三井化学アグロ 田んぼの生き物調査を小学生と実施

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2019年7月3日

 三井化学アグロはこのほど、宮城県内の2カ所で小学生と「田んぼの生きもの調査」を実施した。子供たちは、田んぼで多様な生きものと共存しながら、コメ作りが行なわれていることを学ぶ機会になった。

 6月11日に大和町で行った町立鶴巣小の調査は、同町のJAあさひなが主催し、文部科学省が推進する地域学校協働活動の一環として、地域コーディネーター、教職員、JA全農と三井化学アグロの仙台支店などが協力して、2015年から毎年実施している。今年は3年生35人が参加した。

 一方、20日に仙台市で市立上愛子小・作並小・大倉小の3・4年生22人が参加した調査は、元東北大学サイエンスコーディネーターの石垣富一郎氏の呼びかけに応じ、三井化学アグロの仙台支店などが協力して、初めて開催された。

 参加した子供たちは「田んぼの周りには、いろいろな生きものがいた」「家の裏の田んぼでも、いろいろな生きものを調べたり捕ったりしたい」と楽しそうに話していた。

 また、教職員からも「こんなにたくさんの種類の生きものがいることに驚いている」との声が聞かれ、生物多様性に配慮したコメ作りを学び、三井化学アグロの取り組みに理解を深めてもらう機会にもなった。

 同社は農薬を販売するだけでなく、農業生産者・消費者とともに、田んぼの生きもの調査を体験しながら、食や生物多様性について考える機会を提供する活動を、2012年から実施している。

 同調査の結果をまとめた「鑑定書」を発行することで、多様な生きものと共存しながら作られたコメであることを証明し、地域のコメの付加価値向上も支援している。

 今後も、子供たちへの学習機会提供と、食糧生産の向上への取り組みを通じて、社会課題の解決に貢献していく。

旭化成 吉野名誉フェロー、LIBで変わるEV社会を語る

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2019年7月3日

 リチウムイオン二次電池(LIB)の開発者、旭化成・名誉フェローの吉野彰氏が2日、先月に受賞した「2019年欧州発明家賞」の報告会を都内で開催し、報道関係者ら20数名が参加した。

「欧州発明家賞」の受賞を報告する、吉野彰名誉フェロー
「欧州発明家賞」の受賞を報告する、吉野彰名誉フェロー

 吉野氏は、欧州特許庁が主催する同賞の非ヨーロッパ諸国部門を受賞。今回は、LIB関連で同氏が欧州で持つ6件の特許が受賞対象となった。LIB開発の初期から現在に至るまでの流れが、その6件の特許に集約されているとのことだった。

 吉野氏のLIB研究は、1981年に始まる。83年には試験管セルでのLIBを開発。その後、セパレータなどの着想を得て、90年代初頭に商品化に至り、モバイル・IT社会へと移り変わる第3次産業革命とともに、LIBの市場が急速に拡大していった。

 吉野氏は報告会の中で、今後到来する第4次産業革命に触れ、2025年以降のLIB社会のシナリオを語った。

 吉野氏は、AIEV(Artificial Intelligence Electric Vehicle)という

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ランクセス 高性能プラスチックの開発スピード加速にAI導入

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2019年7月3日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスは、高性能プラスチックの開発スピードを加速するため、AI(人工知能)を導入する。顧客が求める高性能プラスチックの開発に一層の強化を図り、新素材の開発時間を大幅に短縮することを目指す。

 AI導入に当たっては、化学物質・素材AIプラットフォームを運営する、米国に拠点を置くAI企業のシトリン・インフォマティクス社と密接な協力体制を構築する。

 両社は、プラスチック製造でAI導入の可能性を評価する、パイロットプロジェクトに着手した。高性能プラスチックの強化材として、ランクセスが使用するガラス繊維の一層の最適化を図り、最終的には素材の性能を高める。

 今回のプロジェクトでは、ガラス繊維のサイジングが重要な役割を果たす。プラスチックの機械的性能を向上するために混入されるガラス繊維は、繊維と素材の隙間を埋めるサイジングに覆われている。これにより、ガラス繊維がプラスチック母材と一層強力に結合し、結果として高性能プラスチックに求められる性能を確保することができる。

 ガラス繊維のサイジングを最適化するプロセスは複雑で、時間と労力を要するが、AIを活用することで、素材開発の際に最適な配合を導き出す時間を、半分以下に短縮することを目指す。

 従来の製品開発では、ガラス繊維のサイジングの複雑な配合と多数の変数の解析には、広範囲にわたるテストが必要とされ、さらに、テスト結果を予想することも困難だった。

 AIアルゴリズムはテスト構成とパラメーターを改善するために予想モデルを計算する。個々のテストからの計測結果に基づき、これらのモデルを向上し、それによって最適化された配合を提案する。この手順により、従来の方法に比べ、製品開発スピードを大幅に加速させることになる。

 同社によると「高性能プラスチック開発のパイロットプロジェクトは、ランクセスのAIへの取り組みのスタートにすぎない」という。同社は2017年に「デジタル化」への取り組みに着手し、専門家からなる部門を設立した。この取り組みでは、デジタルビジネスモデルの開発、バリューチェーンにわたる新技術の導入、ビッグデータの開発と活用、従業員にデジタルの専門知識を広めることが重要な要素になる。

丸紅 冷凍・冷蔵トレーラーリースで天津に合弁会社設立

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2019年7月2日

 丸紅はこのほど、中国・G7社と中国国内での冷凍・冷蔵トレーラーのリース・レンタル事業に参入するため、合弁会社「天津吉紅融資租賃」(吉紅)を中国の天津市に設立した。

 中国では可処分所得の上昇に伴い、食への安全意識が著しく向上している。加えて、経済成長に伴う生鮮食料品などの長距離輸送需要の増加を背景に、中国の冷凍・冷蔵物流市場は今後、年率約18%の拡大が見込まれる。

 吉紅は成長著しい中国国内で、食品メーカー・小売業者・物流業者などに対して、冷凍・冷蔵トレーラーのオペレーティングリース・ファイナンスリース、レンタルサービスを提供していく。

 G7社は中国国内で、商用車向け物流IoTサービスを約6万社、計112万台超の商用車に提供している大手サービスプロバイダー。車両の運行情報(走行距離、加速度、急ブレーキ、エンジン温度などのデータ)を車載デバイスで収集・分析し、情報サービスとしてリアルタイムに顧客提供することを通じ、運行の効率改善や安全性向上など、貨物輸送全体の最適化を図っている。

 丸紅は、北米市場で培った冷凍・冷蔵トレーラーリース事業のノウハウと、G7社の顧客網と中国国内の物流IoT情報サービスを牽引するプラットフォームを掛け合わせることで、中国の冷凍・冷蔵物流市場の発展に貢献していく。

 

JXTGエネルギー 越社とLNG事業の共同検討に関する覚書を交換

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2019年7月2日

 JXTGエネルギーは1日、都内で同日開催された「ベトナム投資カンファレンス投資ライセンス授与及び協力覚書等交換式」で、日越両国政府立ち会いのもと、ベトナム・ナショナル・ペトロリアム・グループ(ペトロリメックス)との間で、ベトナム全土でのLNG事業の共同検討に関する覚書を交換したと発表した。

 JXTGエネルギーはペトロリメックスの戦略的パートナーとして、両社の協業機会の検討を重ねる中で、LNG事業について今年3月から実務レベルでの協議を行ってきた。

 同LNG事業は、経済成長に伴うエネルギー需要の大幅な増加が見込まれるベトナムで、環境に配慮したエネルギーの安定供給に貢献するもの。両社だけでなく日越両国にとっても意義のあるものとJXTGエネルギーは考えている。

 両社は今後、LNG事業の協業実現に向け、引き続き取り組みを行う。また、JXTGエネルギーはペトロリメックスとの関係をより強固にしていくとともに、あらゆるビジネス分野で、協業拡大の可能性を探っていく。

積水化学 MSアーデルの光硬化型接着剤事業を譲受

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2019年7月2日

 積水化学は1日、米・エイチ ビー フーラー(H.B.フーラー)との合弁会社である積水フーラーが、MSアーデル(東京都港区)から、光硬化型接着剤事業を6月30日に譲受したと発表した。

 MSアーデルは、独自技術により開発した光硬化型接着剤、仮固定材などを、光学・電子部品・サイネージ・建材・自動車などの各分野へ製造販売している。

 光硬化型接着剤事業は、積水フーラーと親会社である積水化学、H.B.フーラーの強みを生かすことで販路拡大を見込むことができ、積水ふーらーの企業価値向上につながるものと判断した。

 

住友化学 有機光ダイオード開発で仏イゾルグ社と提携

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2019年7月2日

 住友化学は1日、フランスのイゾルグ社と、有機光ダイオード(OPD)を用いたスマートフォン用の指紋センサー、有機CMOSイメージセンサーの開発で提携する契約を締結したと発表した。

 同契約は、有機半導体材料の開発で世界をリードする住友化学と、OPD技術を使ったデバイスや大面積イメージセンサーを世界に先駆けて開発したイゾルグ社が、2013年にスタートさせた協力関係をより深化させることが目的。

 住友化学は指紋センサーや有機CMOSセンサー用のOPD材料を製造し、イゾルグ社に供給するとともに、同社の生産技術とマーケティングを支援する。イゾルグ社はパネルメーカーの協力を得て、これらセンサーの量産化を目指す。

 今回の提携により生み出される指紋センサーは、軽量・薄膜で、塗布プロセスで製造できるため、大面積化が容易という特長がある。大面積の指紋センサーをスマートフォンの画面全体に組み込むことで、画面上のどの場所でも複数の指紋を検出・認証することが可能になり、利便性とセキュリティの向上が期待できる。

 また、有機CMOSセンサーは、住友化学のOPD材料が通常の可視光だけでなく、高感度に近赤外線の検出も可能なため、近赤外線用の高性能なカメラにも応用できる。両社はこれらのセンサーがセキュリティや自動車、診断、家電用途などでも幅広く使われると期待している。

 住友化学の上田博副社長は、「イゾルグ社とのパートナーシップにより、これまで困難であったスマートフォンの全画面指紋認証や、有機CMOSセンサーの実用化に大きく前進する」と話している。

宇部興産 人事(7月1日)

2019年7月1日

[宇部興産・人事](7月1日)【化学カンパニー】▽ナイロン・ファイン事業部ファインケミカル営業部長桑島浩一▽同事業部ケミカル開発部副部長井伊宏文▽化学生産本部生産技術センター長直川 典正▽ナイロン・ファイン事業部ケミカル開発部プロセス開発グループリーダー土井隆志▽同事業部同開発部ケミカルグループリーダー岩﨑幸治▽同事業部ラクタム・工業薬品営業部ラクタム営業グループリーダー畑中則夫▽企画管理部計数グループリーダー中司誠【本社部門】▽環境安全部環境安全グループリーダー山田博昭【建設資材カンパニー】▽監理部業務統制推進グループリーダー大村進。