樹脂と類似のネットワーク構造を形成するため「新規フェノール樹脂」と呼ばれることもある。

 ポリベンゾオキサジンは、フェノール樹脂に類似した耐熱性、難燃性、電気特性、力学特性に加え、低吸湿性、低誘電特性、低線熱膨張性など優れた特性を持つことから、航空機で用いられる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のマトリックス樹脂や、電子部品に使われる熱硬化性樹脂の改質剤などにおける実用化が進んでいる。

 同モノマーは、含有する3つのオキサジン環の開環重合によって高度に架橋が進み、豊富な分子間および分子内水素結合を有するポリマーネットワークが得られるため、より高耐熱な熱硬化性樹脂を得ることが期待される。

 JMTCでは、今回の契約によって取得した独占的通常実施権を活用し、主に複合材料メーカーや熱硬化性樹脂メーカーに対して同モノマーを供給することで、早期の事業化を図っていく。

 JMTCは、機能材料分野に特化したファブレス型スタートアップとして、国内の企業や大学などで開発されながら事業化に至っていない新素材技術について、ライセンスアウトやカーブアウトを通じた事業化に取り組んでいる。会社設立以来これまでに、企業5社と大学2校から、有機材料・無機材料・バイオケミカルに関する技術導入を行っている。

 今後も、企業が開発した未活用技術の商業化を進めることで、日本の素材産業におけるイノベーション創出に貢献していく考えだ。

昭和電工 日立化成を9600億円超で買収

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2019年12月19日

 昭和電工は18日、今月9日に設立した完全子会社のHCホールディングスを通じ、日立化成の全株式を株式公開買い付け(TOB)で買収すると発表した。

 昭和電工によれば、日立化成が目指す「機能創出・ソリューション提供を通じた存在感のあるグローバルトップクラスの高機能材料メーカー」と、昭和電工が求める「製造業を超えたソリューション提供カンパニー」という目指す姿が一致していることに加え、日立化成の「ニッチ&クラスター戦略」は、昭和電工の「個性派事業戦略」と、ソリューション志向である点や、多くのグローバルトップシェア事業を対象とした成長戦略であるといった意味で共通性があると考えている。

 こうした背景から、日立化成を子会社化することは、両社の経営方針にも合致するとし、今回の買収合意に至った。買収金額は9600億円超となる見込み。

 昭和電工が目指す「個性派企業」とは「収益性と安定性を高レベルで維持できる個性派事業の連合体」であり、「個性派事業」は適正な市場規模でグローバルトップシェアを獲得できる事業と定義している。

 適正な市場規模は個別事業分野の特性や事業環境によるが、1つの目安として500億~5000億円の市場を有力な対象として考えている。

 昭和電工は、電子材料用高純度ガスやハードディスク、さらには黒鉛電極など、すでに特色ある複数の個性派事業をもっており、また、アルミニウム事業やセラミックスを含めた非有機・無機化学品事業が、売上高の半数超となっている。

 この点、有機化学の事業が大宗を占める企業が多く存在する化学業界の中で、化学メーカーでありながら売上高の半数超が非有機・無機化学品事業で占められる昭和電工の事業ポートフォリオは、世界的にもユニークな事業ポートフォリオとなっている。

 昨年12月に公表し、今年から開始した3カ年の中期経営計画「The TOP 2021」の中では、既存の個性派事業に続く新たな個性派事業群の確立に取り組み、2025年には少なくとも既存事業の半数以上を「個性派事業」とすることを中長期的な経営目標としている。

 このような経営戦略を実現するために、1500億円のM&A枠を含む総額4000億円の投資枠を打ち出し、個性派企業として競争力を高める手段としての他社との提携やアライアンスの方策の検討を進めていた。

東レ 世界最高レベルの造水性能をもつRO膜を開発

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2019年12月19日

 従来比1.7倍の造水量、エネ消費を大幅に削減

 東レは18日、従来品比で造水量を約1.7倍に高めた世界最高レベルの造水性能を持つ海水淡水化向け逆浸透膜(RO膜)を開発したと発表した。

海水淡水化向け逆浸透膜(RO膜)
海水淡水化向け逆浸透膜(RO膜)

 新たに開発した「精密界面重合技術」により、高水質を維持したまま造水量を増大することができるため、ROプラントのエネルギーコストの大幅削減に貢献できる。

 世界では、地球規模の水不足・水質汚濁などの問題が深刻化しつつあり、安全な水の確保はSDGs(持続可能な開発目標)の1つ。

 RO膜による水処理は、

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BASF ポリアミド樹脂がグレーチング製品に採用

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2019年12月18日

 BASFはこのほど、ポリアミド樹脂「Ultramid(ウルトラミッド)」が、シマブン(福岡県久留米市)が新たに発売したグレーチング製品に採用されたと発表した。

「ウルトラミッド」を使用したグレーチング
「ウルトラミッド」を使用したグレーチング

 シマブンは樹脂製グレーチングを製造している。「ウルトラミッド」製のグレーチングは強度に優れ、金属製のグレーチングに比べて軽量であるため、作業者がより多くの荷物を運んだり、プロジェクトをより早く仕上げたりすることが可能になる。

 シマブンの島信英社長は「ウルトラミット」の優れた機械的特性により、新たに発売したグレーチングは腐食性が抑えられるとともに、ノンスリップ性能に優れ、錆びや滑りやすいといった問題解決にも役立つと評価。「押出成型と組み立てによって製造することで、幅広い製品をリーズナブルな価格で提供し、業界のニーズを満たすことができる」と述べている。

 BASFは材料ソリューションの提供に加え、独自のCAE(コンピューター援用工学)解析ツールを用いた設計・解析でもシマブンを支援した。CAEの活用により、開発チームは初期段階から設計を最適化し、材料を効率的に使用して、製品の強度と性能を最大限にすることができた。

 BASFジャパン・パフォーマンスマテリアルズ事業部の山本勇事業部長は「全国の建設現場や物流業界は人手不足に陥っており、プロジェクトオーナーは耐久性と軽量性を兼ね備えた建築資材を求めている」との認識を示した上で、シマブンと協力することで積載効率を改善し、ビジネスの生産性向上に貢献することを指摘した。

 グレーチングは橋のデッキや歩道、スタジアムなどの屋外施設や厨房で使用されている格子状の蓋で、排水溝の詰まりを防ぎ、水や空気の流れを促進する。

大日本住友製薬 再生細胞薬の共同開発中止でサンバイオと合意

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2019年12月18日

 大日本住友製薬とサンバイオ(東京都中央区)はこのほど、再生細胞薬「SB623」の慢性期脳梗塞を対象とした、北米(米国・カナダ)での共同開発を中止することで合意した。大日本住友製薬とサンバイオの米国子会社SanBioの間で2014年に締結した、共同開発とライセンス契約を解消する。

 北米の同剤に関する権利は、サンバイオグループ(サンバイオ・SanBio)に返還される。今後両社間での開発協力金やマイルストンなどの支払い・受領は発生しない。なお、大日本住友製薬は保有するサンバイオ株式を、現時点で売却する予定はない。

 サンバイオグループが慢性期脳梗塞を対象として米国で行った、フェーズ1/2a臨床試験の良好な結果を受けて、2014年9月に大日本住友製薬とSanBioは契約を締結。しかし、これに基づき2015年に開始したフェーズ2b臨床試験は、今年1月に主要評価項目未達という結果となった。その後実施した詳細解析も踏まえ、両社で今後の方針を協議し、契約を解消することになった。

 大日本住友製薬は同剤のフェーズ2b臨床試験の詳細解析を踏まえ、全社の事業戦略上の優先順位を検討した結果、共同開発を中止することを決定した。一方、サンバイオグループは、今後もグローバル展開を目指して同剤の慢性期脳梗塞を対象とした開発を継続する。

三洋化成 初の化粧品ブランド「Cheriage(シェリアージュ)」立ち上げ

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2019年12月18日

 三洋化成工業はこのほど、化粧品ブランド「Cheriage(シェリアージュ)」を立ち上げ、来春から中国での販売を開始すると発表した。完成版の化粧品を取り扱うのは今回が初めて。まずは、洗顔フォーム、バリアミスト、ルージュ、アイライナーの四商品を通販サイトを利用し中国市場に投入していく。

「Cheriage」ブランド。(右上から反時計回りに)洗顔フォーム、バリアミスト、ルージュ、アイライナー
「Cheriage」ブランド。(右上から反時計回りに)洗顔フォーム、バリアミスト、ルージュ、アイライナー

 同社は「変える。」をスローガンに様々なチャレンジを推進する中、その1つとして化粧品事業開拓に注力しており、昨年5月に「Sanyo Skin Coffret(コフレ=小箱)」プロジェクトを発足させた。

 今年10月には同プロジェクトを発展的に解消し、新たに「Beauty & Personal Care部」(BPC部)を設置して体制をさらに強化。同社がもつ技術を総合的に融合することで、スキンケア・ヘアケアを中心とした化粧品分野に向け、新たな価値を提案する化粧品原料の開発を行っている。

 同社の強みは、幅広い分野で活躍する界面制御技術をはじめとした多様なコア技術と、ニーズを機能と物性に翻訳し、最短ルートで組成・プロセスにつなげる開発スタイルだ。そのためには、技術や評価力の向上だけでなく、消費者の美容ニーズの把握が重要という考えから今回、化粧品ブランド「シェリアージュ」を立ち上げた。

 最終化粧品まで手掛けることで、中国での同社の認知度向上を図るとともに、末端消費者のニーズを直接把握し化粧品原料の開発へと反映させることが狙い。

セキ・ユウティン(左)とユウリ選手
セキ・ユウティン選手(左)とユウリ選手

 同ブランドは、同社がスポンサーを務め、中国と日本で活躍する中国人女子ゴルファー、石昱婷(セキ・ユウティン)、石昱莉(セキ・ユウリ)両選手とのコラボによって生まれた。

 ブランド名は、セキ姉妹が好きな桜のcherryとフランス語のcheri(最愛の)、age(時代)を組み合わせて名付けたもの。セキ姉妹のように、将来が期待される若い女性を対象に、コスメを使うことで外見のかわいさだけでなく、内面までキラキラ輝く強い女性になれるようなブランドを目指す。

 今後は、イメージモデルにセキ姉妹を起用し、ブランドの魅力を伝えていく。開発メンバーも、女性活躍推進の観点から、統括リーダーをはじめ女性を中心とした構成にした。高品質な日本製化粧品に対する信頼度が高い中国で、メインユーザーの女性目線でユーザーニーズを捉えていく。

三菱ケミカルインフラテック 受水槽「ヒシタンク」に追い風

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2019年12月18日

災害時の水確保が再評価、更新需要も取り込む

 毎年のように大規模な自然災害が発生する中で、生活に不可欠な飲料水を提供する受水槽が再評価されるようになっている。受水槽市場で国内トップシェアの三菱ケミカルインフラテック(MCIT社)は、レジリエンスの観点から新規拡販を行うとともに、更新につながる提案を行っている。

 MCIT社は三菱ケミカルの子会社で、住環境設備資材や社会インフラなどを製造・販売している。コンクリートや鋼板製が一般的だった受水槽市場で、1962年に国内初となるFRP(ガラス繊維強化プラスチック)製の受水槽「ヒシタンク」を発売した。これにより、従来品に比べ軽量で耐久性に優れ、より清潔な飲料水を提供することが可能になったことから、発売から半世紀以上が経過した現在も、国内トップシェアを維持している。

 同社によると今、「ヒシタンク」に追い風が吹いているのだという。バブル期に建てられたマンションやビルの受水槽が更新期を迎えており、これまでは

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三井化学 〝世界一過酷なマラソン〟完走の講演会を開催

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2019年12月17日

 三井化学は、がんを克服して「サハラ砂漠250㎞マラソン」に挑戦し完走した大久保淳一氏の講演会を、同氏が代表を務めるNPO法人5years(ファイブイヤーズ)と共催する。来年1月8日、午後6時30分~午後8時の開催。

サハラ砂漠を走る大久保氏
サハラ砂漠を走る大久保氏

 三井化学では、社員と会社から寄付を募る共同CSR「ちびっとワンコイン」の枠組みを通じて、昨年から5yearsの活動を継続支援している。同団体代表の大久保氏が、がんを克服して世界一過酷なマラソンの1つと言われる「サハラ砂漠250㎞マラソン」に挑む姿に共感。同氏の挑戦は、三井化学のコアバリューの一つ「チャレンジ」を体現するものであることから、大久保氏のレースを支援した。

 レースには、同社が開発した眩しさを低減し、色の差を見分ける力をアシストするレンズ『NeoContrast』などを提供し、その効果を体感してもらった。今年4月、大久保氏は見事完走を果たした。

 開催場所は、三井化学本社4階「LINK Cafe -結-」(東京都港区東新橋1―5―2 汐留シティセンター)で、定員は50名。なお参加費は無料。参加申し込みは、専用メールアドレス(mci_cc_event@mitsuichemicals.com)で受け付けている。氏名、所属、連絡先(当日連絡の取れる電話番号)を明記のこと。