芳香族も弱含み、ベンゼンは前週比105ドル安に
アジア地域の3月第4週の石化市況で、オレフィン・芳香族とも底値が見えない展開が続いている。新型コロナウイルスの感染拡大により世界的に経済活動が低迷していることや、指標となる原油やナフサ市況が下落基調を強めていることが背景にある。
エチレンは、前週比で下値40ドル安、上値30ドル安の510~550ドル/tでの取引となった。ただスプレッドは、
2020年4月14日
2020年4月14日
三井化学と三井化学産資はこのほど、知床財団(北海道斜里町)が主催する知床自然教室の40周年を記念してツリーデッキを3基寄贈し、その組み立て作業の様子など活動内容を収録した4分18秒の動画を公開した(https://youtu.be/pH4oRBiTO24)。同取り組みは昨年の夏、同社グループが世界自然遺産応援プロジェクト第3弾の一環として行ったもの。
知床財団は、日本初のナショナルトラスト運動「しれとこ100平方メートル運動」発祥の地である世界遺産・知床の地で、環境教育や普及啓発、野生生物の保護管理・調査研究、森づくりなど、知床の大自然を「知り・守り・伝える」活動を行っている。
活動の1つとして、知床の大自然を次世代へ伝えるため、全国から集まった子どもたちを対象に、知床国立公園内の100平方メートル運動地で過ごす1週間の野外キャンプ「知床自然教室」を1980年から実施。第1回以来、のべ1900人以上の子どもたちが夏の知床の1週間を過ごしている。
今回、知床自然教室40周年を記念して、三井化学グループは自然教室の舞台である「ポンホロの森」にツリーデッキを3基寄贈した。自然教室に参加した子どもたちや自然教室卒業生、斜里町役場、知床財団などからの多くのボランティアとともに、昨年7~10月に製作し、仕上げには三井化学産資が提供する、木材保護塗料「ノンロット」の塗装を施した。
動画の中で、知床財団自然復元係の松林良太さんは「子どもたちに自分の目線だけではなく、高い所から見渡して海を見たり、木の葉を見たり、いろいろな風景を見てもらいたい」と思いを語り、大人の背丈の倍ほどの高さがあるツリーデッキの製作にあたった。アイデアスケッチを基に、子どもたちが自ら材料の木材を運び、釘を打ち、大人たちの手を借りながらツリーデッキをこしらえた。
なお、三井化学産資が提供した「ノンロット」は、木材本来の通気性(=調湿性)を最大限に生かしながら、風雨をしのぐ超撥水性や耐UV性、防腐・防カビ・防虫性を持つ安全性の高い塗料。木の呼吸を妨げず、心地よい木の香りが感じられることから、多くの建築家・設計士、施主から選ばれている。今回のプロジェクトでは、木材保護のためツリーデッキに塗装された。
2020年4月14日
三井化学は13日、100%子会社で無機系化学品の製造・販売などを手掛ける三井化学ファインが、次亜塩素酸ナトリウムと圧縮タオルを同梱した「FASTAIDウイルス・スウィーパータオル200」を4月から販売開始すると発表した。まずは、九州地区の衛生資材が不足している介護施設や公共施設などに業務用として提供を始める。
同製品は、通常1~2週間で分解して機能が失活する次亜塩素酸ナトリウムを安定した状態でパッケージしたもの。次亜塩素酸ナトリウムはあらかじめ200ppmに希釈されており、現場での調合は不要。使用したいときにパッケージを押すと、次亜塩素酸ナトリウムが圧縮タオルに浸透し、除菌タオルが完成する。
必要な時にその場で瞬時に次亜塩素酸ナトリウムを使用できることから、災害時のみに留まらず病院や介護施設、ホテル、乗り物内など様々な使用場面が想定されている。
同製品は、三井化学ファインがNPO法人のジャパン・プラットフォームやCWS Japan、また、三井化学などと共に進めている災害支援イノベーション共創イニシアチブ「More Impact(モア・インパクト)」から生まれたコンセプトで、三井・ダウ ポリケミカルのロック&ピール技術を活用して同梱した災害支援イノベーション製品。
ロック&ピール樹脂は、パッケージを製造する際のヒートシール温度を変えるだけで、完全シールとイージーピールの異なる機能を使い分けることが可能な新素材。食品や化粧品の2室分離袋のパッケージとして採用が広がっている。
なお、同製品の売上の一部は、ジャパン・プラットフォームの基金に寄付され、災害被害を減らすモア・インパクトの活動に活用されるエシカル・プログラム製品になっている。三井化学グループは今後も、健康安心な長寿社会の実現に向けた技術開発、製品開発を進めていく考えだ。
2020年4月14日
三菱ケミカルは13日、同社が開発したモスアイ型反射防止フィルム「モスマイト」が、カシオ計算機が今月24日に発売する耐衝撃ウオッチ「G‐SHOCK GBD‐H1000」に採用されたと発表した。
太陽光発電素子と液晶モジュールにモスマイトを貼合することで光の反射を抑制し、ディスプレイの高精細化・高コントラスト化を実現している。
同社が開発した「モスマイト」は、蛾の眼(モスアイ)が持つ微細な突起構造を模倣した反射防止フィルム。「モスマイト」の表面には高さ200㎚の突起が100㎚の間隔でフィルム上に並んでいる。この突起の幅が可視光線の波長よりも狭いことで、光の屈折率の変化が緩やかになり、光の反射を抑制する。
一般的なガラスやプラスチックの表面は光の反射率が通常4~5%程度あるが、それらの表面に「モスマイト」を貼付すると反射率を0.1~0.3%にまで抑えることができる。その優れた光透過性から、これまでに車載ディスプレイや医療用モニター、サイネージ、額装などに幅広い分野に採用された実績があり、今後も用途が拡大することが見込まれている。
三菱ケミカルは、引き続き同製品の新たな用途開発・市場開拓に向けて、国内のみならず、グローバルに事業を展開させ、さらなる拡販に努めていく考えだ。
2020年4月13日
高い耐熱性と耐久性、ヒマシ油原料で環境貢献
ドイツの総合化学会社であるBASFは、エンジニアリングプラスチックの中では、ポリアミド(PA)樹脂「Ultramid(ウルトラミッド)」に注力している。
PA6、PA66、PA66/6といった、さまざまなコポリマーからなる製品群に加え、PA610やPA6T/6のような特殊ポリアミドも取り揃える。また非強化材だけでなく、ガラス繊維やミネラルによる強化材、さらに特種用途向けに長繊維ガラス強化材などのラインアップがある。
特徴として、機械強度や剛性、耐熱安定性に優れ、また低温下での耐衝撃性や摺動特性、成形性を発揮する特性を備えていることから、幅広い工業分野で多様な構成部品や機械部品、高品質な電気絶縁材料、特殊部品などに、欠かせない存在として評価が高い。
中でもPA610「ウルトラミッドバランス」は、ガラス繊維を30%含有していることで、より長期にわたる耐熱性に加え、安定剤とポリマー技術により耐薬品性を持っている。他のPAに比べても吸湿性が低く、湿度の高い環境下でも寸法安定性の維持が期待できる。
この革新的素材「ウルトラミッドバランス」を使用し、スポーツ用品と自動車部品のグローバルサプライヤーであるモルテン(広島市)が製造する「リアバンパーステー」が、マツダの新型車「MAZDA3」と「CX‐30」に採用されている。
リアバンパーステーは、自動車の車体下部を保護するための部品。冬季に路上で使用される融雪剤や凍結防止剤に含まれる塩化カルシウム、またサイレンサーによる高熱にさらされるため、ポリプロピレン(PP)や一般的なPAなど従来の素材で作られた部品では、時間の経過とともに劣化や変形が発生してしまう。
それに対し、「ウルトラミッドバランス」を使用することで、高い耐熱性のほか、オイルやさまざまな溶剤、アルカリ水溶液などに対する高い耐久性をリアバンパーステーに持たせることが可能となった。
また、PA610は、トウゴマ(植物)から抽出したヒマシ油を精製して作られるセバシン酸が原料。昨今、プラスチックにも環境貢献が求められているが、こうした顧客の要望に応えられることも大きな特徴だ。
BASFジャパンパフォーマンスマテリアルズ事業部の山本勇執行役員は、「顧客にとって付加価値のあるソリューションを提供するために、われわれの専門性を最大限に生かすことに注力している。今後も顧客と協力し、進化するニーズに対応していく」と述べている。
2020年4月13日
2020年4月10日
全てのステークホルダーと共に新たな価値を創造
ポリオレフィン大手メーカーのプライムポリマーは、2030年度までの長期ビジョンをゴールに設定、差別化ポリオレフィン(PO)のリーディングカンパニーと、働きがいのある会社を追求していく方針だ。
同社は2005年の創立当時から企業理念「Prime Solution Partner」を掲げ、単なる供給者ではなくパートナーとして顧客との一体化を目指してきた。今回、新たに企業理念「私たちは、すべてのステークホルダーと共に新たな価値を創造し、社会の信頼と期待に応えます」、および行動指針「挑戦・調和・誠実」を1つにまとめたステートメント「Your Prime Solution Partner」を発表。
藤本健介社長は「皆さんと共に、新しい価値を創造しながら、社会の信頼と期待に応えていく」、という思いを込め
2020年4月10日
2020年4月10日
JXTGホールディングスはこのほど、投資子会社であるJXTGイノベーションパートナーズを通じ、農作物の自動収穫ロボット開発に取り組むAGRIST(宮崎県児湯郡新富町)へ出資し協業を開始すると発表した。
JXTGは、低炭素・循環型社会への貢献に向けた新たな事業領域の開拓の1つとして、昨年度より営農型発電事業を通じた再生可能エネルギーの普及に取り組んでいる。
一方、AGRISTは、農作物収穫ロボットの開発により、農業従事者の高齢化や人手不足に伴う地方の衰退といった問題解決に取り組むスタートアップ企業。
今回の協業を通じ、JXTGが取り組んでいる営農型太陽光発電と自動収穫ロボットの技術を掛け合わせることで、農作業の自動化を実現し、再生可能エネルギーの普及と農業課題解決を両立させるモデルの構築を目指す。今後は両社共同で実行計画を策定し、今夏をめどに設備の開発・実証を行っていく。
JXTGは、発電と農業を掛け合わせることで双方の課題を解決することにより、「2040年JXTGグループ長期ビジョン」にありたい姿の1つとして掲げる低炭素・循環型社会への貢献に向け積極的に取り組んでいく考えだ。
2020年4月10日
積水化成品工業はこのほど、高耐熱軽量発泡体「ST‐Eleveat」の植物由来グレードを開発したと発表した。環境保全に配慮した製品を求める市場状況から、同シリーズに植物由来の素材を適用した「ST‐Eleveat BIO」を開発。石油由来の原料を再生可能な植物由来資源に置き換え、発泡化技術を駆使することで新たなグレードを確立することに成功した。
「ST‐Eleveat BIO」は、植物由来原料を用いているため、カーボンニュートラルでCO2を増やさない環境負荷の小さい製品であると同時に、従来品からの①耐熱性=180℃×168時間の条件下の寸法収縮率は1%以下②難燃性=UL94規格の燃焼性試験で「V‐2」に適合③軽量性=非発泡樹脂成形品と比べ80~90%の軽量化が可能④省資源=ベース樹脂を5~10倍に発泡する資源の環境対応製品―といった特長を備える。
「ST‐Eleveat」は、エンジニアリングプラスチック、およびスーパーエンジニアリングプラスチックを主原料とする発泡体で、特に高温環境下での使用に適している。近年、省エネやCO2排出量低減の観点から、自動車や輸送分野では構造部材の樹脂化やCFRPの活用などによる軽量化が進んでいるが、従来品では難しかったエンジンルーム内などの高温となる部位でも使用できる高耐熱、高強度な軽量構造部材を実現するために開発した。
積水化成品グループは、「環境リーディングカンパニー」を目指し、従来から注力している3R活動(Reduce、Reuse、Recycle)に加え、2R(Replace、Re‐create)を含んだ「SKG‐5R」活動を推進。開発品は、この中の「Replace」活動での開発の1つであり、素材を石油由来から持続可能な植物由来に置き換えた一例となった。
今後は、さらに植物由来原料の配合を増やし、環境にやさしい製品の開発を積極的に行っていく考えだ。