プラ工連1月実績 生産は減少継続、原材料輸出は堅調

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2020年3月25日

 日本プラスチック工業連盟がこのほど発表したプラスチック原材料・製品の生産・輸出入状況によると、確報となる昨年12月のプラスチック原材料生産は、前年同月比5%減の91万2000tと6カ月連続で減少した。1月の速報でも前年を同9%下回っており、マイナス基調が継続している。

 1月の主要品目では、ポリエチレンは

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三井化学 メルトブローン不織布強化、増設で1.5倍に

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2020年3月25日

 三井化学は24日、100%子会社のサンレックス工業(三重県四日市市)で行っていた、メルトブローン不織布「シンテックスMB」製造設備の増設が完了し、今年1月に営業運転を開始したと発表した。

不織布製造設備を増設したサンレックス工業の外観
不織布製造設備を増設したサンレックス工業の外観

 三井化学は、産業材向け不織布需要の拡大に対応するためにラインの増設を決め、2018年8月に着工、昨年6月に完工した。1ラインの増設により、同製品の生産能力は1.5倍に拡大した。

 同社は、不織布事業を成長分野と位置づけ、自動車用シート「タフネル」、マスク・農業用シート「シンテックス」などの産業材向けに高品質な不織布を供給している。特に、メルトブローン不織布でピーク繊維径が数百ナノメートルの極細繊維銘柄「nano」では、フィルター用途を中心に製品展開を行う。

メルトブローン不織布
メルトブローン不織布

 今回の増設を機に、不織布事業のさらなる強化・拡大を図っていく考えだ。

宇部興産 豊田通商の北米コンパウンドメーカーを買収

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2020年3月25日

 宇部興産はこのほど、豊田通商の連結子会社で、米国でコンパウンドの受託加工を行っているプレミアム・コンポジット・テクノロジー・ノースアメリカ(PCTNA社)の買収を決定したと発表した。4月1日をめどに宇部興産がPCTNA社の株式100%を豊田通商から譲り受け、新体制で事業を開始する予定だ。

PCTNA社の工場
PCTNA社の工場

 PCTNA社は、豊田通商グループ企業として2009年に設立。米国で主にナイロン以外の樹脂を原料とするプラスチックコンパウンド受託加工事業を行っている。日系自動車メーカー向け品質管理体制を整備しており、設立以来、同業界向けに長年の供給実績を持ち、その品質は高い信頼を得ている。

 宇部興産は、現中期経営計画の中でナイロン6事業を積極拡大事業と位置づけ、市場優位性を持つ押出用途のさらなる強化と、射出用途の事業領域の拡大を推進。昨年3月には、欧州子会社ウベコーポレーションヨーロッパ(スペイン・バレンシア州)がスペインのプラスチックコンパウンド製造・販売会社を買収し、射出・コンパウンド事業の海外拠点を拡充した。

 今回の買収により、従来の日本・タイ・スペインの製造拠点に加え、新たに北米で自社コンパウンド製造拠点を獲得。日本・アジア・欧州・北米の4極体制の確立により、自動車メーカー(OEM)・自動車部品メーカー(ティア1)へのグローバルな供給が可能となる。

  自動車分野で世界有数の市場でもある北米には、多くの日系OEM/ティア1が進出し、製造だけでなく開発業務も行うなど、現地化を加速化させている。宇部興産はPCTNA社を通じ、現地調達材提供を軸に、新たな価値を市場と顧客に提供する。

 また、宇部興産は、PCTNA社の持つ樹脂コンパウンドに関する技術・ノウハウも獲得。市場のニーズに応じた最適な樹脂種の提案、組み合わせが可能となり、宇部興産グループの製品開発、市場開発に大きく寄与することが期待される。

 宇部興産は、コンパウンド受託加工を新たな成長の機会と捉え、内製コンパウンドとのシナジーを通じ事業を展開することで、射出・コンパウンド市場での地位をより強固なものにしていく考えだ。

住友化学 環境負荷低減の技術開発、研究グループを新設

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2020年3月25日

 住友化学は24日、サステナブルな社会の実現に貢献するため、石油化学品研究所(千葉県袖ケ浦市)に、「研究グループ(環境負荷低減技術開発)」を4月1日付で新設すると発表した。

石油化学品研究所
石油化学品研究所

 同グループは、同社が石油化学品事業などで培ってきた触媒や化学プロセスの設計といったコア技術を活用し、炭素循環や温室効果ガス排出削減に関する環境負荷低減の技術開発に取り組む。

 現在、複数の研究所に分散しているテーマを石油化学品研究所に集約。研究者を約30名体制に強化することで、飛躍的に開発を加速させるとともに新規テーマにも注力する。また、優れた技術を持つ企業やアカデミアなどと積極的に連携し、環境負荷低減技術を石油化学部門の新機軸とし活動を進める考えだ。

 新グループでの開発テーマ例として、ごみ由来のエタノールを原料にしたポリオレフィンの製造技術、廃プラのケミカルリサイクル技術、CO2を用いた化学品製造技術、化学製造プロセスへの省エネ技術導入、省エネ排水処理システムの開発などを挙げている。

 同社は、経営として取り組む最重要課題(マテリアリティ)の1つに環境負荷低減への貢献を掲げている。引き続き、炭素循環技術や温室効果ガス排出削減技術など、社会課題に対するソリューションの早期創出を目指していく方針だ。

ヘンケルジャパン 瞬間接着剤の高精度塗布機を発売

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2020年3月24日

 ドイツの化学・消費財メーカー、ヘンケルの日本法人ヘンケルジャパンは、瞬間接着剤の塗布に最適な高精度塗布機「LOCTITE(ロックタイト)PU20ペリスタルテックディスペンサー」を発売した。

LOCTITE PU20 ペリスタルテックディスペンサー
LOCTITE PU20 ペリスタルテックディスペンサー

 従来品の「ロックタイト・ペリスタルテックポンプ」をリニューアルした新製品は、ロックタイト瞬間接着剤や嫌気性接着剤、UV硬化接着剤を高精度に塗布するディスペンサー。一定塗布や繰り返しの定量塗布が行えることから、作業者の熟練度に関わらず均一な塗布が可能になる。

 主な改良点は、塗布方法を最大30まで記憶できるようなり、作業効率を向上させたほか、操作パネルをスイッチにすることで汚れをふき取りやすくし、メンテナンス時間の短縮を図った。

 また、従来品に比べ低価格に設定した。髪ゴムの接着、アルミフランジとシリコーンゴムの接着、プラスチックねじの接着、嫌気性ねじゆるみ止め接着剤の小ねじへの塗布など、精度が求められるさまざまな接着作業に対応する。

作業者の熟練度に関わらず均一な塗布が可能
作業者の熟練度に関わらず均一な塗布が可能

 ほかにも、5000mPa・s以下の低粘度接着剤の連続塗布が行える、黒色チューブが付属するため光硬化性接着剤にも使用できる、外部接続コネクターを使いロボットと組み合わせて自動塗布も可能、など多くの特長を併せ持つ。エアーは不要。重量は3.5㎏(本体:2.2㎏)。

アジア石化市況 エチレン下げ一服で前週並みに

2020年3月24日

ベンゼンとキシレン反発、SMは800ドル台回復

 アジア地域の3月第1週の石化市況では、エチレンは前週並みの680~700ドル/tでの取引となった。2月の1カ月間で100ドルほど急落していたが、ここに来て下げが一服した。新型コロナウイルスの感染が世界に拡大していることを背景に石化需要は悪化しているものの、アジアでは減産を計画しているメーカーもあり需要家が様子見となった。

 スプレッドは、ナフサが下落したことで

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石化協 2月のMMAモノマー国内出荷は20%増に

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2020年3月23日

 石油化学工業協会が19日に発表した2月のMMA(メタクリル酸メチル)の需給実績によると、モノマーの国内出荷は前年同月比20%増の1万2524t。ポリマーの国内出荷は、押出板・注型板向けが同20%減の1784t、成形材料向けは同13%減の4534tだった。

 輸出はモノマーが同23%減の6198t、ポリマーの押出板・注型板向けは同10%減の106t、成形材料向けは同10%増の2982tとなった。

石化協 MMAの2月需給

汎用四樹脂 2月の国内出荷はすべて前年比マイナスに

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2020年3月23日

 業界筋によると、2月の汎用四樹脂の国内出荷は、すべての樹脂で前年比マイナスとなった。ポリエチレンはフィルム分野の出荷減少が続いており、特に高密度ポリエチレン(HDPE)ではフィルム用途以外のパイプ用途などでの減少も見られ、低密度ポリエチレン(LDPE)、HDともマイナスだった。

 また、ポリプロピレン(PP)は、射出成形分野のほか、繊維分野での出荷が減少。ポリスチレン(PS)は電気工業用、包装分野での出荷減少が響きマイナスとなった。

 一方、前月比は、PPとPSがプラスに転じたほか、LDは前月並み、HDのみがマイナスだった。前月は年始休暇に伴う影響やオレフィン供給ネックもあり、四樹脂で軒並み出荷が減少していたが、2月は原料供給の面でも落ち着きを見せたことが背景にある。

 2月の出荷合計を品目別に見ると、

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帝人 熱可塑性炭素繊維複合材がパナソニック製ビデオに採用

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2020年3月23日

 帝人は19日、熱可塑性炭素繊維複合材料(CFRTP)製品である「Sereebo(セリーボ)」が、パナソニックのデジタル4Kビデオカメラ新製品「HC‐X2000」と「HC‐X1500」に採用されたと発表した。

「HC‐X2000」
「HC‐X2000」

 両新製品とも、テレビ放映向けなどプロフェッショナルな現場での映像撮影も可能な「4K60p・10bit」に対応したビデオカメラであり、「HC‐X2000」については、従来の機種と比較し約40%の小型化、約15%の軽量化と、連続撮影時間約4時間35分を実現し、ビデオカメラとしての機動性も持っている。

 一方、「Sereebo」は、製造タクトタイムを大幅に短縮したことで、電気製品や自動車などの部品の量産を可能にした革新的なCFRTP製品。その中でも、今回採用されたのは、帝人のポリカーボネート樹脂「パンライト」をマトリックスとした射出成形向けのもので、ハンドルユニットおよびトップカバー部分に使用されている。

 従来、カメラの筐体やボディの軽量化と強度を両立させるために、チョップドファイバーと呼ばれる炭素繊維が使用されるが、これは繊維長が短いことにより強度特性の担保が課題。

 それに対して「Sereebo」は、帝人独自の樹脂組成技術により、軽量化と高い強度特性の両立のみならず、優れた難燃性も実現する。また、独自の樹脂加工技術により、表面に炭素繊維が浮き出ることがなく、表面外観性にも優れている。こうした特長がパナソニックに高く評価され、共同で成形品の開発を重ねた結果、今回の採用に至った。

 帝人は、精密機器・電気製品など、量産性や強度、軽量化が求められる用途に向けて「Sereebo」の展開を強力に推進し、複合成形材料のリーディングカンパニーとして地位を確立していく考えだ。