BASF アジア太平洋地域プレジデントにリヒター氏

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2019年7月22日

 BASFは7月1日付で、カローラ・リヒター前ドイツ本社エコノミック・エバリュエーション・シニアバイスプレジデントが、アジア太平洋地域プレジデント(東・南アジア、ASEAN、オーストラリア、ニュージーランド担当)に就任したと発表した。

 ランクマー・ダルヴァ前プレジデントは、ベルギー・ワーテルローで、グローバルモノマー事業本部の責任者となった。

 リヒター・プレジデントは1973年ドイツ生まれ。ハイデルベルク大学で物理学と数学の博士号を取得し、2003年に経営コンサルタントとしてBASFに入社した。

 その後、香港とドイツでグローバル・マーケティング&テクノロジーのシニアバイスプレジデント、グローバル・ビジネス・マネジメント・衛生用品のバイスプレジデントなどを務めていた。

東亞合成 高岡工場にラボ新設、接着剤の開発を強化

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2019年7月22日

 東亞合成はこのほど、高岡工場に「高岡創造ラボ」の建設を決定したと発表した。床面積は約4220㎡。9月に着工し、来年秋に竣工する予定。

7.22付 東亞合成・高岡創造ラボの外観イメージ 本文中用
高岡創造ラボの外観イメージ

 同社グループは「素材と機能の可能性を追求し、化学の力で新しい幸せをあなたへ届けます。」との企業理念の下、技術と高付加価値製品で存在感のある化学企業を目指している。

 今回、高岡工場に高岡創造ラボを設置することで、より顧客に近い形で、多岐にわたる接着剤製品の開発機能の強化とスピードアップを図る。

 施設内には、製品の展示コーナーや見学ホールを設け、製品利用者や地域社会の人たちに、より開かれた、親しまれるラボにしていく。

 高岡工場は1918年に設立された北海曹達の伏木工場で、カセイソーダをはじめとした電解製品の生産を開始し、44年に東亞合成化学工業・高岡工場(現東亞合成・高岡工場)に改称した。

 その後、産業構造の変化に伴い、2003年に電解製品の生産を終了したが、12年には関東地区にあった工業用途の接着剤工場を移設。1963年から開始した瞬間接着剤「アロンアルフア」の生産と合わせ、瞬間接着剤から工業用の機能性接着剤にまでわたる、接着剤製品の製造機能を集約した。

 加えて、新たな事業分野である植物工場への取り組みを行うなど、高付加価値製品の製造や新事業創造を担う重要な拠点となっている。

SEMI 今年の世界半導体製造装置市場は18%減と予測

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2019年7月22日

 マイクロ・ナノエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際工業会であるSEMIはこのほど、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の「SEMICON West 2019」で、今年年央の半導体製造装置市場予測を発表した。

 今年(暦年)の半導体製造装置(新品)販売額は527億ドルとなり、過去最高の645億ドルを記録した昨年からは18.4%の減少となる。ただ、来年は反転し、11.6%成長の583億ドルに拡大する見込み。

 この最新予測には、地政学的リスクなどから発生している足元の設備投資の下方修正や、不確実性の増大を反映している。

 今年の装置カテゴリー別予測では、ウェーハプロセス処理装置市場が19.1%減の422億ドル、その他の前工程装置(ファブ設備装置、ウェーハ製造装置、マスク/レチクル製造装置)が4.2%増の26億ドル、組み立ておよびパッケージング装置が22.6%減の31億ドル、テスト装置が16.4%減の47億ドルを見込む。

 地域別では、台湾が今年21.1%成長の123億ドルとなり、世界最大の装置市場となる見通し。中国(117億ドル)は昨年に引き続き2年連続で世界第2位、韓国(92億ドル)は設備投資の抑制により第3位へと順位を落とすと見られる。

 成長率では、台湾と北米(成長率8.4%:63億ドル)は前年よりプラスだが、それ以外の地域市場はマイナスとなる見通しだ。

 一方、来年の装置市場は、中国の旺盛なメモリ投資新規プロジェクトにより回復すると予測され、上位3カ国については、1位に中国(145億ドル)が浮上し、2位に韓国(117億ドル)、3位に台湾(115億ドル)となり、日本の装置販売額は46.4%増の90億ドルとなる見通しだ。

 2020年にマクロ経済が改善し、貿易の緊張が緩和されれば、さらに上振れする可能性もある。

旭化成建材 熱中症意識調査、住宅内で10人に1人が発症

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2019年7月22日

 旭化成建材は「住宅の温熱性能と居住者の意識(熱中症に関する意識)」調査の結果を発表した。

 同社の快適空間研究所では、できるだけ冷暖房設備にたよらない「あたたかい空間」での心と体と懐があたたかくなるいきいきとした暮らしを「あたたかい暮らし」と定め、その空間の普及のために情報発信、啓発活動を継続。その活動の一環である「あたたかい暮らし研究会」では、首都大学東京建築学域須永研究室と共同で、「住宅の温熱性能と居住者の意識」について調査を実施した。

 今回、昨年8月に行った住宅内での熱中症に関する調査結果が判明した。近年、地球温暖化や都市のヒートアイランド現象の影響により、熱中症が急増し社会問題化。特に、昨夏は記録的な猛暑(1946年の統計開始以降で最高)となり、熱中症による全国の救急搬送者数(5~9月)は過去最多の9万人以上だった。

 また、熱中症の発生場所別に見ると、住居が3万8836人(40.3%)と最も多く、住宅内での熱中症対策は喫緊の課題。同研究会が行った調査では、住宅内で熱中症(疑いも含めて)になったと回答した人は10人に1人、住宅内で熱中症になった場所は、「寝室」が1位、次いで「居間・食堂」、高齢の人ほど熱中症に対する意識が低い傾向、などが分かった。

 熱中症を予防するために「空調設備や扇風機を上手に使うこと。高齢者は、暑さに対する感覚・調節機能が低下し、体内の水分が不足しがちになるため、熱中症にかかりやすく、特に注意が必要であるということ。室内に温湿度計を置いてこまめにチェックすること」などの対策が、環境省などにより幅広く周知されている。今回の調査からも、多くの人が住宅内での熱中症に対する意識が低く、熱中症になりやすいとされる高齢者ほど意識と実態が乖離していた。

 そのため、同社は「暑くないから大丈夫だと過信せず、こまめに温湿度を確認する必要があることや、誰もが手軽に行える対策として室内に温湿度計を置くこと」などを、高齢者を中心に、幅広く伝える活動を実施する予定。また、温熱性能が高い住まいの新たな生活価値として、就寝時の環境が快適で熱中症のリスクが低いことが分かったことから、引き続き、住まいの温熱性能と居住者の生活価値に焦点をあてて調査研究を深掘りしていく。

 併せて、住宅の高断熱化を促進するため、「温熱性能の高い住まい」での「あたたかい暮らし」の価値を多くの人に理解・共感してもらえるよう、幅広く情報発信をしていく考えだ。

東レ ハンガリーにセパレータフィルム生産設備を新設

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2019年7月22日

 東レはこのほど、ハンガリーのニェルゲシュウイファル市に、リチウムイオン二次電池(LIB)用バッテリーセパレータフィルム(BSF)生産設備の新設を決定した。新生産設備は昨年4月に設立した東レハンガリーに設置し、これにより東レグループ全体のBSF生産能力は年産約20%の増強となる。稼働開始は2021年7月を予定。

 現在、同社のBSF関連生産設備は、日本の那須工場のほか、韓国にも二拠点がある。TBSK社ではBSFの開発・製造・販売を行い、TBCK社ではコーティング加工を行っている。両拠点では、2017年に発表したそれぞれの増産設備を昨年度から順次稼働させている。

 BSFの世界需要は、携帯型電子機器、定置用蓄電池など民生用途の堅調な拡大に加え、今後は電気自動車(EV)の普及拡大による車載用途での急激な拡大が見込まれている。特に欧州では、環境問題への意識の高まりから、EVなど環境対応車の普及は急速に進むと見られており、電池メーカー各社の進出も活発だ。

 同社の海外事業展開は、地産地消を基本戦略としており、顧客の立地に合わせて生産拠点を設置することで、需要増への対応を確実に行うとともに、同地域での経済発展にも貢献していく考え。

 フィルム事業では、現在進めている中期経営課題〝プロジェクト AP‐G 2019〟の基本方針を「成長分野での高付加価値品拡販とグローバル拠点のフル活用による事業拡大」と設定し、BSF事業の拡大を最大の課題と位置付けている。

企業理念「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」のもと、環境負荷の低減に貢献するLIBの主要部材であるBSFの需要拡大に積極的に対応することで、あわせて世界シェアナンバーワンのBSFメーカーを目指していく。

5G/IoT通信展 化学メーカーもノイズ抑制素材など紹介

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2019年7月19日

 5GやIoTなど次世代のモバイル通信に必要な技術を集めた「第2回5G/IoT通信展」が、19日まで東京都江東区の青海展示場で開催され、化学メーカーでは旭化成、ポリプラスチックス/ダイセルポリマー、三菱ガス化学、JSRが出展している。

旭化成

旭化成
旭化成

 旭化成は薄型・軽量でありながら、高周波数帯域のノイズを吸収するノイズ抑制シート「パルシャット」を紹介している。

 1GHz以下の低周波数帯域では、磁界を抑制すればトータルでノイズを抑制することができる。しかし、5Gで使われる数十GHzの高周波数帯域では、電界の方が支配的なため、従来の磁性体を使用した抑制素材でノイズを抑制するのは難しい。

 パルシャットはポリエステル不織布を使い、表面に

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三菱ケミHD 米国の解析システム開発スタートアップに出資

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2019年7月19日

 三菱ケミカルホールディングスは18日、米国シリコンバレーに設立したCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)子会社のDiamond Edge Ventures(DEV)を通じ、ポリマー合成など化学反応のリアルタイム解析システムを開発するスタートアップであるFluence Analytics(米国ルイジアナ州)に出資したと発表した。

 Fluence Analyticsは、化学反応のオンラインモニタリングシステム「ACOMP」(Automatic Continuous Online Monitoring of Polymerization)などを開発、販売している。

 ACOMPは、反応器から直接サンプル抽出を行い、反応過程のポリマーの物性をリアルタイムに連続モニタリングするシステム。こうして得られる合成反応のリアルタイム情報に、ほかのセンサーなどから得られる運転条件などの情報を合わせて解析・予測し、反応系を最適化していくことで、生産効率の向上、品質の改善を図ることができる。

 また、研究開発の面では、ポリマー化の詳細データの活用により実験数の低減などの効率化や、新規材料の開発に繋げることができると期待されている。

 ACOMPでは、すでに多数のポリマーのモニタリング実績があるが、今後、三菱ケミカルHDは、Fluence Analyticsとさらに幅広いポリマー種への適用についても開発を進め、プラントでの生産効率のさらなる向上を図るとともに、化学産業のIIoT(Industrial Internet of Things)の推進を目指していく。

 三菱ケミカルHDは、昨年7月に米国シリコンバレーにDEVを設立し、同社グループ事業に新たな成長をもたらすテクノロジーやビジネスモデルをもつスタートアップ企業との戦略的パートナーシップを進めているが、今回の出資はその第2号案件となる。

 三菱ケミカルHDは、今後もDEVを通じて、同社グループの事業に新たな成長機会をもたらすスタートアップ企業とのパートナーシップを進めていく考えだ。

帝人 睡眠チェックサービスでリンケージと業務提携

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2019年7月18日

 帝人はこのほど、健康や睡眠に関するサービス拡充のため、オンライン健康支援やコンサルティング事業を行うリンケージ(東京都中央区)と業務提携すると発表した。リンケージが提供する特定保健指導の利用者に対し、帝人が展開する睡眠チェックサービス「スリープチェック」の提供を開始する。

 「スリープチェック」は、帝人グループが展開する「Sleep Styles 睡眠力向上プログラム」をカスタマイズしたサービスで、対象者への10分間程度のアンケートの結果から個人の睡眠タイプを分析し、それぞれのタイプに応じて睡眠力向上のためのアドバイスをフィードバックするもの。

 事業背景には、睡眠トラブルの実態がある。厚生労働省の「国民健康・栄養調査(平成29年)」によると、「ここ1カ月間、睡眠で休養が十分に取れていない者の割合」は20.2%にも及ぶ。平成21年からの推移を見ると、有意に増加している状況にあることから、「健康日本21(第2次)」に掲げている目標値15%を達成するためには、早急な対策が必要となっている。

 こうした中、リンケージは、医療機関と医師・保健師・看護師・管理栄養士などの豊富なネットワークを活用して、健康保険組合などに対し、ICTの活用を軸とした特定保健指導や禁煙、高血圧や高血糖をはじめとした重症化予防などのサービスを提供している。

 一方、帝人グループは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療装置のレンタル事業からウェアラブルデバイスの販売に至るまで、幅広い領域で睡眠関連のソリューションを提供。その中で、これまでに培ってきたノウハウや保有する様々なツールを活用したサービスとして、昨年4月から健康経営を支援する「Sleep Styles 睡眠力向上プログラム」の提供を始めた。

 両社は、今後もさらに提携強化を図ることで、睡眠に関わるリスクの改善をサポートするとともに、健康保険組合の保健事業と企業の健康経営に寄与していく。

 

住友化学 DBJの環境格付評価で最高ランクを取得

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2019年7月18日

 住友化学は17日、日本政策投資銀行(DBJ)の「DBJ環境格付」の評価で、「環境への配慮に対する取り組みが特に先進的」という最高ランクの格付を取得したと発表した。

 「DBJ環境格付」は、DBJが開発したスクリーニングシステム(格付システム)により企業の環境経営度を評価し、優れた企業を選定した上で、その評価に応じて融資条件を設定する世界で初めての制度。

 今回の格付では、①社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会の設置や、経営として取り組む7つの最重要課題(マテリアリティ)を特定するなど、持続可能な社会の実現に向けた貢献を明示している点

 ②SDGsや持続可能な社会づくりに貢献する製品・技術を「スミカ・サステナブル・ソリューション」として認定し、開発や普及を促進する取り組みを通じて、気候変動対応、環境負荷低減、資源有効利用などの分野における課題解決に貢献している点

 ③気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同や、温室効果ガス削減目標がScience Based Targets(SBT)イニシアチブによる認定を取得するなど、気候変動問題に対して積極的に取り組むとともに、海洋プラスチック問題に対してもAlliance to End Plastic Waste(AEPW)やクリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)などの外部団体に参画しながら、バリューチェーン全体での課題解決に努めている点が高く評価された。