信越化学工業 塩化ビニル樹脂を値上げ、コスト上昇に対応

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2021年6月3日

 信越化学工業は2日、塩化ビニル樹脂(塩ビ)について、7月1日納入分から国内向け販売価格を値上げする、と発表した。改定幅は「10円/kg以上」。

 同社は、今年4月に塩ビの原料であるエチレン価格の上昇を理由に値上げを実施したが、その後も原油ならびにナフサ価格が上昇している。また、安全・安定操業と品質の維持を継続するための設備メンテナンス費用の上昇も続いている。同社は継続的にあらゆるコスト低減に努めているが、今回の原料価格の上昇および諸コストの上昇は企業努力の限界を超えるものとなっており、塩ビの今後の安定供給を維持するためにも、値上げせざるを得ないと判断した。

 なお、海外ではアジアや米国を中心に需要が伸長する中、欧米の一部メーカーでフォースマジュールが出ており、世界の需給はひっ迫した状況となっている。

デンカ ABS樹脂など9製品値上げ、コスト上昇に対応

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2021年6月2日

 デンカは1日、「ABS樹脂」「デンカIP」「透明樹脂」「クリアレン」について今月15日納入分から値上げすると発表した。対象商品はデンカAS、デンカABS、デンカ耐薬ABS(SRシリーズ)、デンカABSコンパウンド(ガラス繊維強化、摺動、PCアロイなど)、デンカ耐熱ABS「マレッカ」、「デンカIP」、デンカ透明ABS(TE、CL)、デンカ透明樹脂(TP、TH、TX各シリーズ)、「クリアレン」で、改定幅はいずれも「25円/kg」となっている。

 国産ナフサ価格および各種原材料価格が上昇しており、ユーティリティコストと物流費についてもコストアップとなっている。こうした中、同社は、継続してコスト削減に取り組んでいるものの、製品の安定供給と事業の維持継続のため、価格改定せざるを得ないと判断した。

 

塩ビ樹脂 6月のインド向け輸出、大幅安の決着に

2021年6月2日

前月までの高騰の反動、コロナ影響で稼働低下も

 塩ビ樹脂(PVC)の6月分のアジア輸出価格は、インド向けが前月比220~240ドル安のCFR1580~1600ドル/t、中国その他向けは同200ドル安の1340ドル/tで決着した。インド向けは3カ月ぶりに、中国は13カ月ぶりの値下げとなっている。

 世界のPVC市場は、

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PSジャパン PSを値上げ、「27円/kg以上」で実施

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2021年6月2日

 PSジャパンは1日、ポリスチレン樹脂「PSJ-ポリスチレン」を7月1日出荷分から値上げすることを決め、需要家との交渉を開始したと発表した。改定幅は、全グレードが「27円/kg以上」となっている。

 原油とポリスチレンの主原料であるナフサやベンゼンが騰勢を強め、同社の原料コストは大幅に上昇している。これらのコスト上昇を全て自助努力で吸収するのは極めて困難な状況にあるため今回、価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

ENEOS 6月のベンゼンACPは前月比25ドル安

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2021年6月2日

 ENEOSは1日、6月分のベンゼンACP(アジア契約価格)を970ドル/tで決着したと発表した。5月のアジアベンゼン市況は、原油価格の上昇はあったものの、後半にかけての欧米ベンゼン価格の下落影響を受けて軟調に推移した。こうした市場環境を反映し、6月ACPは前月比25ドル/t安で決着した。

 なお、国内価格換算想定値は、111.8円/kgとなる。

アジア石化市況 エチレン上昇基調で1100ドル台

2021年6月1日

ベンゼンは上昇基調を継続も、SMは調整局面に

 アジア地域の4月第5週の石化市況では、エチレンは前週比17ドル高の1110ドル/tでの取引となった。これで5週連続上昇となり、3月2週以来となる1100ドル台を回復した。アジア地域では各エチレンセンターの定修により、需給のタイト感から上昇基調が続いている。ナフサとのスプレッドも、

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住友化学 塩酸を値上げ、補修費などコスト上昇に対応

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2021年6月1日

 住友化学はこのほど、塩酸について6月1日からの値上げに向け需要家との交渉に入る、と発表した。改定幅は「5円/kg」。

 塩酸は、製造設備や中継タンクの高経年化に伴い補修費が年々増加しているほか、安定輸送のための車両・船舶更新や人件費の上昇により物流費も高騰している。こうした中、同社は様々なコスト削減に取り組んできたが、自助努力だけでこれらの増加費用全てを吸収することは困難と判断し、安定供給を継続するためにも、今回の値上げを決定した。

積水フーラー 接着剤製品を値上げ、原料上昇に対応

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2021年6月1日

 積水化学工業とH.B.フーラーカンパニーの合弁会社である積水フーラーは31日、接着剤製品について、6月14日出荷分より順次値上げすると発表した。対象商品は、包装用・製本用・衛材用ホットメルト系接着剤全般、エマルジョン 住宅建材用反応系接着剤、溶剤系接着剤全般などで、改定幅は「10%以上」。

 同接着剤の主原料である石油系原材料などの価格が高騰している。こうした中、同社は、引き続きコスト削減と事業構造改革を推進してきたが、原材料価格の上昇分を吸収しきれず、その一部を販売価格に転嫁せざるを得ない状況にあることから、製品の安定供給を維持するためにも今回の値上げを決定した。