三菱ケミカル 京東と中国最大級の「植物工場」の稼働開始

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2018年12月10日

 三菱ケミカルと中国市場を牽引するECサイト「京東商城(ジンドンしょうじょう:JD.com)」を運営する、京東集団は7日、昨年6月の両者合意に基づき、北京市通州区で三菱ケミカルが京東に納入した植物工場が完成し、稼働を開始したと発表した。

三菱ケミカルの佐々木等常務執行役員(左)と京東集団 の王笑松FMCG 事業・食品事業総裁
三菱ケミカルの佐々木等常務執行役員(左)と京東集団 の王笑松FMCG 事業・食品事業総裁

 また、京東と三菱ケミカルは、今後も植物工場事業で協力関係を継続していくことを目的に、戦略的パートナシップ契約を締結した。

 今回の京東と三菱ケミカルとの協業により、京東は栽培から配送まで、全ての生産過程の品質をコントロールできるようになる。三菱ケミカルの技術で安全な野菜を栽培し、京東のコールドチェーンとECのプラットフォームの統合により、新鮮な野菜を収穫したその日に消費者に届けることができる。

 新工場は、広さ1万1040㎡におよぶ中国最大級の植物工場。育苗までを人工光で行い、以降は太陽光を利用して効率的に生産を行う併用型の水耕栽培システムを採用している。温度、湿度、光、液肥などを自動制御し、天候や季節に変動されることなく、高品質で均一な野菜を生産できる。また、従来の栽培方法と比較して、大幅な節水、肥料の低減と生産スピードの向上が可能となる。

中国最大級の植物工場
中国最大級の植物工場

京東は、現在この植物工場で、ほうれん草やレタス、サラダ菜などを生産しており、今月から同社が中国で展開する生鮮スーパーで販売を開始する。京東と三菱ケミカルは今後、トマトやキュウリ、イチゴなど、さらに多くの野菜や果物の生産についても検討していく。

 両社は生産、倉庫管理、流通から販売まで、農業の新しいモデルを探求し、安全で高品質な製品を消費者に提供することを目指すという京東の試みを実現するため、緊密に協力していく方針だ。

出光興産 タイに10万t規模のブラックペレット工場建設へ

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2018年12月10日

 出光興産はブラックペレット(半炭化ペレット)の2020年の生産開始に向け、タイでプラントの建設準備を進めている。「環境に調和した石炭事業の一環」として、ブラックペレット供給事業を開始する。

ブラックペレット(右)とホワイトペレット
ブラックペレット(右)とホワイトペレット

 6日に都内で開催した「第15回アポロエナジーミーティング」に先立ち行った、バイオマス特別講演で明らかにした。タイの地元企業2社と共同で、スラータニー県に年産10万tレベルの工場を建設する。来年、着工の予定。全量を日本で販売する。

 すでにデモプラントが完成しており、製法の検討とサンプル出荷を開始した。原料は樹液の出なくなったゴムの木を使う。将来的にはタイ各地に工場を建設し、生産を拡大する計画だ。

 自ら製造する以外に、インドネシアのブラックペレット製造者からの仕入れ販売も行う方針で、日本市場への独占販売権について合意した。

 現在、日本でも石炭火力の混焼用として、通常の木質ペレット(ホワイトペレット)が使われている。しかし、ホワイトペレットは

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帝人フロンティア 「2020春夏スポーツウエア素材展」を開催

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2018年12月6日

 帝人フロンティアは2020春夏スポーツウエア向けに、「新世代スポーツウエア」コンセプトと、新製品の「デルタSLX」などを提案する。4、5日に東京都中央区のプラザマームで開催した「2020春夏スポーツウエア素材展」で紹介した。

「新世代スポーツウエア」の製品例
「新世代スポーツウエア」の製品例

新世代スポーツウエアのコンセプトは、東京オリンピックの開催が迫る中で、スポーツ機能やスポーツテイストを生活全体に取り込んだスポーツライフスタイルウエアが求められているとの認識を基に提案。展示会では多様な快適素材を使った、スポーツでも、アスレジャーとしても使えるウエアの製品例を披露した。

 その一つ、高通気フィールドジャケットとパンツは、高通気素材の「エアインプレッション」を使用。ジャケットは高通気を保ちながら撥水性をもち、春夏の活動的なシーンを快適に過ごすことができる。パンツは高通気で衣服内コンディションを高め、快適運動と新しいシルエットを可能にした。

 また、新快適トラックジャケットとマルチフィールドパンツは、ポストジャージをコンセプトに開発。物性・機能・品位を高次元で融合させた「デルタ」を使い、リラックス感と表情豊かな外観、レトロなデザインにフレッシュな素材を加え、スポーツミックスの着こなしを可能にした。

 一方、素材の中で特に注力していたのが「デルタSLX」である。高バランス素材の「デルタ」とPTT繊維「ソロテックス」を糸の段階で融合させ、理想的な着圧感と高密度でナチュラルな質感を実現した。「デルタ」のソフトな伸びと「ソロテックス」の優れた復元性を複合することで、独自のストレッチ性も生み出した。さらに、吸汗速乾性、撥水性、強度・形態安定性、UVカット性・防透性なども兼ね備えている。

 同社ではこの新素材を、スポーツをはじめ、ファッション、学生服・ユニフォームなどの機能性衣料などへと幅広く用途展開する方針だ。展示会では、このほかに「涼感」「汗対応」「防水・防風」「ストレッチ」の快適四テーマに沿った素材など、スポーツの新しい流れをとらえた多様な素材を紹介していた。

OPPフィルム 10月の国内出荷は3%増、全用途で増加

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2018年12月5日

 日本ポリプロピレンフィルム工業会がこのほど発表した需給実績によると、10月のOPP(延伸ポリプロピレン)フィルムの国内出荷は前年同月比3%増の2万1700tとなり、2カ月ぶりに前年の水準を上回った。

 用途別では、

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帝人フロンティア 子会社がインテリア分野でライセンス契約締結

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2018年12月5日

 帝人は4日、帝人フロンティア子会社のテクセットが、チェコのラブミー社と「LAVMI(ラブミー)」ブランドの日本国内での包括的なライセンス契約を締結したと発表した。テクセットはリビング・インテリア商品の企画・販売を行っている。ラブミー社は壁紙・インテリア雑貨の企画・販売メーカー。

「LAVMI」のデザイン例
「LAVMI」のデザイン例

 テクセットはライセンス契約を受け、「ラブミー」を同社のインテリアブランドである「IN‐FA‐LA(インファラ)」のサブブランドと位置付け、カーテン、寝装品、ラグマット、クッションカバーなどに使用し、インテリア分野でトータルコーディネート提案を強化する。

 ラブミー社はシンプルでパワフルなグラフィックデザインと、洗練された色彩が特徴。チェコの首都プラハでの店舗展開を中心に、欧州をはじめとする世界20カ国以上でビジネスを行っている。

 また、デザイナーであるバベーダ・オンドローバ氏の独創的なデザインと、洗練された色彩の組み合わせは、チェコの代表的なデザインを集めた 「チェコデザインアイコン百選」として紹介されている。1997年にはスロバキア文化大臣グラフィックデザイン賞を受賞した。

デザイナーのバベーダ・オンドローバ氏
デザイナーのバベーダ・オンドローバ氏

 「ラブミー」ブランドの商品は、6日から国内の大手ライフスタイルショップで販売を開始し、その後、ECサイト(https://www.rakuten.co.jp/texet/)でも販売する。「ラブミー」ブランドの販売目標は初年度に5000万円、3年後に1億円の売上を目指す。

 

三菱ケミカルホールディングス 中計最終年度のコア営利目標を上方修正

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2018年12月5日

 三菱ケミカルホールディングスは、中期経営計画「APTSIS20」(2016~2020年度対象)で掲げる成長戦略を一段と加速させ、2020年度にはコア営業利益(IFRS)4100億円の達成を視野に入れていく方針だ。

中計の説明を行う越智社長
中計の説明を行う越智社長

 2018年度までの計画進捗を踏まえ、最終年度の目標数値の見直しを発表。ケミカルズの市況下振れやヘルスケアの事業環境悪化を、機能商品の成長戦略や産業ガスM&Aの効果などでカバーし、当初目標から収益の上積みを図っていく。

 4日に開催した事業説明会で、越智仁社長は「世界において保護主義の広がり、米中貿易摩擦、原油の乱高下など事業環境が大きく変化しており、中計の見直しを行った。従来はコア営業利益目標3800億円、目線を4300億円に置いていたが、コミットメントとして4100億円を設定した」と語った。

 またヘルスケアについては「当初目標を下回っているが、2023年度にはコア営業利益1000億円達成を目指す」考えだ。今年度については、「前中計で構造改革が一段落し、今中計では収益力が高まっている。世界経済が上向いていることに加え、中国の環境規制強化や過剰設備対策などにより事業環境が改善した。コア営業利益3500億円を1つの目安としているが、それを超える力がついてきた」とし、薬価改定や定修規模差などにより減益となるが、海外事業が伸びていることで当期利益を押し上げるとの見通しを示した。

 続いて中計の主要施策では、各事業領域の施策に加え、三菱ケミカルの統合効果と協奏による新しい技術領域・市場領域を使った成長、グローバル市場でのアクセス・マーケティング力強化、2015年を睨んだ次世代テーマの早期事業化、地球環境問題の深刻化に対応したKAITEKI経営の深化などを説明。ポートフォリオマネジメントでは6つの市場(モビリティ・エレクトロニクス・メディカル・ヘルスケア・環境エネルギー・パッケージ)にフォーカスし、2025年に向けて成長加速を図っていく。

 ポートフォリオ改革では3000億円の事業の再構築、グループ会社25%削減などに取り組んでいるが、今年度までに1000億円規模の事業撤退・売却を実施し、111社の関係会社を削減した。続いてフォーカス市場と基礎素材の成長戦略を説明。

 越智社長は「三菱ケミカル統合により、

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旭化成 「フロッシュ」のベビー向け洗剤を来年2月に発売

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2018年12月4日

 旭化成ホームプロダクツは3日、「Frosch(フロッシュ)」ブランドのベビー向け新商品、「フロッシュベビー ほ乳びん・食器洗い」を、来年2月1日に発売すると発表した。500ml入りで、希望小売価格は600円(税抜)。

フロッシュベビー
フロッシュベビー

 新商品は赤ちゃんのことを考えた「無香料・無着色・無リン」で、「弱酸性」「ノンアルコール処方」で手肌にやさしい、ほ乳びん用洗剤。ボトルも、愛らしいロゴが印象的なパステル調のデザインで、子育てに忙しい毎日をひととき癒してくれる。乳児期だけでなく、離乳食期にも、食器洗いとして継続して長く使うことができる。

 フロッシュは環境先進国ドイツで1986年に生まれ、世界40カ国以上で愛されているサステナブルハウスケアブランド。2012年に旭化成で食器用洗剤を販売開始後、現在では主婦の約70%の認知度を誇るブランドとなった。

 主力である〝生分解性〟で〝手肌にやさしい〟食器用洗剤を中心に、住居用洗剤カテゴリーの商品や衣料用洗剤・柔軟剤も販売しており、「衣・食・住」の洗剤カテゴリーを幅広くカバーしている。

 新商品により、同社は初めてベビーカテゴリーに進出。〝使う人の手肌にやさしい〟食器用洗剤として、今までフロッシュを使用したことがない人にも商品特性が理解され、試してもらえることを目指す。

 

旭化成ファーマ 関節リウマチ治療薬の在宅自己注射が保険適用に

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2018年12月4日

 旭化成ファーマは3日、関節リウマチ治療薬「ケブザラ皮下注150㎎シリンジ、同200㎎シリンジ」(一般名:サリルマブ/遺伝子組み換え)が、1日から在宅自己注射指導管理料対象薬剤となり、在宅自己注射が保険適用になったと発表した。また併せて、同日から投薬期間制限が解除された。

150㎎シリンジ
150㎎シリンジ

 ケブザラはインターロイキン 6(IL‐6)受容体に対するヒト型モノクローナル抗体で、関節滑膜での炎症に重要な役割を果たしていると考えられているIL‐6の作用を抑制する薬剤。同剤はサノフィ社とRegeneron社が共同で開発を行い、米国、カナダ、欧州をはじめ日本を含む世界19カ国で発売されている。

 日本ではサノフィ社が昨年9月に「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」の効能・効果で製造販売承認を取得し、11月に薬価基準に収載、今年2月から旭化成ファーマが発売している。

 関節リウマチの治療は長期に及ぶことがあり、患者の治療と日々の生活との両立を図る点で、通院の負担がより少ない治療が望まれるケースがある。旭化成ファーマは、ケブザラの在宅自己注射が保険適用になったことと、投薬期間制限の解除によって、患者や医療関係者に、より一層貢献できるものと考えている。

 なお、新医薬品は、厚生労働省告示第107号に基づき、薬価収載後1年を経過する月の末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。