成長事業であるDSとLSに注力、企業価値の向上に邁進
━足元の状況について。
昨年はコロナ禍においても、デジタル化の進展により半導体を主とする電子材料は好調だった。今年度に入ってからも、さらにデジタルソリューション(DS)事業の市場は向上しており、昨年を上回ることが予想されている。当社もこの好況をしっかり捉え、シェア拡大に注力していく。またライフサイエンス(LS)事業についても、当社のバイオ医薬品のCDMO(開発・製造受託)のパイプラインは拡大しており、今後も堅調に伸びていくと見ている。石油化学系事業についても、昨年後半から回復基調が継続している。
当社は、以前から2025~2030年の間にドラスティックな環境変化が起こると想定し、様々な準備を進めてきた。しかし、コロナ禍によってそれが前倒しで具現化しており、まさに何が起こってもおかしくない状況に突入したと言える。
━3月発表の経営方針の内容について。
経営方針の策定にあたり、強い体質で将来にわたって生き残って成長を続けるために、サステナビリティ(持続可能性)とレジリエンス(強靭性)を判断基準とし、全ての事業について見直しを図った。その結果、


昨年の石化製品の需要は4-6月が底となり、一部の事業では7-9月にも響いた。しかし10月以降は持ち直し、足元では自動車を中心に回復基調を強めている。IMFの発表では、世界のGDPの成長率は昨年がマイナス3.3%だったが、今年は6%、来年は4.4%の成長を見込むなど、世界経済は、コロナ禍当初には想像できなかったスピードと力強さで立ち直りつつある。中でも、GDPが昨年のコロナ禍でも2.3%、そして今年の見通しが8.4%と勢いのある中国が、牽引役となっていくだろう。
2019年の半ばごろから、徐々に景気後退の傾向が出てきており、昨年初頭にはコロナの影響で、一気に世界中が大打撃を受けた。加えて、原油急落に連動し国産ナフサが4万5000円/klから2万5000円/kl程度まで下落したことから、利益面では在庫評価損が大きく響いた。足元では、コロナ禍にあっても昨年の後半ごろから数量的には世界経済が回復しつつある。
2020年度を振り返ってみると、上期(4-9月期)はナフサ価格の急落に伴う在庫評価損や川下製品の需要減少など、コロナ禍の影響を大きく受けた。オレフィンやポリプロピレン(PP)の販売が落ち込む中、特にPPは自動車関連用途の需要鈍化が響き、ナフサクラッカーの稼働率も低下した。しかし、下期(10-3月期)には自動車産業をはじめとした世界経済の回復とともに原燃料価格が上昇に転じ、製品市況が上向いてきたことでスプレッドが拡大し、クラッカーも高稼働を回復した。
2020年は、新型コロナにより需要が落ち込む中、2019年末より中国・韓国では製油所・クラッカーの新増設があり、順調に稼働したことから供給過剰となった。その結果、需給バランスが大きく崩れ、上期には市況が大きく下落し当社の業績も悪化した。しかし昨年度後半から、中国経済が立ち直り、各国の経済活動も活発化し始めた。自動車生産が本格化してきたことに加え、生活必需品の需要も底堅く推移したことから、石化製品の需要も回復傾向となっている。