可塑剤工業会がこのほど発表した需給実績によると、5月のフタル酸系可塑剤の国内出荷は、前年同月比36.0%減の1万700tとなり、8カ月連続でマイナスとなった。
品目別では、DOPは
2020年7月1日
2020年7月1日
帝人フロンティアは30日、植物由来成分を使用した原料と、使用済みポリエステル繊維などをケミカルリサイクル(CR)により再生した原料を基に、「SOLOTEX ECO‐Hybrid(ソロテックス エコ ハイブリッド)」を開発したと発表した。
環境に優しいだけでなく、ストレッチ性を持つのが特長。サイド・バイ・サイド型複合繊維と呼ばれる、熱収縮性の違う2種類のポリマーを貼り合わせて糸にし、コイル状のクリンプ構造を発現させることでストレッチ性を付与した繊維。2020年秋冬シーズンから、原糸・テキスタイルをファッション衣料やスポーツ衣料、学生服・ユニフォームなど幅広い用途へ展開し、今年度に5億円、2022年度に15億円の販売を目指す。
近年、衣料用素材に対し、ストレッチやソフトな風合いなどの快適性とともに、環境配慮型素材へのニーズが高まっている。こうした中、原料の約40%が植物由来で、ストレッチ性などを持つポリトリメチレンテレフタレート(PTT)と、通常のポリエチレンテレフタレート(PET)を貼り合わせたサイド・バイ・サイド型複合繊維「ソロテックス」の需要は拡大。同社では、PETの部分をリサイクル原料に置き換えることにより、全ての原料を環境配慮型とした新しい「ソロテックス」の開発を進めてきた。しかし、その課題は、PTTとリサイクルPETのサイド・バイ・サイド型複合繊維には、クリンプ構造にばらつきがあることだった。
そこで、同社がこれまで培ってきたポリマーを適正に貼り合わせる技術の向上を図り、植物由来原料を使用したPTTと、CR原料を使用したPETを貼り合わせた「ソロテックス エコ ハイブリッド」の開発に成功した。他の特長として、33~330デシテックスという幅広い繊度や、様々に加工された原糸に対応できるほか、ソフトな風合いを持ち、石油由来の原料と同等のストレッチ性や染色加工性といった素材特性を備える。
2020年6月30日
2020年6月30日
日立化成はこのほど、再生医療等製品に特化した製法開発・受託製造施設「横浜サイト」(横浜市)が、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」に基づく再生医療等製品の製造業許可を取得した。
再生医療はけがや病気で損傷した組織・臓器および免疫の機能を回復させるため、体外培養した細胞などを体内に移植する治療法で、がん免疫療法や体性幹細胞、iPS細胞などを用いた治療法がある。近年、がん免疫療法や体性幹細胞を用いた治療法の臨床応用例が急増し、再生医療市場の急速な立ち上がりが期待されている。
同社は、2017年に米国の再生医療等製品の受託製造大手PCT(現Hitachi Chemical Advanced Therapeutics Solutions)を完全子会社化。そこで得た製法開発と製造に関する技術と運営ノウハウを取り入れ、再生医療等製品の製法開発・受託製造サービスを提供する横浜サイトを新設した。
また昨年、ドイツに製造拠点を持ち、欧州や米国の製薬企業向けに再生医療等製品の受託製造を行うアプセスバイオファーマを完全子会社化。これにより日立化成グループは、米国3カ所、日本と欧州に各1カ所、計5カ所の製造拠点を中心に、再生医療等製品の受託製造事業をグローバルに展開している。
同社は再生医療等製品の製造業許可を得たことにより、今後、薬機法に基づく再生医療等製品の治験薬・医薬品製造を通して再生医療の発展に努めるとともに、将来の量産体制に向けた製造技術を確立し、患者のQOL向上に貢献していく考えだ。
2020年6月30日
昭和電工は、同社グループや協力企業各社の従業員によるアルミ缶リサイクル活動を継続して実施しており、2019年度(2019年4月~2020年3月)は約443万缶、一缶15.3グラム換算で計約67.8tのアルミ缶を回収した。
昭和電工グループのアルミ缶リサイクル活動は、子会社の昭和アルミニウム缶が1972年に開始し、2001年よりグループ全体に発展させた。従業員への広報・啓発活動のほか、回収量や参加率に応じ事業場や個人を表彰する社内表彰制度を設け、活動の活性化に努めている。昨年度の活動への参加人数は8057人、国内グループ従業員の活動への参加率は97.6%となった。回収されたアルミ缶は、同社グループが買い取り、昭和アルミニウムなどで飲料用アルミニウム缶の原料として使用される。
アルミ缶リサイクルは資源を有効活用できるだけでなく、アルミ製造時の電力消費量を原料のボーキサイトから生産する場合に比べて約97%削減することが可能。また、この活動の収益金の一部は、地域の社会福祉協議会や福祉施設、障害者サークルなど様々な施設や団体へ寄付され、同社グループの社会貢献活動として定着している。
同社グループは、事業活動を通じたSDGs課題解決への貢献を目指し、アルミ缶リサイクル活動のほか、使用済みプラスチックのアンモニア原料化や、鉄スクラップの再資源化に必須な黒鉛電極の製造など、資源循環型社会を支える事業を積極的に推進している。今後も製品・サービスの提供を通じ、豊かさと持続性が調和する社会の創造に貢献していく方針だ。
2020年6月29日
航空機需要が減少、成長ドライバーで挽回目指す
東レは、世界シェアの約半分を占める炭素繊維複合材料事業において、コロナ禍の影響により事業環境は厳しい状況にある。今年度からスタートした新中期経営課題では成長ドライバーに注力し、最終年度には事業利益240億円を狙う方針だ。
先日開催された事業説明会の中で、複合材料事業の吉永稔副本部長は、「当面は、コロナ問題により航空機需要減の影響が大きいと見ているが、中長期では炭素繊維複合材料事業への期待は大きく変わらない。積極的な戦力投入による成長ドライバー事業の拡大とコスト競争力強化に加え、他用途への拡販で挽回する」と語った。
新中計では、同事業の基本的な立ち位置を再確認し、長期経営ビジョンを実現するための課題を設定。事業環境は、「今後実現が期待される新モビリティ革命や新エネルギー拡大に新しい事業機会が期待できる。また環境型社会や、気候変動抑制といった社会ニーズへの対応も事業機会をもたらす」との見方を示した。また今後10年間の需要については、「コロナ影響で短期変動はあるが、
2020年6月29日
BASFはこのほど、中国・レッド・アベニュー・ニュー・マテリアルズ・グループに、生分解性脂肪族―芳香族コポリエステル(PBAT)について、BASFの生産技術を用いて生産・販売するライセンスを供与した。
レッド・アベニュー・ニュー・マテリアルズ・グループは年産6万tのPBAT工場を上海に建設。2022年に稼働する予定で、BASFの生分解性樹脂「ecoflex(エコフレックス)」向けなどポリマー市場に供給を開始する。バイオプラスチック(生分解性プラ+バイオマスプラ)の世界市場は、年率15%の成長が見込まれている。多くの国で新たな法律や規制が施行され、堆肥化可能な素材が包装材や農業用マルチフィルム、袋などに使用されることで、積極的な市場展開が続くと予測されている。
BASFのグローバル・ビジネス・ユニット、スペシャルティ・ポリマーズ責任者のオリビエ・ウブリッヒ氏は、「当社の『エコフレックス』と革新的素材の生分解性コンパウンド樹脂『ecovio(エコバイオ)』は、この成長市場ですでに大きな役割を果たしている。PBATの増産により、当社の市場での立場がさらに強化される」と述べている。
「エコバイオ」は「エコフレックス」をコンパウンド材料として配合した生分解性コンパウンド樹脂。一部が植物由来の生分解性樹脂であり、有機性廃棄物袋、ラップフィルム、青果用袋、農業用マルチフィルム、食品包装など、幅広い用途での使用が可能。食品廃棄物の回収だけでなく、農作物の生産性向上、包装・貯蔵時の優位性も認められている。食品廃棄物が減少し、栄養分が大量の堆肥として土壌に還元され、土壌中のプラ蓄積が回避されることにより、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を実現する。
2020年6月29日
環境省は7月1日から実施されるレジ袋有料化を前に、「みんなで減らそうレジ袋チャレンジ」キャンペーンを、25日に立ち上げた。
同日に開催した発足式の中で、小泉進次郎環境大臣は「地球規模で様々な課題があるが、その1つがプラスチック問題だ。この課題に対し、レジ袋から様々な気づきを持ってもらいたい、そんな思いからキャンペーンを始めた」と説明。
専用ウェブサイトやテレビCMなどを通じ、マイバッグの利用促進や、個人・事業者・団体の様々な環境保護への取り組みを紹介することにより、今年3月時点で3割程度のレジ袋辞退率を、年末には6割まで高めることを目標にしている。
テレビCMに声と似顔絵キャラクターで出演しているのは、「環境省プラごみゼロアンバサダー」に任命された、タレントの西川きよし師匠、さかなクン、トラウデン直美さんの3氏。発足式では各氏が普段実際に使っているマイバッグを持ち寄り、レジ袋の辞退や環境保護へのエピソードを披露した。
ちなみに、西川きよし師匠のマイバッグは、自身の座右の銘「小さなことからコツコツと」が染め抜かれたオリジナル手拭いでこしらえたもの。3氏はアンバサダーとして、今後もそれぞれの活動分野で「レジ袋ゼロ」「プラごみゼロ」を訴求していく。
「ドラッグストアのレジ袋使用量は年間約33億枚」と、小泉環境大臣が示した枚数は、平積みにすると富士山18個分の高さになるという。目標達成には、個人のみならず、事業者や団体の取り組みもカギとなりそうだ。
なお、専用ウェブサイト(http://plastics-smart.env.go.jp/rejibukuro-challenge/)では、消費者向けのチャレンジャーの募集を開始。事業者・団体向けのサポーターの募集もまもなく開始され、都道府県ごとの登録状況やユニークな取り組み事例を紹介していく。
2020年6月29日
2020年6月29日
帝人は26日、同社グループで欧州の炭素繊維事業会社である独・テイジン・カーボン・ヨーロッパ(TCE)が、欧州市場の需要拡大に対応するため、炭素繊維「テナックス」ショートファイバーの生産能力を40%増強したと発表した。すでに稼働を開始している。
欧州の電子機器、医療機器市場では、軽量化や耐衝撃性の向上を目的に炭素繊維を使用したコンパウンド製品へのニーズが高い。中でも新型コロナウイルス感染症拡大の影響からレントゲン機器や人工呼吸器などの用途で需要が高まっている。
「テナックス」は、高強度、高剛性、高い熱変形性などの特長に加え、軽量化が可能な炭素繊維。高品質のコンパウンド製品が電子機器や医療機器などに使用されており、熱可塑性および熱硬化性樹脂を用いた幅広い製品ラインアップでショートファイバーを展開している。こうした中、TCEは欧州の顧客対応力を強化し、多様なニーズに幅広く対応していくため、ドイツでのショートファイバー生産を増強した。
帝人グループは今後、炭素繊維製品の開発をさらに強化し、革新的な高性能材料とソリューションを提供することで、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指していく。