日本ゼオンの3月期 エラストマー素材の落ち込みで減収減益

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2020年5月7日

 日本ゼオンは28日、2020年3月期の連結決算を発表した。売上高は前年度比5%減の3220億円、営業利益は21%減の261億円、経常利益は21%減の287億円、純利益は9%増の202億円となった。

 同日開催された決算説明会において、松浦一慶取締役執行役員は「高機能材料は増収増益となったが、エラストマー素材の落ち込みにより全体で減収減益となった。コロナによる直接的な業績への影響は軽微だった」と総括した。 

 セグメント別では、エラストマー素材事業は売上高10%減の1788億円、営業利益は45%減の96億円だった。合成ゴム関連では、世界経済減速の影響を受け自動車産業向けを含む一般工業品用途の需要が弱く、国内販売・輸出・海外子会社とも低調に推移した。合成ゴムの出荷量では、汎用ゴム(主にタイヤ用途)は前年度並みだったが、特殊ゴム(主に自動車産業用途)は需要が弱く減少した。

 合成ラテックス関連では、経済減速の影響による化粧品材料や一般工業品用途などの需要減に加え、原料動向に連動した手袋用途の販売価格が下落した。化成品関連では、主力の水島工場での定期検査実施に伴い生産量見合いの出荷を継続したことに加え、アジア市況が軟化したことも重なった。

 高機能材料事業は、売上高8%増の917億円、営業利益7%増の173億円。高機能樹脂関連では、光学樹脂は、主にスマートフォン向けが堅調で、医療向けなども安定して成長した。光学フィルムでは、中小型向けはコロナ影響でパソコンやタブレット向けの需要が増え、大型テレビ向けは販路拡大が奏功した。高機能ケミカル関連では、化学品とトナーは売上高、営業利益ともに前期を下回ったものの、電池材料の販売は堅調に推移した。電子材料は増収減益だった。

 なお、2021年3月期の業績予想については、「コロナ感染症の影響で合理的な業績予想の算出が困難だ」とし、今後、予想が可能となった段階で発表するとしている。

 

信越化学の3月期 経常利益は1%増の4182億円

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2020年5月7日

 信越化学工業は28日、2020年3月期の連結業績を発表した。売上高は前年度比3%減の1兆5435億円、営業利益1%増の4060億円、経常利益1%増の4182億円、純利益2%増の3140億円となった。各利益項目は過去最高益を更新している。

 セグメント別に見ると、塩ビ・化成品事業は売上高8%減の4843億円、営業利益14%減の921億円。米国のシンテック社では、塩化ビニル、カセイソーダともに高水準の出荷を継続したが市況の影響を受けた。欧州拠点も販売数量の維持に注力したものの、市況の影響を受けた。国内拠点は堅調に推移した。

 シリコーン事業は、売上高3%減の2268億円、営業利益5%増の614億円。機能製品を中心に拡販を進めたが、汎用製品の価格下落の影響を受けた。

 機能性化学品事業は、売上高5%減の1147億円、営業利益4%増の277億円。セルロース誘導体は、医薬用製品は底堅く推移したが、建材用製品が振るわなかった。フェロモン製品は堅調な出荷となったが、ポバール製品は市況の影響を受けた。

 半導体シリコン事業は、売上高2%増の3876億円、営業利益9%増の1432億円。半導体デバイス市場での調整局面が続いたが、販売価格と出荷水準の維持に努めた。

 電子・機能材料事業は、売上高微減の2251億円、営業利益2%増の685億円。希土類磁石は産業機器向けが需要鈍化の影響を受けたが、環境対応自動車向けを中心に販売を維持した。フォトレジスト製品はArFレジストやEUVレジストを中心に総じて好調だった。マスクブランクスも堅調に推移した。光ファイバー用プリフォームは市況悪化の影響を受けて厳しい状況となったが、大型パネル用フォトマスク基板は好調に推移した。

 加工・商事・技術サービス事業は、売上高4%減の1047億円、営業利益12%増の148億円だった。

 なお、今期の通期見通しについては、現時点で今後1年間の業績予想を合理的に行うことは困難なことから未定とし、今後、連結業績予想の開示が可能となった時点で速やかに開示する。

JSRの3月期 営業利益27%減の329億円

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2020年4月28日

 JSRは27日、2020年3月期の連結決算(IFRS)を発表した。売上収益は前年度比5%減の4720億円、営業利益は同27%減の329億円、親会社所有者帰属利益は同27%減の226億円となった。

 当日開催された電話会議において宮崎秀樹常務執行役員は「需要業界の低迷を受け、3月に下方修正を行ったが、実績も想定通りとなった。エラストマーと合成樹脂事業は、

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中外製薬 1-3月期決算(23日)

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2020年4月24日

[中外製薬/1―3月期決算](23日)単位100万円、カッコ内は対前年同四半期増減率。▽連結(国際会計基準:IFRS)=売上収益179,424(16.3%)、営業利益72,411(57.1%)、四半期利益51,533(47.1%)、株主に帰属する四半期利益51,533(47.1%)。

クレハ 通期業績予想を修正、構造改革費用を計上

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2020年4月23日

 クレハはこのほど、2020年3月期の通期連結業績(IFRS)予想について、売上収益1420億円(前回予想比20億円減)、営業利益180億円(同105億円減)、親会社の所有者に帰属する当期利益145億円(同75億円減)に修正すると発表した。修正の主な理由として、構造改革費用を計上したことが挙げられる。

 同社のPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品事業は、シェールオイル・ガス掘削用フラックプラグ市場で、PGA樹脂製フラックプラグおよび素形材を販売しているが、顧客要求が厳しくなっていることや競合品との価格競争激化、原油価格の下落などの市場環境の変化により、今後の販売拡大の遅れと収益性の低下が懸念されている。

 今回、こうした状況を打開するため、PGA樹脂製フラックプラグをコア製品と位置づけつつ、石油・ガス開発分野に向けたソリューション提供型の事業への発展を目指し、非PGA系分解性フラックプラグも開発・販売することとした。この事業戦略の変更により、事業資産の評価を見直した結果、約106億円の構造改革費用を計上する予定となった。なお、新型コロナウイルス感染症の流行による影響は軽微としている。

出光興産 通期業績予想を修正、原油急落で損失拡大

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2020年4月23日

 出光興産はこのほど、2020年3月期の通期連結業績予想について、売上高6兆円(前回予想比1000億円減)、営業損失50億円(同1700億円減)、経常損失150億円(同1650億円減)、純損失250億円(同1250億円減)に修正すると発表した。利益項目は全て損失となった。

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済の急激な冷え込みや、産油国の減産協議決裂などから原油価格が急落したことなどにより、売上高は減収となる見通し。また、営業利益は、燃料油セグメントでの在庫影響の損失拡大や原油価格急落によるタイムラグ影響により約1100億円悪化するほか、石油化学製品マージンの縮小を見込む。なお、期末配当金について、変更はないとしている。

JXTGホールディングス 通期業績予想を修正、全ての利益項目が損失に

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2020年3月27日

 JXTGホールディングスは26日、2020年3月期の通期連結業績(IFRS)予想について、売上高10兆500億円(前回予想比3500億円減)、営業損失2100億円(同4900億円減)、親会社所有者に帰属する当期損失3000億円(同4550億円減)に修正すると発表した。利益項目は全て損失となっている。

 新型コロナウイルス感染症拡大の世界経済への影響懸念に加え、その後の産油国による減産協議に進展が見られなかったことなどにより、ドバイ原油価格は、1月の1バレル64ドルが、3月には30ドル台にまで大幅に下落。これに伴い、エネルギー事業での、原油や石油製品などの在庫評価による損失が2500億円発生する見込み。

 また、航空・船舶輸送の減少も含めた経済活動への影響から、国内・海外の石油・石化製品需要は減少し、価格急落の影響も含めてマージンが大幅に縮小(約1300億円)したことなどにより、在庫影響を除く営業利益も前回予想を大きく下回る見通しとなっている。

 加えて、石油・天然ガス開発事業についても、第4四半期は原油・ガス価格の下落に伴う影響があり、これを踏まえた保有資産の再評価を実施した結果、約900億円の減損損失を計上する見込みとなった。ただ、配当予想について、変更はないとしている。