日本触媒 紙より薄いフィルム光源、パイロットで製造開始

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2020年11月12日

 日本触媒は11日、紙より薄いフィルム光源(「iOLED」フィルム光源)について、パイロットラインでの製造を開始すると発表した。顧客の様々なニーズに対応するために一定量のサンプルを供給することで早期の製品化を目指す。

200×200 mm サイズの基板で製造された「iOLED」
200×200 mm サイズの基板で製造された「iOLED」

 「iOLED」フィルム光源は、有機ELの長年の課題であった大気中の酸素や水分による素子の劣化を、日本触媒とNHKとの共同開発による材料や素子技術(iOLED技術)により克服していることに加え、厚さ0.1mm以下と紙より薄く、高い柔軟性も実現している。同社には、自動車業界、服飾業界、包装業界、美容・医療業界など多岐にわたる業界から問い合わせがあり、これまで少量のサンプル提供を行ってきた。

 今回パイロットラインを立ち上げたことで、より大規模で本格的なサンプル試験が可能になる。製造する基板の最大サイズは200mm×200mmだが、さらに一部製造ラインを自動化することで、生産能力を10倍以上に増強した。このパイロットラインを活用して、様々な開発ステージの顧客に対して希望の使用形態に合った色、形、特性を持ったサンプルを提供していく。

 同社は、この「iOLED」フィルム光源の新しい光をもって、明るい未来を創造していくと共に、今後も独創的で優れた技術を開発・企業化し、企業理念「TechnoAmenity~私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」の実現にまい進していく考えだ。

 なお、12月にオンラインで開催される新機能性材料展において「iOLED」フィルム光源を紹介。同社のブースでは、薄さを体感する動画などが視聴できる。

出光興産 EVと蓄電池の充放電制御を最適化

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2020年11月12日

日本ユニシスと実証試験、再エネ導入拡大図る

 出光興産と日本ユニシスは、EVおよび蓄電池の充放電制御を最適化する実証試験を開始する。建物の電力需要、太陽光発電量、EVの稼働状態、卸電力市場動向などの予測値をもとに、太陽光、電気自動車(EV)、蓄電池を組み合わせたエネルギーマネジメント技術の開発を目指す。EVと蓄電池を組み合わせて最適化するケースは初となり、実証期間は来年3月1日~12月31日を予定している。 

EV及び蓄電池の充放電制御を最適化する実証試験 
EV及び蓄電池の充放電制御を最適化する実証試験

 今回の実証試験は、出光興産の100%子会社ソーラーフロンティアの国富工場(宮崎県)で実施。同社の保有資産(事務所棟、業務用EV)や製品(蓄電池、EV充放電器、EV充電器、ソーラーカーポートなど)を活用し、事業所に業務用車両、通勤車両に一定程度EVが普及したことを想定する。

 このケースでは、充電タイムが集中すると電力需要が一気に高まることが課題になることから、①EVと蓄電池の充放電タイムを複合的に制御し、電力のピークカット、②EV稼働状態予測(日本ユニシスが特許出願済み)を活用した基本料金超過抑制や電力のピークシフト、③小売電気事業者の調達コスト最小化に向け日本卸電力取引所(JEPX)価格予測に基づく充放電のタイミングを制御、といったシステムの構築を目指す。さらに、④ワークプレイスチャージング(通勤者の職場充電)により職場へのEV充電器の普及が想定され、災害時のBCP対策としての活用も図っていく。

最適化制御
最適化制御

 一方、最適化制御については、データ取得、予測、最適化/制御計画作成、制御の流れになる。予測については、電力需要予測、太陽光発電予測、EV状態予測、JEPX価格予測などを機械学習で分析。ピークカットによる電量料金削減や小売り電気事業者の調達コストの削減を最適化目的とし、翌日の30分値単位の充放電計画を作成する。ただ、その日の状況に応じた最適化計画を立案する必要があることから、今回の実証では、様々なパターンに対応した最適化計画を検証評価することで、最適化アルゴリズムの改善やサービス化に向けた検討を進めていく予定だ。

 両社は、今後のEV/PHEV普及による運輸部門の低炭素化や電力の安定供給、太陽光などの再生可能エネルギーのさらなる導入拡大を目指す。また、太陽光発電、EV、蓄電池などを組み合わせることで、「エネルギー」と「モビリティ」を起点とし生活の利便性・快適性向上を実現する「まちづくり」に貢献する考えだ。

 

ちとせ 〝土は生き物〟「千年農業」で長岡市と協業

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2020年11月11日

 バイオベンチャー企業群・ちとせグループは、農業のコンセプトに掲げる「千年農業」を拡げる活動の日本第1弾として、新潟県長岡市と協業を開始した。 

長岡産の「千年農業」金匠米
長岡産の「千年農業」金匠米

 同社は、人類が千年先まで農業を続けるためのカギは、農地と作物を取り巻く生態系の豊かさを維持することにあるという考えの下、美味しく栄養価が高い作物を持続的に作り続ける「千年農業」を拡げる活動を行っており、これまで東南アジアでの活動を進めてきた。

 今回、「千年農業」の取り組みを日本で展開していくための第1弾として、国内2位の水稲作付面積を誇り、バイオエコノミーに対して積極的に取り組んでいる長岡市と一体となった活動を始めた。

 作物に適した健全な土壌を維持するためには、土壌中の微生物の活性度合いを把握することが重要になる。ちとせグループではバイオテクノロジーの視点から、匠の土作りの見える化に成功、〝土は生き物〟だと捉え、土壌中の多種多様な微生物の動態を定量的に解析することで〝土壌の健全さ〟を科学的に評価している。

 同社は「千年農業」の取り組みの一環として、長岡市農水産政策課とともに市内の米農家を回り、土壌環境の調査を実施。その結果、すべての圃場(ほじょう)について生態系を豊かにし、その維持にまで配慮された土壌であることが確認されたため、同圃場で生産する同市のブランド米「金匠米」を日本で初めて「千年農業」と認証し、7日から販売を開始した。

 長岡市では今後、金匠米だけでなく有機栽培米や特別栽培米、枝豆など市内で生産する作物についても「千年農業」の太鼓判を活用しながら、新たな販路開拓や新たな視点でのブランド化を目指していく。

 一方、ちとせグループは今回の取り組みを皮切りに、様々な地域との協議を進めながら国内外に「千年農業」を拡げることで、持続可能な農業の実現に貢献していく考えだ。

 なお、「金匠米」は、2009年より毎年開催されている「長岡うまい米コンテスト」で、上位約20人の金匠を獲得した最高峰の匠の技をもつ生産者によって作られる長岡産コシヒカリ。今年度の金匠米は、昨年のコンテストで金匠を獲得した生産者の新米コシヒカリのみで製品化を行った。

日本ゼオン COP成形加工の子会社が安全衛生表彰を受賞

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2020年11月11日

 日本ゼオンはこのほど、グループ会社であるゼオンオプトバイオラボ(ZOB社)が、安全衛生に係る2020年度「栃木県労働局長奨励賞」と同年度「全国THP推進協議会進歩賞」を受賞したと発表した。

安全衛生表彰
安全衛生表彰

 シクロオレフィンポリマー(COP)を使ったプラスチック成形加工品の製造を行っているZOB社は、無事故無災害のための取り組みを徹底するとともに、健康増進のための社員教育や定期的な体力測定など、「元気に働く」職場づくりを推進。今回の受賞は、「元気に働こう」という観点から、社員の安全と健康を促進する様々な取り組みが評価され、安全衛生に関する諸活動が、地域の模範となる事業場として表彰された。

 

出光興産の4-9月期 販売減や在庫評価損で減収減益

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2020年11月11日

 出光興産は10日、2020年度第2四半期(4-9月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比33%減の2兆157億円、営業利益95%減の31億円、経常損失258億円(同789億円減)、純損失321億円(同775億円減)となった。

出光興産:決算会見 尾沼温隆財務部長
決算会見 尾沼温隆財務部長

 同日開催された決算会見の中で、尾沼温隆財務部長は「在庫評価損の影響が残り損失を計上した。在庫影響を除いたセグメント利益は、 “出光興産の4-9月期 販売減や在庫評価損で減収減益” の続きを読む

中国汎用樹脂輸入 9月は3品目が前年比プラス

2020年11月11日

PVCは3カ月ぶりマイナス、米国PEは高水準

 中国の9月の汎用樹脂輸入は、前年比プラスとマイナスが3品目ずつとなり、まだら模様の結果となった。ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ABS樹脂などは高水準な輸入量が継続しており、中国での自動車や家電などの生産が好調であること示している。それに対し塩ビ樹脂(PVC)は、5カ月ぶりにマイナスとなり、10万tを割り込んだ。6月以降は2.5倍程度に急増していたため、調整が入ったと見られる。

 9月の輸入を品目別で見ると、PEは、

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ダイセル 「えるぼし」に認定、女性活躍の推進が評価

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2020年11月10日

 ダイセルはこのほど、女性活躍推進の取り組みが評価され、厚生労働大臣より「えるぼし」(3つ星)の認定を受けたと発表した。

 「えるぼし」認定は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づき、女性の活躍推進に関する取り組みの実施が優良と認められた企業を、厚生労働大臣が認定する制度。「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の5基準によって女性活躍推進の取り組みが評価され、達成の度合いによって3段階の認定に分かれる。同社はこれらの基準を全て達成し、「3段階目(3つ星)」の評価を受けた。

 これまで、女性を含む全ての社員が個性や能力を十分に発揮し、柔軟に働ける環境づくりを進めてきた。早期の在宅勤務制度の導入や育児や家庭生活を支援する仕組みの導入がその一例。昨年は「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」に認定されている。

 同社は、今回の「えるぼし」認定を弾みに、社員がそれぞれのライフステージに応じた働き方を自ら選択できる仕組みの実現を目指し、活動を続けていく。

 

日本触媒 血管構造の細胞凝集塊作製、移植時に高い治療効果

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2020年11月10日

 日本触媒は9日、3次元細胞培養容器「ミコセル」を用いた細胞培養において、表面に血管末端構造を保有する血管構造を含む細胞凝集塊の形成に成功したと発表した。この血管構造を含む細胞凝集塊は、その形態から再生医療の移植などで、従来の細胞凝集塊より優れた治療効果を発揮することが期待される。

3 次元細胞培養容器「ミコセル」
3 次元細胞培養容器「ミコセル」

「ミコセル」とは、同社が独自技術により開発した3次元細胞培養容器。細胞基材への適度な接着性があるため、生体内での状態により近い細胞凝集塊を均一な粒子径で多量に作製できる。

 近年、細胞を3次元培養することで、様々な形態の細胞凝集塊を形成することが注目されている。その1つとして、細胞凝集塊内部への酸素や栄養の供給を目的に目的組織の細胞と血管内皮細胞を共培養して、血管構造が付与された細胞凝集塊形態の形成が提案されている。この形態は、血管構造が付与されたことで、移植時に患者由来の血管と接続し細胞凝集塊の生着率が上がり、治療効果の向上が期待される。しかし、従来の血管構造を有する細胞凝集塊は、細胞凝集塊内部で血管構造がランダムに形成される。そのため血管構造の方向性の制御や細胞凝集塊表面への血管構造の末端形成が困難であり、移植後の生着と治療効果に課題があった。

 同社は今回、「ミコセル」を用いて幹細胞と血管内皮細胞を共培養して作製した細胞凝集塊で、基材に接着した部分に血管内皮細胞も接着し、そこから細胞凝集塊の垂直方向に複数の血管構造がドーム状に形成されることを見出だした。この構造は従来の細胞凝集塊では見られず、基材接着面に血管内皮細胞が存在することで移植時に速やかに患者由来の血管と接続して高い治療効果が得られることが期待される。また、当該構造を有する細胞凝集塊は血管構造を持たない細胞凝集塊に比べて内部の低酸素状態が改善されることが分かった。

 「ミコセル」で作製した血管構造が付与された細胞凝集塊は、再生医療分野への応用の他、より生体内に近い凝集塊を実験室レベルで作製できるという観点から、臓器モデルの作製や創薬スクリーニングなどにおける動物実験代替の試験への応用が期待される。

 同社では、今回新たに作製した血管構造を含む細胞凝集塊をはじめ様々な分野に「ミコセル」を供給し、連携を進めることで、医療技術の発展に貢献することを目指す。

「ミコセル」上の血管含有細胞凝集塊の特徴
「ミコセル」上の血管含有細胞凝集塊の特徴

 

アジア石化市況 エチレンは2週連続でマイナス

2020年11月10日

 ブタジエンは1年ぶり1000ドル/tに、SMも強含み

 アジア地域の10月第4週の石化市況では、エチレンは下値30ドル安、上値70ドル安の790~800ドル/tでの取引となった。2週連続の下落となり、下値は7週ぶりに800ドル/t割れとなっている。スプレッドも

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