塩ビ樹脂、6月国内出荷 全用途でコロナ前の水準上回る

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2021年7月30日

 塩ビ工業・環境協会(VEC)がこのほど発表した需給実績によると、6月の塩ビ樹脂(PVC)の国内出荷は前年同月比18.3%増の9万1300tと3カ月ぶりに9万t台を回復した。硬質用は同13.1%増の4万8200t、軟質用は同23.5%増の2万1200t、電線・その他は同26.1%増の2万1900tといずれもプラスを継続。国内出荷は4カ月連続の前年越えと堅調に推移する中、コロナ禍前の2019年6月との比較でも、硬質用は1.5%増、軟質用は1.9%増、電線・その他は5.3%増とすべての用途で前々年実績を上回っている。

 宮島正紀理事(信越化学工業常務執行役員)は7月の定例記者会見で、国内需要について

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三井化学東セロ TI社のサプライヤー賞、2度目の受賞

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2021年7月30日

 三井化学東セロはこのほど、半導体ウェハ製造時表面保護用テープ「イクロステープ」が、半導体トップテン企業の1つである米国テキサス・インスツルメンツ社(TI社)の2020年度サプライヤー・エクセレンス・アワードを受賞したと発表した。2015年に続き、2度目の受賞となる。

 同賞は、TI社が定める6つの軸(コスト・環境と社会的責任・技術・応答性・供給安定性・品質)で審査され、著しい貢献が認められたサプライヤーに毎年、授与されている。

ENEOS 超高圧・高圧電線絶縁用PE、3万t増強

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2021年7月30日

 ENEOSは29日、100%子会社であるENEOS NUCが、超高圧・高圧電線の絶縁用途向けポリエチレン(PE)の生産能力を約3万t増強すると発表した。再生可能エネルギーの電源開発を背景に増加する需要に応えたもので、川崎工業所内に約120億円を投資して新設備を建設し、2023年12月の商業運転開始を予定している。

ENEOS 超⾼圧・⾼圧電線ケーブルの写真
超⾼圧・⾼圧電線ケーブルの写真

 世界的な脱炭素化の動きに伴い、洋上風力発電など遠隔地にある分散化型電源の送電線や、欧州で始まった送電の地域間ネットワーク化など、送電線の需要成長にあわせて地中送電用電線の絶縁材の需要が急増している。

 超高圧・高圧電線は社会的に重要なインフラであり、極めて高い品質が求められる。そのため、電線絶縁用PEの製造には、通電時の損傷原因となる樹脂中の微細な異物を徹底的に除去するクリーン化技術と、絶縁性能を向上させる添加剤などの配合技術を要する。

2020年に商業運転を開始した、超⾼圧・⾼圧直流電線⽤絶縁製造設備

 同社は、交流の最高電圧50万V架橋絶縁用PEを世界で最初に上市するなど、世界で数社だけが保有するこれらの技術を強みに、30年以上にわたり絶縁用PEを開発・生産・販売してきた実績をもつ。また長期間の使用に耐え得る優れた品質性能は、世界トップクラスとの評価を得ている。現在はアジアの電線加工メーカーへの販売が主だが、欧州の電線メーカーからも供給を要請されており、今回の生産能力増強で新たな需要を確実に取り込み、さらなる競争力強化を図る狙いだ。

 ENEOS NUCは、今回の増強と昨年商業運転を開始した超高圧・高圧直流電線用架橋絶縁用PEを柱に、世界市場で重要な役割を果たし、さらなる技術開発と市場成長にあわせた供給体制の検討を続け、将来の社会インフラ構築への貢献を目指していく。

昭和電工 電動車用アルミ製冷却器の生産ラインを増設

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2021年7月30日

 昭和電工は29日、電気自動車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車などの電動車に搭載されるパワーモジュール(PM)向けアルミニウム製冷却器の需要増加に対応するため、小山事業所の生産能力を倍増させることを決定し、生産ラインの増設に着手したと発表した。2022年初頭の稼働開始を目指す。

PM向けアルミニウム製冷却器
PM向けアルミニウム製冷却器

 電動車用のPMは電動車の航続距離の延長や燃費の改善など、性能向上に寄与する重要部品。PMは車内の限られたスペースに搭載しなければならないため、PM向け冷却器には、小型かつ搭載方法の自由度が高いことと同時に、高効率化・高放熱化が求められている。

 同社が生産するPM向けアルミ製冷却器は、絶縁基板に放熱用の同社製アルミフィンを真空ロウ付けで直接接合することにより、小型で冷却水用の配管の位置を柔軟に設計できる高い汎用性と、高い放熱効果を実現。同製品は2019年から生産を開始しており、国内大手PMメーカーでモジュール化され、日本国内やアジア各地の自動車メーカーに採用されている。

 今後カーボンニュートラル実現に向けたグローバル規模での取り組みの強化を背景に、自動車業界でも電動車へのシフトが加速し、一層の市場拡大が見込まれている。同社は、長年培ってきたアルミニウム合金設計技術と加工技術、パワーモジュール評価技術をもとに、より小型で高性能のPM向け冷却器の開発・生産に取り組み、顧客の課題を解決するソリューションを提供して、アルミ機能部材事業の拡大を目指していく。

 

財務省 2Qの国産ナフサは4万7700円/klと急騰

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2021年7月30日

スポットナフサ強含み、3Qはさらに大幅上昇に

 財務省が29日に発表した貿易統計によると、2Q(4-6月期)の国産ナフサ価格は4万7700円/klと、4四半期連続で上昇した。昨年11月以降、騰勢を強めた原油価格に連動する形でスポットナフサは上昇を続けており、為替が1Q(1-3月期)比4.2円安と円安に振れたことも相まって、国産ナフサ価格は1Qの3万8800円/klから8900円高の大幅な上昇となった。新型コロナワクチンの接種が進み、世界経済が回復へと向かう中、2Qの3カ月は、

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ENEOS 非接触POSなどSSで新サービス実証開始

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2021年7月29日

 ENEOSはサービスステーション(SS)の利便性向上を目指し、Dr.Driveセルフ荻窪店(東京都杉並区)で業界初の取り組みとなる非接触POSの導入をはじめ、リモート接客、デジタルサイネージといった新デジタル技術サービスの実証実験を開始する。

非接触POSのイメージ
非接触POSのイメージ

 同取り組みは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてさらに高まる利用者の非接触・非対面ニーズや、恒常的な人手不足の解消という運営店のニーズへ対応を目的としている。

 非接触POSの実証では、「空中ディスプレイ+赤外線センサー一体型」機器と「赤外線センサー後付け外設端末」の二種類を設置。空中ディスプレイは、空中に映し出されたバーチャルPOS画面の操作を赤外線センサーで感知するもの。既存の機器には、画面上に赤外線センサーを設置し、操作画面の数㎝手間で指の動きを感知させることで、画面に直接触れることなく注文が行えるようにする。

リモート接客の利用風景
リモート接客の利用風景

 一方リモート接客は、エネオスカードやENEOSでんきの入会手続きを、SSスタッフに変わりリポートオペレーターが対応することで、店舗の省力化を図る。高度な説明が伴う商材についてもリモートオペレーターが説明を行う。

 また、採光式デジタルサイネージを店舗内入口付近の窓側に設置する。外の光を取り込み室内の明るさを保ちながら告知を展開。ポスターや看板などの廃棄物削減と交換作業の手間を省き、より効率的で効果的な告知を目指す。こうしたデジタル技術活用の有効性、操作性、耐久性、認知度合いなどを検証していく。

 

住友ベークライト 中国で半導体封止材増強、現有の1.5倍に

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2021年7月29日

 住友ベークライトは28日、半導体封止材の中国子会社SSBで、新規に設備を導入し生産能力を増強すると発表した。

中国子会社SSB外観
中国子会社SSB外観

 同社は半導体封止材「スミコンEME」において、世界で40%のトップシェアを誇り、中国市場でも、1997年より生産を開始している。ここ数年、中国市場の拡大や同社シェアアップに対応するため、既存ラインでの生産能力増強を進めてきた。

 こうした中、コロナ禍によるリモートワーク用周辺機器や家電用途の半導体需要の拡大に伴い、半導体封止材の需要もさらに拡大。既存設備での生産量アップでは対応できなくなることが予想されることから、現工場の建屋内に新規に生産ラインを導入し、生産能力を現在の1.5倍に拡大することを決定した。すでに当局の承認も得て着工しており、2021年内に設置を完了し、2022年初頭から生産を開始する計画。なお、投資金額は25億円を予定している。

 今回の能力増強により、当面の中国市場での半導体封止材の需要に対応は可能となるが、同社は将来的なさらなる需要増に対しても迅速に対応していく考えだ。

VECなど 「PVCアワード2021」製品募集始まる

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2021年7月28日

 塩ビ工業・環境協会(VEC)など4業界団体が主催する「PVCアワード2021」の製品募集が始まった。PVC(塩ビ素材)の特長を生かした魅力ある製品を公募し表彰するコンテストで、2年ぶりの開催となる。

魅力あるPVC製品を公募。2年ぶりの開催
魅力あるPVC製品を公募。2年ぶりの開催

 テーマは「生活を豊かにするPVC製品」。PVCのもつ優れた加工性や印刷性、耐久性、耐摩耗性、耐腐食性、リサイクル性などの特長を活用した上で、様々な機能性を付与し生活の利便性向上や環境配慮、リサイクル、安全、防災といった社会ニーズに応える新しい視点の製品を求めている。

 応募対象となるのは、発売開始5年以内の製品と、来年12月までに商品化を予定する製品。軟質・硬質全塩ビ製品から他材料との複合品を含め広く募集する。募集期間は9月30日まで。11月下旬の審査で、大賞(1点、副賞100万円)、優秀賞(3点以内、同各10万円)、特別賞(4点以内、同各5万円)、入賞(3~5点、同各2万円)を選出し、12月中旬に各賞が発表される。また来年1月21~30日には、「GOOD DESIGN Marunouchi」(東京都千代田区)で、受賞製品のほか応募製品の展示会が予定されている。詳細は公式ウェブサイト(http://www.pvc-award.com/)を参照。

キリンとローソン ペットボトル回収の取り組みを開始

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2021年7月28日

 キリンホールディングス、キリンビバレッジ、ローソンはこのほど、両社のインフラを活用した使用済みペットボトル容器回収の実証実験を、ローソン横浜新子安店で開始した。

プラスチックが循環し続ける社会

 この取り組みは、両社が目指す〝プラスチックが循環し続ける社会〟の実現に向け、ペットボトル再利用の循環促進を目的としたもの。日常生活のインフラを担うローソン店舗に、キリングループが独自開発した「ペットボトル減容回収機」を設置し、来店客に家庭で廃棄しているペットボトル容器の回収を促す。

 さらに、店舗で収集したペットボトルを、キリンビバレッジの子会社である東京キリンビバレッジサービスの自動販売機オペレーションルートを使って収集することで運搬の効率化を図り、その後リサイクル工場へ搬入する。来店客がペットボトルをリサイクルする利便性を向上させることで「ボトルtoボトル」の比率を引き上げていくとともに、容器回収ルートの効率化によるCO2などの環境負荷低減も目指す。

ペットボトル減容回収機

 また、回収したペットボトル5本につき、「Pontaポイント」1ポイントを付与し、「ペットボトル減容回収機」設置の認知やリサイクル促進につなげる。2021年内は横浜市内の数店舗で実証実験を行い、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法案」が施行される2022年内には、実証実験で得られた知見に基づいた取り組みを拡大していくことを目指す。

中国汎用樹脂輸入 5月も引き続き低調な荷動き

2021年7月28日

全品目がマイナス、米国PEはプラス基調を継続

 中国の5月の汎用樹脂輸入は、4月に引き続き低調な荷動きとなった。ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩ビ樹脂(PVC)、ポリスチレン(PS)、ABS樹脂は前年同月比でマイナスを継続し、EPSもマイナスに転じたことですべての品目が前年実績を下回っている。中でもPVCは世界的に市況が高騰していたこともあり、輸入量が前年の約4分の1にまで減少した。

 5月の輸入を樹脂別で見ると、

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