旭化成 吉野彰名誉フェローが欧州発明家賞にノミネート

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2019年5月8日

 旭化成は7日、名誉フェローの吉野彰氏がリチウムイオン二次電池(LIB)の開発者として、欧州特許庁が主催する「欧州発明家賞」の非ヨーロッパ諸国部門のファイナリストにノミネートされたと発表した。

吉野 彰氏
吉野 彰氏

 2006年に設立された欧州発明家賞は、技術的・社会的・経済的に優れた発明に対して欧州特許庁が毎年付与しているもので、非ヨーロッパ諸国部門を含め産業部門・研究部門・中小企業部門・功労賞の5つの部門賞と、一般投票の結果で決まる「Popular Prize」がある。

 日本からは過去に、青色LED、免疫抑制治療薬、自動車のハイブリット制御システム、QRコード、カーボンナノチューブがノミネートされており、今回のLIBは6件目となる。部門ごとに3組ずつ、計15組から各部門の大賞が選ばれる予定で、LIBは非ヨーロッパ諸国部門でノミネートされている。

 受賞発表と表彰式は6月20日(現地時間)にオーストリア・ウィーンで行われ、15組の中から投票で決定される「Popular Prize」の結果も同日発表される。

 1983年に開発されたLIBは、繰り返し充電できる安全な電池として、90年代初めから始まったデジタル化やIT革命、モバイル社会を支えてきた。

 近年では、EV(電気自動車)への搭載など、地球温暖化対策の中で自然エネルギーの供給安定性を解決する手段としての活用が注目されており、今後もさらに社会的重要性が増していくことが見込まれている。

出光興産 徳山事業所で高効率ナフサ分解炉の起工式

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2019年5月7日

 出光興産は徳山事業所(山口県周南市)で、従来比約30%の省エネルギー効果がある高効率型ナフサ分解炉の建設起工式を、4月25日に行った。

鍬入れする八山所長
鍬入れする八山所長

 同社は装置の高効率化によるコスト競争力の強化を目的として、エチレン製造装置内にある旧型のナフサ分解炉2基を、高効率ナフサ分解炉一基へ更新することを決定した。2020年内の完成を予定。

 高効率ナフサ分解炉は、原料を短時間で熱分解しエチレンの得率を高め、熱効率を向上させる仕組みで、従来の分解炉によるエチレン生産時と比較し約30%の省エネルギー効果が発揮される。

 徳山事業所は、1957年に出光初の製油所として操業を開始し、1964年に石油化学工場を立ち上げた。現在は周南コンビナートを形成する中核企業として、国内生産量約11%のエチレンを生産しコンビナート各社へ安定供給するとともに、競争力強化に向けた取り組みを行っている。

 なお今回の更新は、工場の省エネルギー化を支援する経済産業省の「平成30年度省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」に採択されたもの。

 同社は、今後も事業活動に伴う環境負荷の低減に注力するとともに、地球環境と経済が調和した地域社会の形成への貢献を目指していく。

三井化学 市原工場で潤滑油配合剤の新プラント起工式を開催

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2019年5月7日

 三井化学は市原工場(千葉県市原市)で、炭化水素系合成油「ルーカント」を製造する新プラントの起工式を4月25日に執り行った。

佐藤 幸一郎常務執行役員 モビリティ事業本部長
佐藤 幸一郎常務執行役員 モビリティ事業本部長

 同製品については、市原工場内に年産2万tのプラントを新設することで、現在生産を行う岩国大竹工場(山口県和木町)と合わせて、生産能力をほぼ倍増にする。営業運転開始は、2021年2月を予定。

 「ルーカント」は同社が世界で初めて商品化した高性能炭化水素系合成油。粘度の温度依存性が小さく、剪断安定性・熱化学的安定性に優れるなどの特長を生かし、主に潤滑油の粘度調整剤として自動車ドライブラインのギア油、工業用潤滑油、グリースを含む極めて高い水準での品質が求められる用途に採用されており、主要な自動車メーカーや潤滑油メーカーに認証されている。

 また、「ルーカント」は世界的な低環境負荷(省燃費、長寿命)ニーズが広がる中、潤滑油添加剤パッケージ最大手・ルーブリゾールとの戦略提携により、潤滑油産業向けの販売を拡大中だ。

 同製品の安定的な供給能力の確保とさらなる事業強化を目的に今回、生産能力を増強し、三井化学とルーブリゾール両社で同事業の拡大・成長を図っていく考え。

財務省 第1四半期の国産ナフサ価格、6四半期ぶりに下落

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2019年5月7日

 財務省が26日に発表した貿易統計によると、第1四半期(1-3月期)の国産ナフサ価格は4万1200円/klとなり、2017年第3四半期(7-9月期)以来、6四半期ぶりの下落となった。

 為替が昨年第4四半期(10-12月期)から

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ショット 超低膨張ガラスなどで日本の宇宙市場開拓へ

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2019年4月26日

 ドイツの特殊ガラスメーカーであるショット(マインツ市)は、宇宙・天文分野での日本市場参入へ本格的に乗り出した。欧米州での数々の実績を背景に、大型望遠鏡や人工衛星をはじめ、日本での幅広い用途開拓を加速していく。

ELTの主鏡に使われるセグメント鏡の5分の1縮小モデル(右)と、軽量化反射鏡基板
ELTの主鏡に使われるセグメント鏡の5分の1縮小モデル(右)と、軽量化反射鏡基板

 同社は、パシフィコ横浜(横浜市西区)で26日まで開催の光技術総合展示会「OPIE19」内の「宇宙・天文光学EXPO」に出展中だ(ブース番号:C26)。

 今回は、同社が注力製品の1つに位置づける超低膨張ガラスセラミック「ZERODUR(ゼロデュア)」を主軸に展開している。

「ゼロデュア」が採用された超大型望遠鏡(ELT)の完成予想イメージ(写真提供 ESOL. Calçada)
「ゼロデュア」が採用されたELTの完成予想イメージ(写真提供 ESOL. Calçada)

 同製品は極めて低い熱膨張係数を実現した製品で、温度変化による膨張はほとんど起きない。この優れた特性によって最高の精度が保証される点が評価され、現在チリのセロ・アマソネス山に建設中の超大型望遠鏡(ELT)の反射鏡基板に採用された。

 展示会に先駆けて行われた記者向け勉強会で、ゼロデュア事業部のトーマス・ヴェスターホフ部長は、開発から50年が経つ今もなお、利用分野を拡大し続ける「ゼロデュア」の魅力について、 “ショット 超低膨張ガラスなどで日本の宇宙市場開拓へ” の続きを読む

新生ダウ日本 研究開発に注力、イノベーション志向を追求

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2019年4月26日

 ダウ・ケミカル日本は24日、新生ダウの事業戦略およびダウ・ケミカル日本の事業体制についてメディア向け説明会を開催した。

ピーター・ジェニングス社長
ピーター・ジェニングス社長

 新生ダウは今年41日、ダウ・デュポンより素材科学部門を分割し独立。31カ国に113ヵ所の製造拠点を持ち、世界160カ国で事業展開、売上高500億ドル、EBITDA91億ドル(2018年度実績)の企業としてスタートした。

 ダウ日本のピーター・ジェニングス社長は「新生ダウは効率的かつ焦点が明確なポートフォリオを持ったことで、より良く強力な企業となった」とし、「ダウの目標としては

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【わが社のオンリーワン製品1】東レ 多層積層フィルム「PICASUS」

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2019年4月26日

 東レの「PICASUS(ピカサス)」=写真=は、種類の異なる一層が約100nmのポリマーを、800~1000層積層させた金属光沢調フィルムである。積層型フィルムは他社にもあるが、これほど多くの積層数を持つものはない。

PICASUS ポリエステルが主成分で、金属を全く入れていないことから、電波の透過性に優れている。非金属でありながら金属と同等の光沢があるため、塗装やメッキが必要な用途に代替でき、環境負荷の低減に貢献する。

 通常のポリエステルフィルムに比べ成形性が優れているので、樹脂とのインサート成形や射出成型の表面に使うことも可能だ。裏面に着色することで多様な

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出光興産 最新鋭大型原油タンカーの竣工式を開催

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2019年4月24日

 出光興産は名村造船所の伊万里事業所で建造された最新鋭の31万t大型原油タンカー(VLCC)の竣工式を、17日に開催した。両社長が出席した式では同船を「APOLLO ENERGY(アポロエナジー)」と命名するとともに、名村造船所から引き渡しを受けた。

名村造船所 伊万里事業所にて「APOLLO ENERGY」が竣工
名村造船所 伊万里事業所にて「APOLLO ENERGY」が竣工

 同船は、100%出資子会社である出光タンカーの船隊整備の一環として、2016年に発注された最新鋭のマラッカマックス型(マラッカ海峡を通過できる最大船型)のVLCC。

 出光タンカーは1962年に当時世界最大の13万tタンカー「日章丸」を、1966年には世界で初めて20万tを超えるVLCC「出光丸」を建造するなど、大型タンカーのパイオニアとしてVLCCの建造と運航で海運業をリードしてきた。

 近年では2014年に従来船と比較し1割以上の燃料消費量削減を実現した31万tタンカーの「APOLLO DREAM」を建造し、環境に配慮した技術の導入にも取り組んでいる。

 今回竣工した「アポロエナジー」は、名村造船所独自の技術であるNCF(プロペラ前方の整流装置)や超燃費削減型の船底外板塗料の採用など燃料消費量の削減に注力。

 また、2006年にILO(国際労働機関)により発効された海上の労働に関する条約「MLC、2006」を設備面でも適用しており、乗組員の生活環境にも配慮している。20年間の長期使用を目指し、航海に欠かすことのできない無線・航海計器が故障した際に、陸上から不具合部位を特定できる監視システムを採用するなど、乗組員による保守整備作業を容易にする、

 新しい技術も採用している。出光興産は同船を船隊に加えることにより、日本のエネルギーセキュリティに貢献するとともに、環境への取り組みを一層強化していく。