JNC 守山でマスク用不織布、市原でマスク生産を決定

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2020年7月29日

 JNCは28日、全国的に不足している不織布マスクの安定供給に寄与するため、子会社であるJNCファイバーズの守山工場(滋賀県守山市)でマスク用メルトブロー不織布、JNC石油化学の市原製造所(千葉県市原市)で不織布マスクの生産を開始することを決定したと発表した。

 守山工場では、既存のメルトブロー不織布製造設備を改造。マスクに必要な捕集性を付与したメルトブロー不織布を今年10月から月産440万枚(マスク相当)製造し、急増したマスク原料需要に対応する。また市原製造所では、新たに不織布マスク製造設備を導入。守山工場で生産するメルトブロー不織布を使用し、不織布マスクを9月から月産135万枚生産する。同社は不織布マスクに必要な全ての部材を国内で調達しており、高品質な不織布マスクの安定供給に寄与する。なお、不織布マスクは、JNCの繊維事業部が10月から販売する予定。

 同社は世界に先駆けて熱接着性複合繊維の商業化に成功して以来、長年にわたり繊維と不織布の技術を蓄積してきた。その複合繊維技術は世界的に高い評価を受けており、米国ファイバービジョン社との合弁会社であるESファイバービジョン社を通じて全世界に同社技術を導入した複合繊維を販売している。JNCグループが製造する不織布マスクについても複合繊維の技術を最大限に活用し、高機能、高付加価値な製品を提供できるよう努めていく考えだ。

 

NEDOなど 従来比6倍速の銅コーティング加工機を開発

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2020年7月28日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、大阪大学、ヤマザキマザック、島津製作所と共同で高輝度青色半導体レーザーを用いた、高速・精密銅コーティングが可能なハイブリッド複合加工機を開発した。

 レーザーコーティングは従来のスパッタやメッキ、溶射と異なり、レーザーで金属粉末を溶接する技術。密着強度が高く耐久性に優れ、大気雰囲気下で処理できる。また、マルチビームの加工技術により、1本の粉末ビームに複数のレーザービームを照射し効率的に加熱、溶融、凝固させる。従来の近赤外線レーザーでは金や銅の加工は困難であったが、青色半導体レーザーは金属への吸収効率が高く、金や銅などの加工に適する。特に銅は、その高い熱・電気伝導性から高精度が必要な航空・宇宙・電気自動車産業への活用が期待される。また細菌の殺菌・抗菌、ウイルスの不活化作用から、感染リスク低減のための手すりやドアノブへの利用が始まっている。

 今回、日亜化学工業と村谷機械製作所の技術協力で開発した200W高輝度青色半導体レーザーを3台装着し、600W級マルチビーム加工ヘッドを開発。レーザー集光スポットのパワー密度が上がり、金属材料への銅のコーティング速度が従来の6倍以上に向上、多層コーティングも可能になった。1走査あたりのコーティング幅も従来比2.5倍の1mm程度まで増大できる。

 噴射した銅粉末を直接加熱するため母材表面の溶融を必要最小限とし、母材金属の混入が少なくゆがみの小さな精密コーティングが可能である。直線3軸/回転2軸の5軸同時制御加工ヘッドのハイブリッド複合加工機で、複雑形状の部品に高速・精密コーティングできる。現在、石川県工業試験場と大阪富士工業で銅コーティングの基礎データベースの構築と銅コーティング部材の開発を進めている。

 NEDOプロジェクトは青色半導体レーザーのさらなる高輝度化を進め、ヤマザキマザックは?級青色半導体レーザーマルチビーム加工ヘッド搭載、コーティング速度十倍以上のハイブリッド複合加工機の来年の製品化を目指している。

DNP マーケティングクラウドに仮想化サービスを導入

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2020年7月28日

 大日本印刷(DNP)はこのほど、必要に応じて仮想的なデータベースを構築できる「データ仮想化」のリーディングカンパニーである米国デノド(Denodo)・テクノロジーズ社と提携した。

 この関係強化によって、企業内の様々なデータを利用者自身が統合管理して活用できるプラットフォームサービス「DNPマーケティングクラウド」に、デノド社のデータ仮想化サービス「Denodo Platform」を本格的に導入する。企業内に散在するデータを物理的に複製することなく、必要に応じて必要な項目のみ参照できるようになるため、大量のデータを効率的に管理・活用することが可能。またDNPは、「Denodo Platform」のセールスパートナーとして、サービス単体での販売も開始する予定だ。

 企業が扱うデータ量が年々増加し、その管理と活用が求められる中、データ損失のリスクに対して、物理的に容量を占めるバックアップコピーのデータの格納・管理などのコストの増加、大量のデータの中から必要な情報を迅速に抽出できないことによる事業機会の損失などが課題。これらに対し、必要に応じて仮想的なデータベースを構築できる「データ仮想化」が期待されており、その世界市場はライセンスやサービスを含めて2021年に約67億ドル規模になる見込み。

 DNPはSaaSとして提供する「DNPマーケティングクラウド」でデータを蓄積する「データレイク機能」に、データ仮想化サービス「Denodo Platform」を導入し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する企業のデータ活用を支援する。

 特にマーケティング分野では、オンライン(ネットサービスなど)とオフライン(店頭など)の企業活動で得た各種データを即時に統合し、より複雑化している生活者の購買行動を可視化し、迅速に各種施策を実行していくことが求められている。「Denodo Platform」の導入によって、オンラインとオフラインのデータの統合と活用をよりスムーズに実行することが可能となった。

 DNPは今後も「DNPマーケティングクラウド」を通して、企業の多様なデータを統合し、マーケティング活動に必要な一連の機能をシームレスに組み合わせ、生活者への体験価値の提供に向けた企業のデータの活用を支援していく。

 

三洋化成 川崎重工の無人潜水機で全樹脂電池の実証試験を開始

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2020年7月28日

 三洋化成工業はこのほど、関係会社のAPB(東京都千代田区)が次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」を、川崎重工業が開発する自律型無人潜水機(AUV)に搭載し実証試験を開始したと発表した。

今回使用される全樹脂電池(ケース外観)
今回使用される全樹脂電池(ケース外観)

 全樹脂電池は、APB代表取締役の堀江英明氏と三洋化成が共同開発したバイポーラ積層型リチウムイオン電池。三洋化成が開発した樹脂で被覆した活物質を、樹脂集電体に塗布した電極を使用している。

 この独自の製造プロセスにより、従来のリチウムイオン電池に比べ工程の短縮と製造コスト・リードタイムの削減に加え、高い異常時信頼性とエネルギー密度を実現。部品点数の少ないバイポーラ積層型でかつ樹脂製であるため、電極の厚膜化やセルの大型化、形状の自由度といった特長もある。

川崎重工製AUV外観
川崎重工製AUV外観

 一方、川崎重工が開発するAUVは、海中設備の保守・点検用で、深海などの過酷な環境で長時間の水中作業を行う。動力源は、APBと川崎重工が共同開発した耐水圧型の全樹脂電池で、大型化や積層化により電池容量を増やすことで、長時間走行も可能になる。川崎重工神戸工場内岸壁の試験エリア内でのAUV出力試験後、連続航続距離、充電特性や耐水圧性などのAUV実機試験を行う予定。

 同実証実験を皮切りに、大型定置用蓄電池などの用途展開を促進し、将来は新しい社会インフラとなるよう挑戦を続ける考えだ。

ENEOS Luupと電動マイクロモビリティの協業を開始

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2020年7月28日

 ENEOSホールディングスとLuup(ループ:東京都渋谷区)はこのほど、電動・小型・1人乗りの電動マイクロモビリティの社会普及に向けて、協業を開始すると発表した。なお、協業開始に先立ち、ENEOSホールディングスはENEOSイノベーションパートナーズを通じて、Luupへ資本参画している。

 ENEOSホールディングスは「持続可能なモビリティインフラ」をテーマに、革新的事業の創出に取り組んでいる。一方、Luupは、マイクロモビリティのシェアリング事業を通して、日本に新しい短距離移動インフラを創ることを目指している。

 昨年度に開催したENEOSホールディングス(当時のJXTGホールディングス)のアクセラレータープログラムの中で、電動キックボードをはじめとする電動マイクロモビリティのシェアリングに関するLuupの事業提案が採択されて以降、両社は協業の検討を進めてきた。

 今後の超高齢化社会では、ワンマイルの移動手段が不十分であることによる買い物難民や高齢者の自動車事故といった課題が予想され、それを解決する乗り物として四輪キックボードやシニアカーといった電動マイクロモビリティが注目されている。

 今回の協業では、電動マイクロモビリティに関し、2023年をめどにシェアリングと最適なエネルギー供給体制の構築を行い、誰もが自由に移動できる社会の実現を目指す。また、両社は、日本国内の電動マイクロモビリティ普及の課題である規制対応についても、協業を通じて連携していく予定。両社は、顧客・社会が求めるサービスを創出し、社会の発展と活力のある未来づくりに貢献していく。

 

デンカ 新型コロナの簡易検査キット、国内薬事承認を申請

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2020年7月28日

 デンカはこのほど、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)簡易検査キットの体外診断薬としての国内薬事承認を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に申請したと発表した。

 同社はこれまで国立感染症研究所と同キットの開発に関する共同研究を進め、日本医療研究開発機構(AMED)の研究班への参画を通じて国立感染症研究所より抗体と抗原の分与を受けるなど、関係官庁や公的機関、国内外の研究機関の協力と支援を仰ぎながら開発を進めてきた。

 同キットではイムノクロマト法により新型コロナウイルス(SARS‐CoV‐2)抗原を検出し、特別な検査機器を必要とせず、短時間で簡易に陽性/陰性の検出結果を識別する。同社では最大1日10万検査分の量産体制を構築し、国内薬事承認後には速やかに各医療機関へ供給できるよう準備を進めている。

 同社は新型コロナウイルス感染症への対策を社会的責務と捉え、今後も関係各方面と連携しながら、医療現場のニーズに応えるとともに、検査体制の拡充に貢献していく考えだ。

NEDOとシャープ EV用高効率太陽電池パネルを製作

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2020年7月27日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とシャープはこのほど、NEDOの革新的高性能太陽電池の開発推進事業で開発した高効率太陽電池モジュール(変換効率31%超)と同等のセルを使った、電気自動車(EV)用太陽電池パネルを製作した。1kW超の定格発電電力により、走行距離・時刻などの利用パターン次第では、充電回数がゼロになる試算だ。

1kW超の太陽電池パネルを搭載した電気自動車「e-NV200」
1kW超の太陽電池パネルを搭載した電気自動車「e-NV200」

 NEDOは、運輸分野のエネルギー・環境問題の解決を目指し、2016年から産学有識者からなる「太陽光発電システム搭載自動車検討委員会」で調査・検討。2018年の中間報告で「変換効率30%以上なら車載面積で1kWの発電が可能」「利用パターン次第では充電回数ゼロ」と試算した。

 一方、2014年策定の「太陽光発電開発戦略」下の発電コスト低減のための革新的な高性能太陽電池の開発推進事業で、シャープはⅢ‐V化合物3接合型太陽電池(インジウム・ガリウム・リン・ヒ素などからなる3つの化合物を接合)で世界最高水準の高効率太陽電池モジュール(変換効率31.17%)を開発した。

 シャープは日産自動車と協力し、同モジュールと同等のセルを使って厚さ約0.03mmのフィルム状太陽電池パネルを製作。車体の曲面形状に沿って効率よく搭載でき、定格発電電力約1.15kWを実現。公道走行用実証車(日産自動車のEV「e‐NV200」)で、航続距離や充電回数などを評価する。併せて、昨年からのトヨタ自動車による同パネル搭載プラグインハイブリッド(PHV)車の公道走行実証データも、IEA PVPS task17などの国際的調査活動に生かす。

 さらに新規事業として、車載用Ⅲ‐V化合物太陽電池の実用化に向け高効率化とコストダウンを推進し、太陽電池の新規市場創出とエネルギー・環境問題解決を目指す考えだ。

複数の太陽電池セルにより構成された太陽電池パネル (左からルーフ、フード、バックドア)
複数の太陽電池セルにより構成された太陽電池パネル(左からルーフ、フード、バックドア)

 

 

 

工学院大学 東京産ハチミツ配合のハンドクリームを開発

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2020年7月27日

 工学院大学はこのほど、学生プロジェクト「みつばちプロジェクト」と「Science Create Project」が、老舗化粧品メーカーの八重椿本舗(東京都港区)とコラボレーションし、「KUTE Honey ハンドクリーム」を企画・開発した。

八王子キャンパスで養蜂
八王子キャンパスで養蜂

 原材料に「みつばちプロジェクト」が同大学八王子キャンパスで養蜂・採取した東京産ハチミツを使用。リラックス効果を誘うハチミツの甘い香りと天然ハチミツ由来の保湿効果、なめらかでしっとりした肌触りが特徴となっている。

 今回、ハンドクリームを製造するにあたり、ハチミツの特徴である甘い香りに着目し、製品化をイメージ。老舗化粧品メーカーの協力を得て、ハチミツの香りを再現するとともに、肌に優しいノンシリコン処方にもこだわった。各種検査機関の規格値に合格しているハチミツをはじめ、ローヤルゼリーエキス、シアバターなど天然由来の保湿成分を使用するなど、材料から製造に至るまで品質管理と安全性に配慮したものづくりを目指した。

 今回生産した限定3000個の東京産ハチミツ配合「KUTE Honey ハンドクリーム」は、同大学関係者や支援者を中心にサンプルを配布し、実際に製品を使った体験者のフィードバックをもとに今後の展開を検討していく。

三洋化成 LIB「全樹脂電池」事業に豊田通商参加

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2020年7月27日

 三洋化成工業はこのほど、関係会社で次世代型LIB「全樹脂電池」の研究開発・製造・販売を行うAPB(東京都千代田区)が豊田通商を引き受け先とする第3者割当増資により、追加の資金調達を実施したと発表した。

 全樹脂電池は、電極に樹脂被覆の活物質を塗布した樹脂集電体を用いた、電池骨格が全て樹脂材料でできたバイポーラ積層型電池で、高い異常時信頼性とエネルギー密度をもつ。従来のLIBに比べ、部品点数が少なく製造工程も短いため、低製造コスト、短リードタイムである。樹脂製であるため電極の厚膜化が容易、セルの大型化が可能、形状自由度が高い、といった特長がある。

 今回の資金調達は、APBが開発する全樹脂電池の量産工場設立が主目的で、全樹脂電池の量産技術の確立と、製造販売の開始に充当する。今回の豊田通商の資本参加により、同社のもつネットワークを活用し、商圏の拡大が期待される。

三菱ケミカル 米国発の体験型店舗に和食テーマのクリンスイを出品

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2020年7月27日

 三菱ケミカルは22日、グループ会社で浄水器の製造販売を行う三菱ケミカル・クリンスイが、8月1日にオープンする日本初上陸の体験型店舗「b8ta Tokyo‐Yurakucho」に「和食のためのクリンスイ」シリーズの3製品を出品すると発表した。

出品される「和食のためのクリンスイ」シリーズ 3 製品
出品される「和食のためのクリンスイ」シリーズ 3 製品

 「b8ta」は2015年に米国サンフランシスコ近郊のパロアルトで誕生した体験型店舗。有楽町と新宿に同時にオープンし、最新のガジェット類や雑貨から、日本の職人技や素材の特性を生かした商品など、幅広いラインアップが登場する。

 クリンスイ社はかねてより米国「b8ta」のビジネスモデルである「サービスとしての小売り(RaaS:リテール・アズ・ア・サービス)」という新業態に注目し、2019年より「b8ta」での商品展開を開始していた。米国での商品展開を経て、さらに直販オリジナル製品の販売拡大や新たなマーケティングのため、日本初上陸の有楽町店にも出品することを決定した。

有楽町店の店舗イメージ
有楽町店の店舗イメージ

 出品する製品は、クリンスイの公式サイトを中心に販売している「和食のためのクリンスイ」シリーズから、お米をおいしくするためのポット型浄水器「クリンスイ JP407‐R」、お茶をおいしくするためのポット型浄水器「クリンスイ JP407‐T」、出汁をおいしくするためのポット型浄水器「クリンスイ JP407‐D」の3製品となっている。