中国汎用樹脂輸入 3月は前年比で5品目がプラス

2021年6月23日

PVCのみがマイナス、米国PEは大幅な増加に

 中国の3月汎用樹脂輸入は、旧正月明けで需要が旺盛ということもあり、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS樹脂、EPSの5品目が2桁のプラスとなった。唯一、塩ビ樹脂(PVC)のみがマイナスとなったが、米国寒波で設備が停止したことによる世界的な需給タイト、それに伴う市況の高騰が影響したと思われる。

 3月の輸入を品目別で見ると、

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デンカ 新型コロナ変異検出試薬を販売、10種を同時検出

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2021年6月23日

 デンカはこのほど、東邦大学医学部と共同で検証実験を進めてきた新型コロナウイルスの変異遺伝子(部位)同時検出システムに使用する検出用研究試薬「IntelliPlex SARS-CoV-2 Variant Analysis Kit」の販売を測定機関向けに開始したと発表した。

新型コロナウイルスの変異部位検出用研究試薬
新型コロナウイルスの変異部位検出用研究試薬

 同試薬は、デンカが株式の33.4%をもち業務提携をしているプレックスバイオ(台湾・台北市)と共同で開発。理化学品としてプレックスバイオ社からすでに発売されている専用の反応用装置および検出用装置と組み合わせて使用される。高感度かつ同時多項目測定が可能なプレックスバイオ社のπコード法技術を導入することで測定の手間を軽減し、新型コロナウイルスの感染対策として検出の必要性が高まっているアルファ株、ベータ株、ガンマ株などの変異株に見られる計10種の変異部位を同時に検出することが可能になった。この同時検出システムは、理論上100種以上の変異部位まで対応可能であることから、新たな変異の発生や拡大に備え、両社は引き続き研究用試薬の開発を進めていく。

 デンカは新型コロナウイルス感染症への対策を社会的責務と捉え、関係官庁や公的機関、国内外の研究機関の協力と支援の下、様々な角度から感染症対策に貢献する取り組みを進めている。πコード法のもつ高感度検出・同時多項目測定という特長を最大限に活用し、疫学研究の発展を通じて世界の人々のQOL向上に貢献し、真に社会に必要され「社会にとってかけがえのない存在となる企業」を目指していく。

 

三井化学など3社 物流環境大賞「特別賞」を受賞

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2021年6月23日

 三井化学は22日、日本物流団体連合会が主催する「第22回物流環境大賞」について、旭化成、山九と合同で「特別賞」を受賞したと発表した。

定期内航コンテナ船
定期内航コンテナ船

 3社は千葉県と広島県・山口県間で行う樹脂の長距離輸送を、トラックを使う陸上輸送から、より環境負荷の少ない船舶を利用した海上輸送に切り替える「モーダルシフト」を開始。山九の定期内航コンテナ船と海上コンテナを活用し、往路は三井化学が、復路は旭化成がラウンドユース(往復利用)することで空荷状態の抑制に取り組んでいる。

 物流については、輸送時のCO2排出量削減や長距離トラックのドライバー不足解消が大きな課題となっている。今回の取り組みによりCO2排出量を4割削減し、ドライバーの拘束時間を8割削減した。さらに、サイドオープン型コンテナを採用することで、スロープの有無にかかわらず積み下ろし倉庫の選択が広がり、また、積み下ろし作業上の安全性と効率性が向上した。

 三井化学は「ホワイト物流」推進運動にも賛同するなど、物流面での取り組みを拡充させている。今後も、他の企業との協働を拡大し、物流環境変化に柔軟に対応できる強靭なサプライチェーンを追求していく考えだ。

 なお、物流環境大賞は2000年に創設。物流部門の環境保全推進や環境意識の向上などを図り、物流の健全な発展に貢献した団体・企業または個人を表彰している。

旭化成ホームプロダクツ フロッシュとコスメブランド、プロジェクト開始

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2021年6月22日

 旭化成ホームプロダクツはこのほど、同社のハウスケア商品「フロッシュ」とオーガニックコスメブランドの「ヴェレダ」とのブランドコラボレーション企画「#グリーンサークルプロジェクト」を「世界環境デー」(6月5日)に開始したと発表した。

フロッシュとヴェルダ コラボキャンペーン
フロッシュとヴェルダ コラボキャンペーン

 食器用洗剤や住居用洗剤などハウスケア商品を展開する「フロッシュ」とスキンケアやボディケア、ベビーケア商品を展開する「ヴェレダ」は、売られている場所も、手に取る目的も違う2つのブランドだが、共通点は、長い歴史の中で一貫して「環境・肌へのやさしさに配慮した商品づくりを行ってきた」こと。「この取り組みを、自然にやさしい行動や意識づけのきっかけにしたい」との思いから、合言葉「#グリーンサークル」に、今後、たくさん仲間を巻き込んだ取り組みへ成長させたいという気持ちを込めている。

 企画第1弾として、「SNSハッシュタグキャンペーン」(6月5日~8月5日)を開催。「フロッシュ」と「ヴェレダ」が環境配慮型商品であることを広く訴求するとともに、身近な自然を再確認してもらうことで自然保護を啓蒙する。インスタグラムやTwitterに、お気に入りの自然風景や、家庭内で育てている植物など、身近にある守りたい自然の写真を指定ハッシュタグと共に投稿すると、投稿数に応じた金額を共同で自然保護活動団体に寄付。また、投稿者の中から抽選で20人に両ブランドの製品詰め合わせをプレゼントする。詳細はコラボレーションサイト(https://www.weleda.jp/feature/weledaandfrosch)まで。

 

積水化学工業 抗ウイルス対応フィルター、空調システムを開発

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2021年6月22日

 積水化学工業はこのほど、抗ウイルス対応フィルターを採用した第一種換気・全室空調システム「快適エアリー T-SAS(ティーサス)」を新たに開発したと発表した。

「快適エアリーT-SAS」の空気の流れ(イメージ)
「快適エアリーT-SAS」の空気の流れ(イメージ)

 現在、長期化する感染症リスクに対し、日常的な感染予防やこまめな換気が継続して求められている。「快適エアリー T-SAS」はこの社会課題に対応するため、空調・換気・粉塵浄化の3つの機能をもつ従来の「快適エアリー」を進化させ、より安心で快適な室内環境の実現を図る。

 主な特長として、空調フィルターには、グループ製品の抗ウイルス加工剤「ウィルテイカー」を使用した「抗ウイルス対応フィルター」を新たに導入。室内に設けた空調システムの吸い込み口に設置することで、室内の空気循環の過程でフィルターに付着したウイルスの活動を抑制し、室内に持ち込まれたウイルの拡散抑制が期待できる。

 また、外気を取り入れる換気フィルターには、花粉やPM2.5などの微細粒子を99.97%捕集する「HEPAフィルター」を採用。換気フィルターと空調フィルターによる粉塵浄化機能と併せて、一般的な住宅と比べ約2倍の速さで室内の粉塵を浄化し、粉塵濃度ムラを10%に抑制することが可能だ。

 同社は今後、新築住宅の「快適エアリー」はすべて「快適エアリー T-SAS」へと進化させ、年間6200棟(採用率65%)を計画。また、すでに「快適エアリー」を利用しているユーザーにも対応できるよう、従来のフィルターと互換性のある仕様に開発しており、ストック事業にも積極的に展開していく。同社は、新築事業やまちづくり事業、ストック事業にも積極的に展開を図り、ニューノーマルな暮らしの充実と日常生活への不安軽減を目指す。

快適エアリー 粉塵浄化時間、粉塵濃度ムラの比較
快適エアリー 粉塵浄化時間、粉塵濃度ムラの比較

アジア石化市況 エチレン続落で1100ドル割れ

2021年6月22日

ベンゼンは軟化傾向、スチレンモノマーも小幅安

 アジア地域の5月第3週の石化市況では、エチレンは前週比60ドル安の1055ドル/tでの取引となった。誘導品需要が低迷したことで前週から調整局面となっていたが、原油・ナフサ価格が弱含んだこともあり、大幅な下落となっている。

 ナフサとのスプレッドも

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塩ビ樹脂 5月の国内は全用途が伸長しプラス、輸出は減少

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2021年6月21日

 塩ビ工業・環境協会(VEC)がこのほど発表した需給実績によると、5月の塩ビ樹脂(PVC)の国内出荷は前年同月比15.2%増の7万5700tと3カ月連続で伸長した。硬質用は2カ月ぶりに前年を上回り同10.2%増の3万9800t、軟質用は同14.4%増の1万7700t、電線・その他は同28.7%増の1万8200tといずれもプラスで推移した。ただ、前年の5月はコロナ禍により、国内出荷が7万tを割り込み大きく減少したことから、前年同月比では各項目が2桁増となったものの、前月との比較では硬質用を除きマイナスとなった。

 5月の動きを国内製品別生産出荷実績で見ると、

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ブラスケム 再生プラ評価試験設備を導入、高品質化図る

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2021年6月21日

 持続可能な開発と循環型経済に取り組むブラスケムはこのほど、トリウンフォ石油化学コンプレックス(ブラジル、リオグランデ・ド・スル州)内の研究施設・テクノロジー&イノベーションセンターに、再生樹脂の利用促進を目的とした新設備を導入し、7月から稼働を始めると発表した。投資額は15万レアル(約330万円)。

「リサイクルアイランド」で再生樹脂の高品質化を図る
「リサイクルアイランド」で再生樹脂の高品質化を図る

 「リサイクルアイランド」と呼ばれる同設備は、再生樹脂の性能評価試験と、市場ニーズを満たし、環境への影響を低減する持続可能で革新的な製品の開発を担う。同時にリサイクルチェーンとその市場の発展への貢献も果たしていく。同社は「リサイクルアイランド」での取り組みを、ブラジルの石油化学産業の先駆的なプロジェクトと位置づけており、そこでの成果を他の拠点にも展開していく考えだ。

 設備導入の背景には、より高品質な再生樹脂の開発に向け技術の向上を図るとともに、プラスチックのサプライチェーンでの再生樹脂の重要性を高めようとする同社の強い意思がある。市場での研究開発の支援のみならず、2025年までに年間30万t、さらには2030年までに年間100万tの再生樹脂と化学品をポートフォリオに加えるという、同社の持続可能性への目標を見据えたものだと言える。

 同社幹部は「プラスチックの持続可能で革新的なソリューションを開発するために、業界の一員としての役割を果たしていく。使用済みプラスチックの品質向上は、リサイクル製品の用途拡大に重要な要素であり、結果として循環型経済の強化につながっていく」と話す。

 ブラスケムは昨年、2050年までの循環型経済とカーボンニュートラル達成をコミットした。遡ること2018年には、2040年までにプラスチック製パッケージを100%再利用・リサイクル・回収していく方針を打ち出している。同社は廃プラや資源循環に向けた取り組みに、一層拍車をかけていく。

東レ CFRP製ソーラープレーン、JECアワード受賞

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2021年6月21日

 東レ・カーボンマジックはこのほど、「JECコネクト・エアロスペース部門」で、ソーラープレーンがイノベーション・アワードを受賞したと発表した。なお同賞は、グローバルで革新的なメディア・イベント企業であるJECグループが世界で最も革新的な複合材ソリューションを選出している。

JEC Innovation Award 受賞
JEC Innovation Award 受賞

 ソーラープレーン開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)委託事業の成果。その機体開発の取り組みの中で、東レ・カーボンマジックはスカパーJSAT、東海大学からの依頼を受け、高高度長期滞空性能を得るための超軽量・高剛性のフルコンポジット製機体(翼長16m)を設計・製作した。現フェーズは実証実験の第一段階だが、広範囲での情報収集、調査、観察を可能とし、通信・放送サービスの中継局や観測・監視システムなどへの利用など将来の社会実装に結びつく取り組みとなっている。

 

ソーラープレーン(中央) コンセプトEV「ItoP」(右) ソーラーカー(左)
ソーラープレーン(中央) コンセプトEV「ItoP」(右) ソーラーカー(左)

同賞の受賞は、昨年のEVコンセプトカー「ItoP」に続き2度目となるが、いずれもコンポジット技術が未来の社会に貢献できる可能性を示したことが評価され、受賞となった。また、デザイン部門では、シンガポール・ラッフルズホテルに設置された大型装飾照明CFRP構造体がファイナリストの3件に残ったが、惜しくもアワードの獲得には至らなかった。

 同社は、今後も創造的・革新的なものつくりで未来の社会に貢献できるよう様々なプロジェクトに積極的に取り組んでいく。

 

三井化学 足先を快適にする新素材、ヒールなどに採用

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2021年6月21日

 三井化学は18日、同社が開発したヒトの体温を感知して触れた体をやさしく包み込む新素材「HUMOFIT(ヒューモフィット)」が、クロシェ(兵庫県神戸市)の新レーベル「ファルファーレクラシカル」のヒールとパンプスに採用されたと発表した。

クロシェ製ヒールとパンプスに、足先をやさしく包み込む三井化学の新素材「ヒューモフィット」が採用
クロシェ製ヒールとパンプスに、足先をやさしく包み込む三井化学の新素材「ヒューモフィット」が採用

 同日にクロシェは、新商品の7cmハイヒールとフラットのパンプスの販売を、同社オンラインショップと一部店舗を通じて開始した。 採用箇所は、7cmハイヒールの中敷き・アッパー(足先)部分と、パンプスの中敷き部分。「ヒューモフィット」の特殊シートを使用することで、体温に反応して足に馴染む機能をもたせ、足の形にぴったりと合った履き心地を実現した。

 「ファルファーレ」の開発者でクロシェホールディングスの沼部美由紀代表は、「中敷きとアッパー材に『ヒューモフィット』を採用することで、履き心地が一層向上した。特に、アッパー材への使用は、足のサイド部が合わずに痛みを感じていた方の悩みを解消できると期待している」とコメント。検査機関のデータでは、足圧を分散させる効果も見られ、足への負担軽減、足先部分の履き心地を改善した画期的なハイヒールの出来栄えを高評価した。

足圧分布測定では、「ヒューモフィット」を採用したハイヒール(左)に足圧が分散される傾向が見られた(消費者科学研究所調べ)
足圧分布測定では、「ヒューモフィット」を採用したハイヒール(左)に足圧が分散される傾向が見られた(消費者科学研究所調べ)

 「ヒューモフィット」は、常温ではゴムのようにしなやか新素材で、曲げや折り、ひねり、伸ばしのあとでも緩やかに元の形状に戻る「形状記憶性」示すほか、加温すると柔らかく、冷やすと硬くなる「温度依存性」も併せもつ。ヒトとモノとの接点をもっとやさしく、「ヒトに寄り添う」発想をベースに、三井化学グループの素材力と加工技術力で開発した。そのユニークな特性は医療・介護、スポーツ、アパレルなど様々な用途で高く評価されている。

 同社は昨年春から、「ヒューモフィット」の市場開発を開始。クロシェからは同新素材を中敷きに採用した4cmヒールのパンプスを発売し、一時完売するなど好評を得ていた。