塩ビ樹脂 11月のインド向け輸出価格、2000ドル突破

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2021年11月5日

中国が電力不足で供給減少、需給が一段とひっ迫

 塩ビ樹脂(PVC)の11月分のアジア輸出価格は、インド向けが前月比170ドル高の2050ドル/t、中国その他向けは同250ドル高の1640ドル/tで決着した。台湾大手メーカーも、インド向け同250ドル高の1860ドル/t(ボリュームディスカウントなし)、中国向け同250ドル高の1640ドル/t(同なし)で決着している。両地域とも、大幅高となった前月からさらに上昇しており、過去最高レベルとなっている。

 その要因として、

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カネカ 塩ビ樹脂を再値上げ、原燃料価格の高騰に対応

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2021年11月5日

 カネカはこのほど、塩化ビニル樹脂の全品種について11月20日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、汎用塩化ビニル樹脂のほか、塩化ビニルペースト樹脂を含む特殊塩化ビニル樹脂全ての品種で、改定幅は「40円/kg以上」。

 同社は、今年に入り3月と6月に価格改定を実施したが、その後もナフサをはじめとした各種原燃料が高騰を継続。これに伴い、原材料・ユーティリティ・物流・設備の保守保全などにかかる全てのコストが急増している。同社は、国内への安定供給を果たすため、価格改定が必要と判断した。

三菱ケミカル 酢酸ビニルモノマーを値上げ、原料価格が上昇

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2021年11月5日

 三菱ケミカルは4日、酢酸ビニルモノマーについて、11月8日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「30円/kg」。

 当該製品の原料であるエチレンおよび酢酸などの価格は想定以上に上昇を続けている。同社は、これらのコスト上昇分を、自助努力のみで吸収することは困難であることから、今後の安定良い卯休を維持するため、値上げせざるを得ないと判断した。

トクヤマ 化学品3製品を値上げ、採算是正を図る

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2021年11月4日

 トクヤマは2日、液体塩化カルシウム、重曹(重炭酸ナトリウム)、イソプロピルアルコール(IPA)の3製品について、12月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、液体塩化カルシウムが「10円/kg以上(固形換算)」、重曹が「22円/kg以上」、IPAはローリーが「18円/kg以上」、容器が「30円/kg以上」となっている。

 昨今の原燃料価格の高騰による製造コストの上昇、物流費や物流インフラを中心とした設備の維持・更新コストも上昇しており、事業採算が大幅に悪化している。同社は、今後も安定供給を長期的に継続していくにあたり、これらのコスト上昇を自社の合理化努力のみで吸収することは困難と判断し、3製品について価格の修正を決定した。

東ソー ポリエチレン全製品を再値上げ、ナフサ高に対応

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2021年11月4日

 東ソーは2日、ポリエチレン(PE)樹脂全製品について、11月22日納入分から「14円/kg以上」値上げすると発表した。なお、同社は11月1日からの値上げを実施しており、3週間後の再値上げとなっている。

 対象製品は、低密度PE「ペトロセン」、直鎖状低密度PE「ニポロン-L」「ニポロン-Z」、超低密度PE「LUMITAC」、高密度PE「ニポロンハード」「ニポテック」、エチレン酢酸ビニル共重合体「ウルトラセン」、ポリオレフィン系接着性樹脂「メルセン」、高溶融張力PE「TOSOH-HMS」。

 PE樹脂の主原料である国産ナフサ価格は、原油価格の上昇に加え、アジア域内の堅調な需要を受けて騰勢を強めており、6万7000円/klに迫る水準まで上昇している。同社は、徹底したコスト削減に努めているものの、こうした急激なコスト事情の悪化は自助努力のみで吸収することが極めて困難であることから、今後の安定供給を図るためにも値上げせざるを得ないと判断した。

三井化学 アセトンなど4製品を値上げ、原料・包材費高で

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2021年11月4日

 三井化学は2日、アセトン(AC)、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、MIBK類を、今月11日出荷分から値上げすると発表した。値上げ幅はナフサ上昇分に対し、ACが「16円/kg」、IPAが「13円/kg」、MIBKとMIBK類が「21円/kg」。ドラム缶入りはそれぞれさらに「10円/kg」プラス。

 対象製品は8月にも値上げを実施しているが、その後も主原料のナフサ価格は高騰を続け、今年7-9月期は5万3700円/kl近辺にまで上昇、足元では6万5000円/klを超える状況にあり、10-12月期には6万2000円/kl程度と大幅な上昇が見込まれている。加えて、鋼材の上昇とドラム缶の需給ひっ迫のため、世界的にドラム缶の価格が大幅に上昇しており、同社が調達するドラム缶についても大幅な値上げを受けている。

 こうした中、コスト低減に取り組んでいるが、ナフサ価格とドラム容器の高騰は自助努力の範囲を超えていることから、安定供給体制の維持を図るためには、価格改定せざるを得ないと判断した。なお、想定したナフサ水準が変動する場合は、改定幅の修正もあるとしている。

シージーエスター フタル酸系可塑剤など10日から値上げ

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2021年11月2日

 シージーエスターはこのほど、フタル酸系可塑剤(DOP、DINP、DBP、PL-200)とイソフタル酸系可塑剤(DOIP)について、11月10日納入分からの値上げを決定し、ユーザーとの交渉を開始すると発表した。改定幅はDOP、DBP、DOIPが「46円/kg以上」。DINPが「20円/kg以上」、PL-200が「10円/kg以上」。

 高騰するナフサ価格の影響により、可塑剤の原料アルコールと酸の価格が上昇、また、前回の価格改定で大幅な値上げを実施したDINPについても、原料のイソノニルアルコールが依然として高止まりしている。

 同社は継続的なコスト削減に注力しているが、原料コストの上昇に諸経費増の負担も加わり、自助努力の範囲を超えるものとなっている。今後の安定供給を維持するためにも、価格改定による採算是正が必要だと判断した。