帝人の3月期 PCの市況低迷などで減収減益も

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2020年5月11日

アラミド繊維、国内ヘルスケア事業が収益に貢献

 帝人は8日、2019年度(2020年3月期)連結業績のオンライン説明会を開催した。売上高は前年度比4%減の8537億円、営業利益6%減の562億円、経常利益10%減の543億円、純利益44%減の253億円。

決算説明を行う園部専務
決算説明を行う園部専務

 園部芳久代表取締役専務執行役員CFOは19年度の実績について、「アラミド繊維や国内ヘルスケア事業、IT事業が好調を維持し収益獲得に貢献した」ものの、一方で「主力医薬品の欧米後発品発売やポリカーボネート(PC)樹脂の市況低迷が下方影響を与えた」と総括した。また新型コロナウイルス感染症の影響については、

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フタル酸系可塑剤 3月の国内出荷は10%減、1Qも減少

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2020年5月8日

 可塑剤工業会がこのほど発表した需給実績によると、3月のフタル酸系可塑剤の国内出荷は、前年同月比10%減の1万5300tとなり、6カ月連続でマイナスとなった。

 品目別では、

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住友ベークライト 飛沫感染防護マスクの生産を開始

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2020年5月8日

 住友ベークライトはこのほど、これまで培ってきたプラスチック加工技術を生かした飛沫感染防護マスク「フェイスシールド」を生産することを決定したと発表した。フェイスシールドは、感染者治療に従事する医療関係者の二次感染を防ぐ防護具。プラスチック板などで顔面を覆い、飛沫によるウイルス感染を防ぐ機能がある。

装着イメージ 正面
装着イメージ 正面

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、国内の医療現場のひっ迫した状況の改善を支援するため、同社グループでの生産を決定した。同社は、プラスチック配合技術とシート化技術を生かし、医療用ゴーグルやサングラス用のポリカーボネート(PC)樹脂シートを生産している。

 今回、透明性などの光学特性に優れ、ゆがみ無く軽量で高強度のPC樹脂を用いたフェイスシールドの生産・供給体制を整えた。また、同製品は、消毒用アルコールなどによる曇りや強度低下を起こしにくく繰り返し使用することも可能。頭部への装着部分には工業用ヘルメットの内部に採用しているホルダーの技術を応用し、細やかなサイズの調整、ボタンをワンプッシュすることでホルダーを緩めることができる。

装着イメージ 斜面
装着イメージ 斜面

 供給計画として、まずは①試供品100セット(1セット:ホルダー1個+交換用面体10枚入り)を東京都および神奈川県内の病院に無償提供。続けて同数を所管省庁に無償提供する。さらに、②5月中に月産1万セット(ホルダー1万個+交換用面体10万枚)の生産体制を整え順次販売を開始する予定。当面、医療機関向けの供給を最優先に行い、コンビニ・スーパーマーケットなどの民生用についても今後販売していく考えだ。

帝人 CFRTP製の荷台が「PACEアワード」を受賞

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2020年5月8日

 帝人は7日、同社グループで軽量複合材料部品の開発・生産・販売を手がける米国のコンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP社)とともに、「PACE(Premier Automotive Suppliers, Contribution to Excellence)アワード」を受賞したと発表した。 

 帝人 2020-PACE-Winnerロゴ米国の自動車専門媒体「オートモーティブ・ニュース」が主催する「PACEアワード」は、自動車産業の革新的な技術に贈られる賞で、20年以上の歴史がある。

 今回受賞したのは、帝人の熱可塑性炭素繊維複合材料(CFRTP)製品である「Sereebo(セリーボ)」を利用し、帝人とCSP社が、米ゼネラルモーターズとの共同によりピックアップトラック向けに開発したピックアップボックス(荷台)の「カーボン・プロ」。

 世界初の量産自動車向けCFRTP部品「カーボン・プロ」は、「Sereebo」を用いることで、スチールを使用したピックアップボックスに比べて約40%の軽量化を実現するとともに、約10倍の耐衝撃性を持つほか、耐腐食性にも優れる。

 また、従来の素材では量産できなかった複雑なデザインの成形にも対応することができ、リサイクルも容易になった。今回の受賞は、こうした特性が高く評価された。なお、「カーボン・プロ」はこれまでにも数々の受賞実績があり、「PACEアワード」は4回目の受賞となった。

 帝人グループは、「自動車向け複合材料事業の展開」を「将来の収益源育成:ストラテジックフォーカス」分野に位置づけている。今後も、複合化を強みとした技術開発に一層注力し、車体の軽量性と強度に加え、デザイン・生産性・コスト効率など、様々な顧客ニーズに対応できるソリューションプロバイダーとして、グローバルに事業を展開していく考えだ。

2019 GMC Sierra Denali CarbonPro Edition
CFRTP製品「Sereebo(セリーボ)」を用い、帝人とCSP社が、GMとの共同によりピックアップトラック向けに開発したピックアップボックス(荷台)「カーボン・プロ」

財務省 1Qの国産ナフサ4万4800円/klと上昇

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2020年5月7日

コロナ要因でナフサ急落、2Qは大幅下落が濃厚

 財務省が28日に発表した貿易統計によると、1Q(1-3月期)の国産ナフサ価格は4万4800円/klとなり、2四半期連続で上昇した。しかし、足元では新型コロナウイルス感染症の拡大による世界経済の減速が顕在化。スポットナフサ市況は200ドル/t前後での取引となっており、試算した国産ナフサ価格は2万円/klを割り込む展開となっている。

 世界に蔓延する新型コロナの終息の兆しが見えない中、2Q(4-6月期)の国産ナフサ価格は2万7000~2万8000円/klと大幅な下落が予想され、リーマンショック後の2009年1Q以来となる3万円/kl割れとの見方も出ている。

 こうした中、誘導品の需要が弱含んでいることを背景に、エチレンをはじめ各種石化製品も、市況下落によりスプレッドが悪化。化学メーカーにとっても石化事業の環境が厳しくなっており、もう一段の構造改革といった経営判断が迫られそうだ。

 原油価格は昨年から大きくトレンドが変化している。昨年の9月初旬以降は、サウジ石油施設が攻撃されるなど、高まる中東情勢の緊張から原油の供給懸念が広がり上昇基調となった。それに連動する形でスポットナフサ市況も

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三菱ケミカル 国際イニシアチブに加盟、障がい者の活躍を推進

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2020年4月28日

 三菱ケミカルは27日、障がい者の活躍推進に取り組む国際イニシアチブ「The Valuable 500」の考えと取り組みに賛同し加盟文書に署名したと発表した。

 「The Valuable 500」は昨年1月、世界経済フォーラム年次総会で発足し、「障がい者インクルーシブなビジネスはインクルーシブな社会を創る」という考えの下に立ち上げられた。障がい者がビジネス、社会、経済にもたらす潜在的な価値を発揮できるように、ビジネスリーダーが自社のビジネスをインクルーシブにする改革を起こすことを目的としている。

 同社はこの考えと取り組みに賛同。障がいのあるなしにかかわらず1人ひとりの個性が尊重され全従業員が活躍できる企業を目指し、①障がい者雇用の社内の理解をはかり、働く仲間としての一体感を醸成します、②障がい者の職域拡大、職場環境整備をはかり、雇用促進を全社的に進めます、というコミットメントを定めた。

 同社は「KAITEKI 健康経営」を掲げ、健康支援と働き方改革を両輪として、多様な人材がいきいきと活力高く働ける職場づくりに取り組んできた。その中で、障がい者雇用促進を含めた30の施策を「三菱ケミカルは決めました」と宣言し、積極的に推進。

 また、全ての人がスポーツの価値を享受し、1人ひとりの個性が尊重され、心身ともに健康的な社会づくりに貢献したいとの想いから、ボランティア活動などを通じて障がい者スポーツの一層の普及・発展に尽力するとともに活力ある共生社会の実現に貢献するよう取り組んでいる。

 今回の加盟を踏まえ、三菱ケミカルでは障がい者雇用の取り組みをさらに強化させ、多様化が一層進む社会の期待と要請に応えられる企業づくりを推進していく。

三菱ケミカル マーク

 

アジア石化市況 プロピレンは誘導品増加で反転

2020年4月28日

芳香族は原油高で上昇、SMはスプレッドが悪化

 アジア地域の4月第2週の石化市況は、OPECの減産期待が高まり、原油・ナフサ価格が持ち直したことから、芳香族を中心に上昇した。ナフサ市況は前週比6ドル高の193ドル/tと7週ぶりに反転している。エチレンは、下値ステイ、上値60ドル安の

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経産省 石化製品生産能力を調査、ポリプロピレンが増加

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2020年4月27日

 経済産業省はこのほど、2019年12月末時点での主要石化製品および芳香族製品の生産能力調査結果を発表した。

 エチレンの生産能力(定修年)は、前年並みの年産616万2000tとなった。国内のエチレンの需給バランスはウェルバランスを継続しており、2019年の稼働率は平均95.4%とフル稼働となっている。しかし、今年に入り1月は91.0%に低下。2月は95.0%とフル稼働に戻したものの、3月は一転して88.7%と好不調の節目となる90%稼働を大きく割り込んだ。定修要因に加え事業環境の悪化が影響しており、4月以降の稼働率が注目される。

 汎用石化品については、設備の老朽化対策による新設備の稼働や、生産停止の動きが見られた。ポリプロピレン(PP)では、日本ポリプロが建設を進めていた五井の設備(15万t)が稼働を開始したことで、PPの生産能力は290万9千tに増加した。また、芳香族ではJXTG室蘭製油所の石油・石化製品の生産停止によりベンゼン・トルエン・キシレンが減少している。

 2020年については、先行き不透明感が強まっている。新型コロナウイルスの感染拡大により国内景気の下振れリスクが高まり、また輸出先であるアジア市場も原油・ナフサ安に連動し市況低迷が続く。需要の減少から誘導品の在庫が高水準となっており、国内石化メーカー各社の今後の対応に注目が集まっている。

経産省 令和元年実績経産省 ポリエチレン各社別生産能力経産省 令和元年実績 ②経産省BTX パラキシレン経産省

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石化協 3月の稼働率は大幅低下の88.7%に

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2020年4月24日

エチレン生産も2桁減、汎用樹脂は消費が弱含み

 石油化学工業協会が23日に発表した主要石化製品18品目生産実績によると、3月のエチレンをはじめ各誘導品の生産は、大幅に落ち込む結果となった。春の定修期に入り2プラントが停止したことに加え、事業環境の悪化から稼働率を落としたことが響いている。

 エチレン生産は前年同月比19.3%減の45万3600tと2カ月ぶりにマイナスとなり、稼働プラントの平均稼働率は88.7%となった。稼働率が好不調の節目となる90%を下回ったのは、

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