アジア石化市況 エチレン3週ぶり900ドル台回復

2021年8月3日

ベンゼンは上昇基調、スチレンモノマーも連れ高

 アジア地域の7月第1週の石化市況では、エチレンは前週比62ドル高の950ドル/tでの取引となった。2週連続の上昇となり、3週ぶりに900ドル台を回復している。誘導品の採算が改善しエチレン需要が戻ってくる中、定修やプラントトラブルなどにより供給が絞られ、需給にタイト感が出ている。原油・ナフサ価格が上昇基調を強めていることもあり、前週から急騰する結果となった。

 スプレッドについても、

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デンカ クロロプレンゴムを値上げ、安定供給維持を図る

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2021年8月3日

 デンカは2日、クロロプレンゴム(CR)「デンカクロロプレン」について、今月16日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、国内分が「38円/kg以上」、輸出分が「500ドル/t以上」「450ユーロ/t以上」となっている。

 CRの世界市場は好調な需要を背景に需給バランスがひっ迫しており、すべての需要に応じられない状況が続いている。また、原燃料価格の上昇による製造コスト増は自助努力の限界を超えている。こうした中、同社は、製品の安定供給ならびに事業の維持継続を図るため、今回、値上げせざるを得ないと判断した。

ENEOS 8月のベンゼンACPは前月比25ドル高

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2021年8月3日

 ENEOSは2日、8月分のベンゼンACP(アジア契約価格)を1065ドル/tで決着したと発表した。7月のアジアベンゼン市況は、堅調な域内需要に支えられ、堅調に推移した。こうした市場環境を反映し、8月ACPは前月比25ドル/t高で決着した。

 なお、国内価格換算想定値は、122.2円/kgとなる。

東亞合成 アクリルモノマー値上げ、安定供給維持で

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2021年8月2日

 東亞合成は30日、アクリルモノマー製品「アクリックスC-1」(化学品名:アクリル酸2-メトキシエチル)について、8月1日出荷分から値上げすることを決め、需要家との交渉に入ると発表した。改定幅は「25円/kg以上」。

 同製品の主原料は、需給ひっ迫により市況が高騰していることから、調達価格も大幅に上昇している。同社では、生産効率化や物流合理化によるコスト削減に努めてきたが、自社での吸収は困難であり、適正品質の製品を安定供給していくためには、製品価格の是正が必要だと判断した。

出光ファインコンポジット 合成樹脂複合材料を再値上げ

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2021年8月2日

 出光ファインコンポジット(旧出光ライオンコンポジット)は30日、オレフィン系合成樹脂複合材料「カルプペレット」について、8月20日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「10円/kg以上」。

 同社は、6月21日納入分から値上げを実施していたが、足元の原油価格は、OPECプラスによる協調減産の段階的な縮小が行われる一方、コロナワクチンの普及による経済活動の回復傾向や、輸送用燃料などの需要の増加を受け、高止まりとなっている。国産ナフサ価格についても、原油価格の高止まりと堅調な需要により、前回の価格改定時に想定していた水準を超えて推移している。

 同社は、今後も最大限の合理化努力を継続していくものの、こうした原料コストアップの吸収は自助努力だけでは困難と判断し、今回の再値上げを決定した。

ジェイ・プラス 可塑剤を値上げ、コスト高に対応

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2021年7月30日

 ジェイ・プラスは29日、アジピン酸系およびポリエステル系可塑剤について、8月10日納入分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、アジピン酸系可塑剤(DOA/DINA/D610A)が「30円/kg以上」、ポリエステル系可塑剤が「50円/kg以上」となっている。

 原油・ナフサ価格の高騰や需給ひっ迫を受け、可塑剤原料価格が上昇しており、加えて包材費などの諸経費も上昇を続けている。こうした中、同社は、今後とも可塑剤の安定供給を継続するために、値上げせざるを得ないと判断した。

三井化学 アセトンなど4製品を再値上げ、ナフサ高対応

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2021年7月30日

 三井化学は29日、アセトン(AC)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、MIBK類、イソプロピルアルコール(IPA)を、8月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、ACが「16円/kg」、MIBKとMIBK類が「21円/kg」、IPAが「13円/kg」。

 同製品については今年3月にも値上げを発表しているが、それ以降も主原料であるナフサ価格は騰勢を強め、2Q(4-6月期)は4万8000円/kl近くにまで上昇、/kl3Q(7-9月期)も5万5000円/kl程度と大幅な上昇が見込まれている。

 こうしたナフサ価格高騰は自助努力の範囲を超えるものであり、安定供給体制の維持を図るためにも価格改定せざるを得ないと判断した。なお、想定したナフサ水準が変動する場合は、改定幅を修正する場合もあるとしている。