デンカ ABS樹脂など9製品を値上げ、コスト上昇に対応

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2021年2月3日

 デンカはこのほど、「ABS樹脂」「デンカIP」「透明樹脂」「クリアレン」について今月15日出荷分から値上げすると発表した。対象商品はデンカAS、デンカABS、デンカ耐薬ABS(SRシリーズ)、デンカABSコンパウンド(ガラス繊維強化、摺動、PCアロイなど)、デンカ耐熱ABS「マレッカ」、「デンカIP」、デンカ透明ABS(TE、CL)、デンカ透明樹脂(TP、TH、TX各シリーズ)、「クリアレン」で、改定幅はいずれも「25円/kg」となっている。

 国産ナフサ価格および各種原材料価格が上昇しており、ユーティリティコストと物流費についてもコストアップとなっている。こうした中、同社は継続してコスト削減に取り組んでいるが、製品の安定供給と事業の維持継続のため、価格改定をせざるを得ないと判断した。

クラレ 安定供給維持のため今月末からEVOH製品を値上げ

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2021年2月3日

 クラレは2日、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)製品「エバール」、回収助剤「GFシリーズ」、パージング材「ETC-103」について、今月22日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、国内向けが「20円/kg」、アジアパシフィック向けが「0.2USドル/kg」。 

 対象製品の安定生産と安定供給を図るための設備維持、更新費用などの高騰により、製造コストが上昇しており、自助努力によるコスト吸収の範囲を超えるものとなっている。こうした環境下、同社は採算改善を行い、安定供給を維持するために、今回、価格改定の実施を決定した。

クラレ PVA樹脂など4製品を値上げ、採算改善を図る

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2021年2月3日

 クラレは2日、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂「クラレポバール」「エルバノール」、PVA系樹脂「エクセバール」「モビフレックス」の4製品について、今月4日出荷分から値上げすると発表した。地域別の改定幅は、国内向けが「25円/kg以上」、アジアパシフィック、北米、南米、中東、アフリカ向けは「0.25USドル/kg以上」、欧州向けは「0.2ユーロ/kg以上」となっている。

 現在、PVA樹脂の需給バランスはタイトな状況が継続しており、また、対象製品の各種コストの上昇は自助努力によるコスト吸収の範囲を超えるものとなっている。このような状況下、同社の事業収益は一段と悪化が進んでいるが、採算改善を行い、安定供給を維持するために、今回の価格改定を実施する。

 

サンアロマー ポリプロピレンを値上げ、ナフサ高に対応

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2021年2月2日

 サンアロマーはこのほど、ポリプロピレン(PP)を今月16日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「15円/kg以上」。

 ナフサ価格は、米国・中国を中心に各国の財政出動で景気の回復傾向が鮮明となっていることを背景に急速に上昇を続けている。そのため国産ナフサ市価はすでに4万円/klに到達してさらなる上昇も予想される状況。同社は、昨年9月に国産ナフサ市価3万3000円/klを前提に値上げを打ち出したが、コストダウンの努力も限界に達しており、コスト上昇分を価格に転嫁せざるを得ないと判断した。なお、ナフサ価格が想定より大幅に上昇した場合は改定幅を変更することもあるとしている。

 

三菱ケミカル エチレングリコール類を値上げ、採算是正を図る

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2021年2月2日

 三菱ケミカルは1日、エチレングリコール類を今月15日納入分から値上げすると発表した。対象製品は、「モノエチレングリコール」「ジエチレングリコール」「トリエチレングリコール」で、改定幅はいずれも「7円/kg以上」となっている。

 国産基準ナフサ価格は、原油価格上昇の影響を受け、今年1Q(1-3月期)はおおむね4万円/kl程度に上昇する見込みとなっている。同社は、こうした原料価格上昇に伴う大幅なコストアップ分を自助努力のみで吸収することは困難であると判断した。

 

ENEOS 2月のベンゼンACPは前月比25ドル高に

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2021年2月2日

 ENEOSは1日、2月分のベンゼンACP(アジア契約価格)を660ドル/tで決着したと発表した。1月のアジアベンゼン市況は、誘導品市況低迷の影響を受けたものの、原油価格の上昇により前月比で上昇した。こうした市場環境を反映し、2月ACPは前月比トン25ドル高で決着した。

 なお、国内価格換算想定値は、74.4円/kgとなる。

ポリオレフィン 各社の値上げ出揃う、原料高に対応

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2021年2月2日

 ナフサ急騰に加えコストも上昇、採算是正を図る

 ポリオレフィンであるポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)メーカー各社の原燃料高やコスト上昇に対応した値上げが出揃い、実施に向けユーザーとの交渉が本格化している。改定幅を見ると、PEでは、日本ポリエチレン、旭化成、東ソー、宇部丸善ポリエチレンが「15円/kg以上」、住友化学とプライムポリマーが「10円/kg以上」となり、PPでは、日本ポリプロ、プライムポリマー、住友化学が「10円/kg以上」、サンアロマーが「15円/kg以上」で打ち出した。

 原料となるナフサ価格は、ここにきて急速に上げ足を強めている。昨年は、原油急落や新型コロナウイルス感染拡大による需要悪化を背景に、2Q(4-6月期)の国産ナフサは2万5000円と1Q(1-3月期)から約2万円暴落。その後、OPECの協調減産の再開や、中国がいち早く景気を回復させたこともあり、3Q(7-9月期)は3万200円と大きく反発し、4Q(10-12月期)も3万1300円と上昇基調を継続した。

 しかし、市場で取引されるスポットナフサ価格は、12月に入り急騰。OPECの協調減産の延長が決定したことに加え、コロナワクチンの各国承認が進んだこともあり、12月頭の408ドルから月末には487ドルと1カ月で約80ドルも上昇した。さらに年明けにはサウジアラビアが単独で追加減産を発表したことから、一気に500ドルを突破。世界各地でコロナ感染の再拡大によるロックダウンの動きが出るなど、やや頭打ちになっているものの、足元では510ドル台で推移している状況だ。スポットナフサを月の平均価格で見ても、11月の384ドルから12月は449ドル、1月は513ドルと、約65ドルずつ下値を切り上げている。

 こうした中、現在の為替水準で試算した国産価格は4万円/klレベルで推移しており、1Q(1-3月期)の国産ナフサ価格は3万7000~3万8000円程度になるとの見方が強い。これに加え、設備老朽化によるメンテナンス費の増加、ユーティリティや物流費などのコスト高も収益を圧迫しており、ポリオレフィン事業は採算性が厳しさを増している。メーカーサイドは、安定供給を図るため、原料価格の上昇をタイムリーに製品価格に転嫁することが最大の課題。そのため、関係ユーザーとの早期決着を目指しており、値上げ実施に向け価格交渉は一段と本格化する見通しだ。