三菱ケミカル 高い成形加工性をもつCMC材料を開発

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2021年7月16日

 三菱ケミカルは15日、軽量性や剛性と成形加工性を兼ね備えた セラミックマトリックスコンポジット(CMC)材料を開発したと発表した。

CMC 材料を使用した部材の例
CMC 材料を使用した部材の例

 環境負荷低減のための軽量化が求められるモビリティ用途や、軽量化に加えて工程効率化への対応を求められる産業機械用途などでは、軽さと強度を兼ね備える炭素繊維関連部材の採用が進んでいる。一方、耐熱性が必要となる部材では、加工性やコスト面での課題から十分に普及しているとはいえず、主に比較的高価なセラミック材が使用されている状況にある。

 炭素繊維と金属材料を組み合わせた同社のCMC材料は、高剛性、高耐熱性、高熱伝導性、軽量性、耐摩耗性、低発塵性といった特長をもち、モビリティのブレーキ材料や産業機械部品として使用されてきた。今回の開発品は、これらCMC材料の特長を保持したまま、高い成形加工性と、それに伴う低コスト化を実現。すでに複数の顧客へのサンプルワークを進めており、今後は従来の用途に加え、産業機械などのブレーキ材料、耐熱部材といった新たな用途の開拓を目指す。

 同社は、多様化・高度化する顧客の要望に応える複数の炭素繊維関連の 新製品開発を進めており、今後も引き続き、最適なソリューションをタイムリーに提供することで、積極的に事業を展開していく。

CMC 物性比較
CMC 物性比較

出光興産 第30回出光音楽賞受賞者のガラコンサートを開催

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2021年7月15日

 出光興産はこのほど、昨年4月に発表した「第30回出光音楽賞」の受賞者について、受賞記念コンサート(ガラコンサート)を8月24日に開催すると発表した。

第30回出光音楽賞受賞者 左から佐藤晴真氏(チェロ)、服部百音氏(ヴァイオリン)、藤田真央氏 (ピアノ))
第30回出光音楽賞受賞者 左から佐藤晴真氏(チェロ)、服部百音氏(ヴァイオリン)、藤田真央氏(ピアノ)

「出光音楽賞」は同社主催の音楽賞で、主にクラシックの音楽活動を対象に、育成という観点から意欲、素質、将来性などに重きを置き、新進の音楽家を顕彰している。昨年度は、佐藤晴真氏(チェロ)、服部百音氏(ヴァイオリン)、藤田真央氏(ピアノ)の三名が受賞していたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、昨年度中は同コンサートの開催を見送っていた。

 今回、感染対策を行い、東京オペラシティコンサートホールで無観客にて開催する。なお、コンサートの模様は、テレビ朝日系列の「題名のない音楽界」(土曜朝10~10時半)で9月25日に放送される予定。

中国汎用樹脂輸入 4月は前年比では低調な動きに

2021年7月15日

EPSを除きマイナス、米国PEは全品目が増加

 中国の4月の汎用樹脂輸入は、2月の旧正月明けで数量が増加した3月に比べ、低調な動きとなった。EPSのみ前年同月比プラスとなったが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩ビ樹脂(PVC)、ポリスチレン(PS)、ABS樹脂は前年の水準を下回っている。中でもPVCは世界的な需給タイトによる市況の高騰が続いたことで、輸入量が大幅に減少した。

 4月の輸入を品目別で見ると、

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ダイセル こんにゃくセラミド、認知機能低下の抑制確認

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2021年7月15日

 ダイセルはこのほど、北海道大学と北海道情報大学との共同研究により、同社が開発した健康食品素材「こんにゃく由来グルコシルセラミド」の摂取がヒト脳内アミロイドβ蓄積を予防し、アルツハイマー病などによる認知機能の低下を抑制・維持できる可能性があることを確認したと発表した。なお、今回の研究成果は、7月に開催された「第75回日本栄養・食糧学会大会」で発表している。

こんにゃく由来セラミド

 アルツハイマー病などの認知機能低下を引き起こす進行性の疾患は、アミロイドβと呼ばれるタンパク質が脳細胞外に蓄積することが原因と言われる。これまでの研究では、同グルコシルセラミドをアルツハイマー病モデルマウスに経口投与することで、アミロイドβクリアランス効果を保持する神経由来エクソソームが増加し、脳内アミロイドβの蓄積が抑制されることが判明していた。

 そして今回、ヒトが経口摂取した場合での効果を検証するため、両大学との共同研究でプラセボ対照ランダム化二重盲検試験を実施。なお、研究に用いた同グルコシルセラミドは、皮膚の保湿・バリア機能を高める機能性食品素材として販売しており、板こんにゃくの製造時に廃棄される「飛び粉」から抽出製造するサステナブルな原料だ。

こんにゃく由来セラミド 血中アミロイドβバイオマーカー値の測定
こんにゃく由来セラミド 血中アミロイドβバイオマーカー値の測定

 グルコシルセラミドは、多くの植物に含まれているが、小麦胚芽や米ぬかなどに比べ、こんにゃく芋の飛び粉抽出物はセラミド含有量が高いことがわかっている。研究では、60~80歳未満の被験者20名(平均70.1歳)をプラセボ食品群10名と被験食品群10名に構成し、プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験を24週間にわたり実施。それぞれの群がプラセボ食品また同グルコシルセラミド5.4mgを含む被験食品を摂取し、0週、12週、24週に血中アミロイドβバイオマーカー値の測定を実施したところ、被験食品群において、0週目との比較で12週目に有意な低値を示した。さらに層別解析を行ったところ、アミロイドβバイオマーカー値が相対的に低めの集団では、摂取12週後、24週後に被験食品群の変化量がプラセボ食品群より有意に低値を示した。

 同社は今後、さらなるヒト介入試験を進め、認知機能分野における機能性素材の開発に取り組み、人々の健康長寿に役立つ製品を提供していく。

旭化成メディカル ウイルス除去フィルター、紡糸能力を倍増

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2021年7月15日

 旭化成メディカルは14日、ウイルス除去フィルター「プラノバ BioEX」の需要急増に対応し、供給体制を強化するため、プラノバ大分工場(大分県大分市)で同製品に使用する中空糸の生産能力を倍増すると発表した。2022年度第3四半期から商業生産の開始を予定している。

ウイルス除去フィルター「プラノバ」製品群
ウイルス除去フィルター「プラノバ」製品群

 同社は、バイオ医薬品や血漿分画製剤といった生物学的製剤の製薬プロセスにおけるウイルス除去フィルター「プラノバ」や、装置の製造・販売、バイオセーフティ試験受託サービスを中心としたバイオプロセス事業を成長エンジンの1つと位置づけている。

 1989年に、世界で初めて生物学的製剤からウイルスを除去するために開発されたセルロース製中空糸型フィルター「プラノバ」は、ウイルスろ過業界のリーダーとしての確固たるポジションを保有。2009年にはより高いタンパク質濃度領域においても高効率なろ過性能をもつ親水化ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製中空糸型ウイルス除去フィルター「プラノバ BioEX」を上市し、生物学的製剤の安全性向上に貢献してきた。

 新型コロナウイルスのパンデミック下において、製薬会社における抗コロナ製剤の開発および商業生産化へのニーズが急速に高まり、生物学的製剤の生産に必要なウイルス除去フィルターの需要も急増している。こうした状況を踏まえ、同社は「プラノバ BioEX」の紡糸工場を増強することを決定した。また、「プラノバ」の生産についても、2019年に宮崎県延岡市で竣工したプラノバ紡糸工場の垂直立ち上げをはじめとした、増員増産体制の強化施策が順調に進んでいる。

 同社は、今後も積極的に研究開発、設備投資を行い、革新的かつ信頼性に優れたバイオプロセス製品、装置および学術コンサルテーションを安定的に提供し、患者が安心して使用できる医薬品を、生物学的製剤メーカーが安全で効率的に製造することに貢献する。

東レ 低誘電損失PBTを開発、5G通信に貢献

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2021年7月14日

サンプルワーク開始、1年以内の量産化を目指す

低誘電損失PBT センサーケースモデル成形品

 東レは13日、PBT樹脂がもつ寸法安定性や成形加工性を維持しながら、高周波ミリ波帯での誘電損失を従来比約40%低減した高性能PBT樹脂を開発したと発表した。

 同開発品は、5G通信用基地局や自動運転に向けた車載高速伝送コネクタや通信モジュール、ミリ波レーダーなどの性能向上に大きく貢献する。今後、本格的にサンプルワークを開始し、5G通信用材料としての要求に応えるとともに、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転に代表される高度道路交通システム(ITS)分野の用途開発を進めていく。

 PBT樹脂は、

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ブラジル 10月の主要化学品輸出入実績

2021年7月14日

  ブラジルの10月の主要化学品の輸出は、低密度ポリエチレン(LDPE)が2万7882t(前年同月比30.1%減)、ポリプロピレン(PP)が2万1070t(同50.9%減)、次いで高密度ポリエチレン(HDPE)の

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三井化学 技術研修センターが日化協「RC大賞」受賞

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2021年7月14日

 三井化学はこのほど、同社の技術研修センターが日本化学工業協会の「レスポンシブル・ケア(RC)大賞」を受賞したと発表した。

(写真左から)技術研修センター総務・設備グループリーダーの鳥居英隆氏、常務執行役員生産・技術本部長の綱島宏氏、技術研修センター長の辰巳雅彦氏、技術研修センター研修企画グループリーダーの山本和己氏
(写真左から)技術研修センター総務・設備グループリーダーの鳥居英隆氏、常務執行役員生産・技術本部長の綱島宏氏、技術研修センター長の辰巳雅彦氏、技術研修センター研修企画グループリーダーの山本和己氏

 レスポンシブル・ケア活動は、化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄・リサイクルに至るまで全ての過程で、自主的に「環境・安全・健康」を確保し、活動の成果を公表することで社会との対話・コミュニケーションを行う活動。「レスポンシブル・ケア賞」は日化協がレスポンシブル・ケアのさらなる発展と拡大を図るため、優れた功績あるいは貢献が認められた事業所、工場、部門、グループまたは個人を「大賞、審査員特別賞、優秀賞」として毎年表彰している。

 今回の受賞は、三井化学技術研修センターが取り組んできた、教育資料・研修プログラムの充実、グローバル化への対応、コロナ禍でも活動を継続するための工夫などが評価された。同技術研修センターは、生産現場力の維持・強化を目的として2006年に開講。以来、現場運転員から学卒エンジニアや管理社員、グループ国内外関係会社の従業員へと研修対象を広げてきた。安全を中心に運転・設備に強い人材育成に努め、2015年からは社外にも研修を開放し、受講生は約1万人に及ぶ。コロナ禍の下、感染防止対策を徹底した研修に加え、疑似体験研修など教育の機会をより広く絶やさず提供することにも取り組んでいる。

花王 酒田工場でグループ最大の太陽光発電設備が稼働

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2021年7月14日

 花王はこのほど、酒田工場(山形県酒田市)が、同社グループ最大規模の2.8MWの自家消費型太陽光発電設備の運用を開始したと発表した。

酒田工場の生産棟に設置された太陽光発電設備
酒田工場の生産棟に設置された太陽光発電設備

 同社は脱炭素社会の実現に向け、2040年までにカーボンゼロ、2050年までにカーボンネガティブを目指しており、今回の太陽光発電設備の稼働はその一環となる。酒田工場に導入した太陽光発電設備は、パネル発電容量合計2845kwで、同社グループ最大のメガソーラー。年間約2350MWhの発電により約1300tのCO2排出量削減を見込む。

 また、酒田工場は、昨年4月から非化石証書を使用した電力調達により、購入電力のCO2排出をゼロ化しており(CO2排出量年間1万6000tの削減)、今回の太陽光発電設備の導入と合わせて、工場における使用電力の100%再生可能エネルギー化を達成している。

 同社グループは、今後も、花王らしいESG活動をグローバルに展開し、世界の人々の喜びと満足のある豊かな生活文化を実現するとともに、社会のサステナビリティへの貢献に取り組んでいく。