【新年特集】PSジャパン代表取締役社長  佐藤公氏

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2020年1月9日

能力増強で安定供給に注力、環境問題にも真摯に取り組む

━2019年はどのような年でしたか。

PSジャパン 佐藤社長 佐藤 世界的に見ると、米中貿易摩擦の長期化、中東リスクの増大、ブレグジットの混乱、日韓関係の悪化など様々な問題が起こり、先行き不透明感が増大した1年だった。

 特に米中の対立によって各国の経済成長に陰りが見えてきており、社会全体の消費マインドが冷え込むことを懸念している。

 当社のポリスチレン(PS)事業は国内がメインだが、7月以降の内需は4カ月連続で前年同月を下回って推移している。

 その背景として、梅雨が長引いたことや台風などの天候不順、コンビニやスーパーによるフードロス活動の本格化などが挙げられるが、この状況が一過性のものなのか、それとも今後も継続していくのか、しっかり見極める必要があるだろう。

━2020年の見通しについて。

 佐藤 事業環境では2つの点に注目している。1つ目は、原料であるスチレンモノマー(SM)の動向だ。中国では2019~2021年までの間に約350万tの増設計画があり、これが市場に出回れば海外市況が大幅に下落するだろう。安いSMを原料とした海外品の輸入が増加する可能性もあり、国内の需給バランスが崩れるかもしれない。

 2つ目はプラスチックの環境問題だ。今後さらに関心が高まってくることが想定され、プラごみ対策も加速していくだろう。紙製品や木製品に代替する脱プラの動きも強まっており、当社としても

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化学業界合同新年賀詞交歓会 1200人が参加して盛況に開催

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2020年1月8日

淡輪日化協会長、持続可能な社会への貢献を強調

 日本化学工業協会や石油化学工業協会など、化学関連52団体の共催による化学業界合同新年賀詞交歓会が7日、都内のホテルで開催され、関係者約1200人が出席した。最初に52団体を代表して、日本化学工業協会の淡輪敏会長(三井化学社長)が挨拶を行った。淡輪会長はまず昨年を振り返り、新天皇の即位と旭化成の吉野彰フェローのノーベル化学賞受賞への祝意を表した。

共催52団体を代表してあいさつを行う日化協の淡輪会長 昨年の事業環境については、米中貿易摩擦の激化などにより厳しかったとするとともに、「石化・基礎化学品を中心に需要低迷と市況下落の影響を受け、業績面でも厳しい年であった」との認識を示した。

 また、昨年は国連環境サミットで

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アジア石化市況 エチレン需要低迷で3週連続下落

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2020年1月7日

芳香族は原油高で先高感、SMは3週ぶりに反落

 アジア地域の12月第2週の石化市況では、エチレンは3週連続で下落し、下値が40ドル/t安、上値が50ドル/t安の710~730ドル/tでの取引となった。誘導品需要の弱含みの状況が継続、わずか3週間で100ドル/t以上の急落となっている。スプレッドは、ナフサが

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財務省 11月の輸入ナフサ価格はCIF3万9100円/kl

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2019年12月27日

 財務省が26日に発表した貿易統計によると、11月の輸入ナフサ価格は519.80ドル/t、CIF3万9100円/kl(為替レート:108.8円/米ドル)となった。なお、諸チャージ「2000円」を加算した国産試算価格は4万1100円/kl。

 11月の輸入ナフサ価格は、ドルベースで前月比22.5ドル/t高、円ベースで同約2000円高と、共に6カ月ぶりに値上がりした。

 スポットナフサ価格は、

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VEC 「PVCアワード2019」受賞製品を決定

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2019年12月26日

 VEC(塩ビ工業・環境協会)は、初の開催となったPVC(塩化ビ樹脂)製品のコンテスト「PVCアワード2019」の受賞製品を決定した。

準大賞のアキレス「スカイクリア防炎&Ziptrakロールスクリーンシステム」
準大賞のアキレス「スカイクリア防炎&Ziptrakロールスクリーンシステム」

 同コンテストは、PVC素材の優れた加工性・印刷性・耐久性・耐摩耗性・リサイクル性などを生かし、生活や社会のニーズに応えるソリューションを新しい時代に展開していくことを目指している。

 今回のテーマは〝新しい時代をCreateするPVC製品〟とした。販売開始後5年以内の製品と、これから商品化する製品を対象に公募し、全国から115点の製品が寄せられた。

 11月29日に審査会を開催。応募テーマとの合致性のほか、製品の市場性・機能性・独創性・環境性の5項目を審査基準とし、芝浦工業大学デザイン工学部の橋田規子教授、日刊工業新聞社の山本佳世子論説委員・編集委員、VECの宮島正紀副会長(信越化学工業常務取締役)ら6人の審査員により、準大賞以下、計12点の受賞製品を決定した(大賞は該当製品なし)。

 準大賞に選ばれたのは「スカイクリア防炎&Ziptrakロールスクリーンシステム」(受賞者:アキレス・後藤修斗さん)。「スカイクリア防炎」は、優れた耐候性・防炎性・透明性を持った屋外間仕切り用フィルム。専用フレームの「Ziptrakロールスクリーンシステム」と合わせて使用することで、より快適な屋外空間を作り出せる。

 優秀賞には家畜感染被害の拡散防止を目的に開発された長靴、水の動きで体幹を刺激する新感覚のトレーニンググッズなど5点、審査員賞には、心臓マッサージ時に女性のプライバシーを守るシートを開発した高校生の作品など2点、入賞は4点が選ばれた。

 上位賞には、アウトドアや防災、健康づくり、食品衛生に関連した、昨今のトレンドや要望に対応した製品が多い。審査に当たった橋田教授は、「改めて塩ビ素材の優秀さを感じた」と、塩ビが持つ多様な用途に関心が高まったとし、次回に向け「大賞に相応しい、アッと驚くような魅力的な応募」への期待を寄せた。

 なお、表彰式は来年1月10日に如水会館(東京・千代田区)で行わる。受賞製品をはじめ応募製品は、同月17~26日に「GOOD DESIGN Marunouchi」(東京・千代田区)で展示される。

太陽石油 巨大地震への対応力強化、研修会と訓練実施

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2019年12月26日

 太陽石油はこのほど、巨大地震など発生時の対応力強化のため「災害時SS対応研修会」=写真=と「災害時SS情報収集訓練」を実施した。

研修会 同社では災害発生時に石油製品を安定供給するという地域ニーズに応えるため、「南海トラフ巨大地震」「首都直下型地震」を想定した系列サプライチェーンBCP(事業継続計画)を構築している。

 大規模災害発生時に系列サプライチェーンを維持し、「最後の砦」として地域のエネルギー供給拠点としての役割を果たすため、災害対応型SSへの取り組みや研修訓練の実施、系列SS情報収集システム整備や災害時SS運営ツール製作など、様々な取り組みを行っている。

 今回の研修では事前の備えや被災時の現場対応などを習得する座学と合わせ、SS情報収集システム操作の実技研修を実施。また、訓練では系列SS情報収集システムを使い、実際に被災・営業・在庫状況の報告を行う内容で行った。訓練は系列SSの参加により、有効性の確認と今後の課題を認識することができた。

 「災害時SS対応研修会」は11月1~15日、愛知・福島・愛媛・広島・熊本の各県と大阪府で開催。104人が参加し、大規模災害に対するSSの平時の備え、災害発生時の初期対応(水害・地震)、発災時における施設と設備を守る行動などに関する研修を受けた。

 一方、「災害時SS情報収集訓練」は11月21日、四国地区では南海トラフ巨大地震が午後1時半に発生し、高知県は震度7、愛媛県中予から香川県、徳島県の広い範囲で震度6弱を記録、四国地区以外では各拠点の広い範囲で震度6弱の地震が発生との想定で行った。

 479人、系列SSの約9割の296SSが参加。SS情報収集システムを起動し、事前登録済みの系列特約店・SS端末宛てに報告要請メールを送信、メール受信者は速やかにSS情報収集システムに、被災・運営・在庫状況などを登録―などの訓練を実施した。同社では今回の研修と訓練を通じ、今後さらなる災害対応能力強化に努めていく。

カネカ・大成建設 外壁・窓で発電する外装システムを共同開発

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2019年12月25日

 カネカはこのほど、大成建設と共同で、建物の外壁や窓と一体化させた太陽電池モジュールで発電する外装システム「T‐Green Multi Solar」を開発した。同システムは、高い発電効率に加え、採光・眺望・遮熱・断熱の各機能と意匠性を備えるとともに、災害時には独立した非常用電源としても機能する。導入イメージ(中・小規模ビルの外装)

 近年の環境意識の高まりを受け、SDGs(持続可能な開発目標)などへの取り組みの一環として、再生可能エネルギー導入による環境負荷低減を進める企業が増加。また、近年多発している自然災害とそれにより引き起こされる長時間停電への対策として、BCP(事業継続計画)やLCP(災害時の居住継続機能)の観点からも、自立電源を確保するニーズが高まっている。

 しかし、建物の屋上などは設置スペースが限られているため、太陽光発電設備の導入拡大が困難となっていた。こうした中、大成建設は技術センター内のZEB実証棟を拠点に、外壁など外装を利用した太陽電池ユニットを開発・適用し、発電性能の検証・改善などに取り組んできたが、発電効率の向上と意匠性の両立が課題となっていた。

 そこで、両社は、大成建設の建材一体型太陽電池の設計施工ノウハウと、世界最高効率の発電モジュール製造技術を持ち、住宅分野で高性能な瓦一体型太陽電池の導入実績を持つカネカの太陽電池モジュールを組み合わせることで、外壁・窓で発電する多機能で意匠性を備えた外装システムを開発した。

 今後、両社は、都市型ZEBを実現する創エネルギー技術として、環境経営に積極的に取り組む企業、BCPを強化する企業、災害時の活動拠点となる公共施設、LCPを強化したい集合住宅などに対し、同システムを積極的に提案していく考えだ。

合成ゴム 10月の出荷量は前年同月比6%減

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2019年12月25日

BRは好調継続、NBRは6カ月ぶりに増加

 合成ゴム工業会がこのほど発表した需給実績によると、10月の合成ゴム全体の出荷量は、前年同月比5.6%減の11万4600tとなった。

 品目別では、SBRが同4.0%減の4万1900tで2カ月ぶりにマイナス、NBRは同9.5%増の9300tで6カ月ぶりにプラス、CRは同31.0%減の6700tで2カ月ぶりにマイナス、BRは同7.1%増の2万6300tで2カ月連続のプラス、EPTは同17.9%減の1万6200tで3カ月連続のマイナス、その他は同7.1%減の1万4200tで2カ月ぶりにマイナスとなった。

 NBRは回復し、BRはプラスを維持したものの、

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ABS樹脂 11月の総出荷9%減、耐候用はプラスが継続

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2019年12月24日

 日本ABS樹脂工業会がこのほど発表した出荷実績によると、11月の総出荷量は前年同月比9%減の2万8800tとなり、7カ月連続でマイナスとなった。国内出荷は同8%減の1万9600t、輸出も同12%減の9200tと、国内・輸出ともに振るわない状況が続いている。特に輸出は

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カネカ 生分解性ポリマーの年産5千tプラントが竣工

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2019年12月24日

 カネカはこのほど、高砂工業所(兵庫県)での「カネカ生分解性ポリマーPHBH」の能力増強工事を予定通り終え、17日に竣工式を行った。なお、投資額は約25億円で、生産能力は従来の5倍となる年産約5千tとなった。

竣工した新培養槽
竣工した新培養槽

 近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が生態系へ影響を与えるとして世界的な社会問題となっている。同社が開発した100%植物由来のバイオポリマーである「PHBH」は、海水中で生分解する認証を取得しており、海洋汚染低減に貢献すると期待されている。

 また米国食品医薬品局(FDA)、ポリオレフィン等衛生協議会、欧州委員会のポジティブリストに掲載され、食品接触用途で使用可能となる国や地域が拡大している。欧州では、使い捨てプラスチック削減に向けて各種規制が強化されており、特にフランスでは来年1月から規制が厳格化され、「PHBH」の販売が急拡大する見込み。

 一方、国内では、セブン‐イレブン・ジャパン全国約1万店舗で、11月からセブンカフェ用「PHBH」製ストローの採用が始まっており、また、資生堂とは化粧品容器の共同開発を行っている。さらに、グローバル展開している多数のブランドホルダーともストロー、レジ袋、カトラリー、食品容器包装材など幅広い用途で検討が進んでおり、年産5千tプラントは早期にフル稼動になる見通し。

 同社は、今回の生産能力増強にとどまらず、今後もグローバル規模で拡大する需要にタイムリーに応えるため、早期に本格的量産プラントの建設を決定する見通しだ。