クラレの1-12月期 米社の火災事故訴訟費用で純損失

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2020年2月14日

 クラレは13日、2019年12月期の連結業績を発表した。売上高は前年比5%減の5758億円、営業利益18%減の542億円、経常利益21%減の483億円、純損失20億円(前期比355億円悪化)となった。

 伊藤正明社長は「世界的な景気減速の影響を受け、多くの事業で

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東海カーボンの1-12月期 黒鉛電極販売減で減益に

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2020年2月13日

 東海カーボンの2019年12月期連結決算は、売上高が前期比13%増の2620億円、営業利益は同26%減の543億円、経常利益は同27%減の530億円、当期純利益は同56%減の320億円となった。

 セグメント別では、黒鉛電極事業の売上高は同11%減の913億円、営業利益は同30%減の394億円。主要原材料の世界的なひっ迫などにより販売価格が上昇した。一方、黒鉛電極のひっ迫を背景に、前年に積み増しされた顧客の在庫や米中貿易摩擦の影響などにより、黒鉛電極の引き取り量は低下した。

 カーボンブラック事業の売上高は同32%増の1018億円、営業利益は同18%減の85億円。タイヤメーカー向けの販売は、アジア地域では米中貿易摩擦の影響を受け販売数量が減少したが、米国の新拠点Tokai Carbon CBが2018年9月から連結寄与したため、販売数量が増加した。

 ファインカーボン事業の売上高は同20%増の304億円、営業利益は同64%増の61億円。半導体・太陽光発電・一般産業用向けはいずれも堅調に推移。また、韓国のTokai Carbon Koreaが2018年6月から連結子会社となり、売上高・営業利益の増加に寄与した。

 ドイツの炭素黒鉛製品メーカーTokai COBEX HoldCoと、そのグループ会社を連結子会社化したことから、新たにセグメントに追加した精錬ライニング事業の売上高は147億円、営業損益は16億円の損失。Tokai COBEX HoldCoの5カ月の営業利益は56億円となっているが、セグメント会計で取得原価の配分に伴う評価差額に関わる償却費42億円、のれん償却費16億円、取得関連費用14億円を費用計上した。

 工業炉及び関連製品事業の売上高は同11%増の126億円、営業利益は同6%増の32億円。その他事業の売上高は同27%減の113億円、営業損益は2100万円の損失(前年同期は11億円の営業利益)となった。

 2020年度の連結業績予想は、売上高が2019年度比4%減の2512億円、営業利益は同48%減の282億円、経常利益は同48%減の278億円、当期純利益は同48%減の166億円を見込んでいる

カネカの4-12月 販売減などで減収減益、通期予想を下方修正

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2020年2月13日

 カネカの2020年3月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比3%減の4525億円、営業利益は同29%減の189億円、経常利益は同34%減の151億円、四半期純利益は同37%減の92億円。アジア・欧州での需要の鈍化、自動車産業やエレクトロニクス産業の低迷の影響により、主にMaterial Solutions Unitを中心に販売減・利益減となった。

 Material Solutions Unitでは、Vinyls and Chlor‐Alkaliは、中国経済減速の影響でか性ソーダの市況低迷が続いている。塩化ビニル樹脂・塩ビ系特殊樹脂は国内の市況は低迷したが、インドなど海外の需要が堅調に推移して販売は増加した。

 Performance Polymersのモディファイヤーは、米中貿易摩擦による国内外の需要減と貿易量の減少の影響を強く受けた。変成シリコーンポリマーについては、欧州では販売が堅調に推移し、ベルギーの能力増強設備が収益に貢献した。

 Quality of Life Solutions UnitのPerformance Fibersは、アフリカ市場拡大が顕著で、先進国でも新しい需要開拓が進んだ。Foam&Residential Techsはスチレン系発泡樹脂と押出ボードで薄物高断熱などの新規商品の投入を進め、需要の拡大とともに収益が増加した。発泡ポリオレフィンはグローバルな需要が拡大した。

 Health Care Solutions Unitでは、高機能カテーテルなど新製品の販売が国内外で拡大した。Nutrition Solutions Unitは、Foods&Agrisで大手製パンやコンビニ、食品メーカーへの積極的な提案型営業が拡販をドライブし収益を伸ばした。

 通期の連結業績予想については、コロナウイルス問題の影響もあり下方修正した。売上高は前期比2%減の6100億円(前回予想比150億円減)、営業利益は同22%減の280億円(同40億円減)、経常利益は同28%減の225億円(同35億円減)、当期純利益は同30%減の155億円(同25億円減)の見通しとなった。

ニチバン 4-12月期決算

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2020年2月12日

[ニチバン/4-12月期決算](10日)単位100万円、カッコ内は対前年同四半期増減率。▽連結=売上高33,695(▲5.6%)、営業利益2,607(▲8.9%)、経常利益2,699(▲10.3%)、純利益1,666(▲16.9%)。

チッソの4-12月期 液晶回復せず経常損失11億円

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2020年2月12日

 チッソは10日、2019年度第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比5%減の1091億円、営業損失8億円(前年同期比16億円の改善)、経常損失11億円(同5億円の悪化)、純損失86億円(同38億円の悪化)となった。

 セグメント別で見ると、機能材料事業は売上高210億円。液晶材料は、中国での大型液晶パネル製造ラインの立ち上げに伴い、供給過剰の傾向が見られたほか、中国材料メーカーの台頭による影響を受け販売価格が下落した。また、生産設備の最適化を進め、設備の減損損失を計上した。

 加工品事業は売上高424億円。繊維製品は、原綿の国内販売は堅調に推移したが、中国・アジア地域の衛生材料市場で価格や品質面での競争激化により、汎用不織布の出荷が伸び悩んだ。肥料は、アジア地域向けの被覆肥料の輸出が堅調だったが、前年の値上げ前の先取り需要の反動から化成肥料を中心に出荷が低調となった。子会社JNCは、電子部品事業とLIB用セパレータ事業から撤退を決定し特別損失を計上した。

 化学品事業は、売上高207億円。オキソアルコールは、アジア市場の市況軟化の影響により輸出環境が悪化したことに加え、原料ナフサ価格の下落により販売価格が下落した。シリコン製品は、自動車関連市場の落ち込みが続き販売は低調となった。ポリプロピレンは、米中貿易摩擦による世界経済の低迷から、堅調に推移していた国内自動車向けの需要に減少傾向が見られたほか、安価な輸入品の流入による影響を受けた。

 商事事業は売上高161億円。主力のPPの販売では、販売価格が低下したものの、設備トラブルの影響が解消したことにより出荷が堅調となった。電力事業は売上高44億円。FIT活用に向けた既存水力発電所の大規模改修工事に注力した。また、一部、渇水の影響を受けたものの、総じて各発電所が順調に稼働した。

 その他は、売上高45億円。エンジニアリング事業は、石油化学業界での設備能力増強などの手持ち案件工事が順調に進捗した。なお、通期連結業績予想については、前回発表を据え置いている。

東レの4-12月期 中国経済減速の影響で減収減益

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2020年2月12日

 東レは10日、2019年度第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は7%減の1兆6814億円、営業利益7%減の1045億円、経常利益9%減の1010億円、純利益19%減の662億円だった。

 炭素繊維複合材料事業、ライフサイエンス事業は堅調だったが、繊維や機能化成品は中国経済減速の影響を受け、またエンジニアリング子会社の出荷が減少するなど全体では減収減益となった。

 セグメント別に見ると、繊維事業は売上高10%減の6822億円、営業利益21%減の479億円。国内では、衣料や産業用途ともに総じて荷動きが低調に推移した。海外では、米中貿易摩擦の長期化と中国経済減速により各用途で市況低迷の影響を受けた。縫製品やテキスタイルなどの衣料用途のほか、欧州・中国の自動車関連用途や中国の衛材用途などの需要が低調に推移した。

 機能化成品事業は売上高10%減の5891億円、営業利益8%減の480億円。中国経済減速の影響を主因に自動車・家電用途とも低調だった。ケミカル事業は、基礎原料の市況下落の影響を受けた。フィルム事業は、LIB用セパレータフィルムが需要の伸長を背景に出荷を拡大したが、ポリエステルフィルムでは光学用途や電子部品関連で在庫調整の影響を受けた。一方、電子情報材料事業は、有機EL関連部材や回路材料が好調に推移した。

 炭素繊維複合材料事業は売上高17%増の1802億円、営業利益99%増の166億円。航空機向け需要が拡大し、圧縮天然ガスタンクや風力発電翼といった環境・エネルギー関連向け一般産業用途も好調に推移。スポーツ用途の需要も回復するなど、総じて堅調に推移した。

 環境・エンジニアリング事業は売上高4%減の1768億円、営業利益28%減の57億円。水処理事業は、国内外で逆浸透膜などの需要がおおむね堅調だった。国内建設子会社が高収益案件の受注減少の影響を受けたほか、エンジニアリング子会社でエレクトロニクス関連装置の出荷が減少した。

 ライフサイエンス事業は売上高1%減の400億円、営業利益51%増の19億円。医薬事業の「レミッチ」は、後発医薬品発売の影響を受けたが堅調な出荷となった。医療機器事業は、「ダイアライザー」が国内外で堅調な出荷となった。

 なお同日、通期業績予想の修正を発表。売上高2兆2500億円(同800億円減)、営業利益1300億円(同150億円減)、経常利益1210億円(同170億円減)、純利益720億円(同110億円減)に下方修正を行っている。ライフサイエンス事業以外の各セグメントで営業利益が前回予想を下回る見通し。

東洋紡の4-12月期 注力分野が拡大し純利益黒字化

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2020年2月10日

 東洋紡が7日に発表した2019年度第3四半期の連結決算は、売上高が前年同期比1%減の2480億円、営業利益は4%増の160億円、経常利益は6%増の134億円、純利益は黒字化し59億円だった。

 今期は、成長分野と位置づける「フィルム&コーティング」で、液晶偏光子保護フィルム「コスモシャインSRF」は、生産性を向上し順調に販売を拡大し、セラミックコンデンサ用離型フィルム「コスモピール」は、新加工設備を稼働し増産体制を整えた。さらに、フィルム事業基盤をより強固にするため、昨年10月に帝人の子会社2社を買収し、一体運営を開始した。

 また、2018年9月の火災事故により焼失した、エアバッグ用原糸・機能性クッション材「ブレスエアー」の製造設備を昨年9月に再建し、順調に生産・販売を再開した。一方で、エアバッグ用基布については、原糸の代替品調達による販売を継続している。こうした中、同社のフィフム事業は好調に推移し、増益に大きく貢献した。

 セグメント別に見ると、フィルム・機能樹脂事業は減収増益となり、売上高は4%減の1143億円、営業利益は18%増の120億円。フィルム事業では、包装用フィルムは世の中の環境意識の高まりを受け、環境に配慮した製品の販売が好調で、工業用フィルムは、「コスモピール」が電子関連部品の生産調整の影響を受けたものの、「コスモシャインSRF」が大手偏光板メーカー向けの販売を順調に拡大した。

 機能樹脂事業では、ポリオレフィン用接着性付与剤「ハードレン」が海外向けに販売を伸ばした一方で、エンジニアリングプラスチックは、世界的な自動車減産の影響を受け、加えて中国向けの非自動車用途の樹脂販売が伸びず苦戦した。

 産業マテリアル事業は、火災の影響と需要減により減収減益となり、売上高は前年同期並みの497億円、営業利益は70%減の8億円。ヘルスケア事業は、機能膜・環境事業が好調に推移し増収増益となり、売上高18%増の286億円、営業利益は30%増の40億円だった。

 繊維・商事事業は、アクリル繊維の産業資材用途へのシフトを進める中、原料価格変動の影響を受け需要が低迷し減収減益。売上高は2%減の453億円、営業損失は1億円(前年同期は営業損失0億円)。なお、通期業績予想については、前回予想を(昨年11月7日発表)を据え置いた。

デンカの4-12月期 販売価格差・減販が響き減収減益

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2020年2月10日

 デンカが7日に発表した2019年度第3四半期の連結決算は、売上高が前年同期比7%減の2887億円、営業利益は3%減の240億円、経常利益は6%減の227億円、純利益は9%減の167億円だった。

 球状アルミナ、アセチレンブラックなど車両電動化関連製品の販売好調が継続し、デンカ生研の検査試薬やインフルエンザワクチンの販売も前年を上回った。その一方で、原材料価格下落に応じたスチレン系製品の販売価格の改定に加え、クロロプレンゴムや半導体関連製品(高機能フィルム・球状溶融シリカフィラーなど)の販売数量が減少したことなどから、減収減益となった。

 セグメント別に見ると、エラストマー・機能樹脂部門の売上高は16%減の1121億円、営業利益は82億円。スチレンモノマープラントの非定修年であったことに加え、デンカシンガポール社のスチレン系樹脂のスプレッドは改善したが、クロロプレンゴムの販売数量が減少し、21億円の減益となった。

 インフラ・ソーシャルソリューション部門の売上高は前年同期並みの413億円、営業利益は4億円。製品価格改定による収支改善が進んだことなどにより黒字化した。

 電子・先端プロダクツ部門の売上高は2%増の499億円、営業利益は85億円。生産体制強化に伴う固定費増加や、高機能フィルムの販売減などのマイナス要因はあったものの、車両電動化関連製品の販売が伸長し増益に貢献した。

 生活・環境プロダクツ部門の売上高は6%減の281億円、営業利益は前年同期比8億円の減益。プラスチック雨どいと工業用テープの販売はおおむね前年同期並みだったが、合繊かつら用原糸「トヨカロン」や、食品包材用シートとその加工品などの販売減が響いた。

 ライフイノベーション部門の売上高は7%増の287億円、営業利益は63億円。デンカ生研の検査試薬やインフルエンザワクチンの販売が好調に推移し、19億円の増益となった。なお、通期業績予想は前回予想を据え置いた。