ナフサ・ベンゼンが騰勢を継続、採算是正を図る
ポリスチレン(PS)メーカー3社の原料高に対応した2四半期ぶりの値上げが出揃い、4月1日の実施に向けユーザーとの交渉が本格化している。改定幅は、
2022年3月10日
2022年3月10日
2022年3月9日
三菱ケミカルと三菱ケミカルメタクリレーツは8日、MMA(メタクリル酸メチル)、MAA(メタクリル酸)、メタクリル酸エステル類の国内価格について、4月1日出荷分からの値上げを決め、取引先との交渉を開始したと発表した。改定幅はMMA、MAA、メタクリル酸エステル類(BMA、HEMAなど)とも「25円/kg以上」。
同社は、主要原料の1つであるナフサ価格の上昇などを背景に、今年2月1日出荷分から当該製品の価格改定を行った。しかしその後も国産ナフサ価格は高騰し、7万円/klを超える水準まで達している。加えて、アンモニア価格の上昇、原油高や天然ガス価格高騰によるユーティリティコストの上昇、物流費、その他副原料の上昇で、MMAとその誘導品の製造コストはさらに上昇している。
同社は、今後も国内顧客へ良品質の製品を安定的に供給していくために、値上げせざるを得ないと判断した。
2022年3月9日
JNCは8日、オキソ誘導品について今月22日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、ノルマルブチルアルデヒド(NBA)、イソブチルアルデヒド(IBA)、オクタノール(OA)、ノルマルブタノール(NBO)、イソブタノール(IBO)、CS‐12、CS‐16、オクチル酸、酢酸イソブチルで、改定幅はいずれも「45円/kg以上」。
同社は、国産ナフサ価格が第2四半期(4-6月期)には7万円/klを超える想定の下、先月から国内各需要家に対し値上げ交渉を行ってきた。しかし、直近の国産ナフサ価格の騰勢は8万円/klを超える想定に達している。また、荷造費や燃料高騰による物流費の上昇も続いており、自助努力によるコスト上昇の吸収は極めて困難な状況にある。
こうした状況を鑑みて、同社は、需要家への安定供給体制を維持するために、さらなる値上げが避けられないと判断し、今回、改定幅の修正を決定した。
2022年3月9日
2022年3月8日
三菱ケミカルおよび三菱ケミカルメタクリレーツは7日、PMMAレジン「アクリペット」とアクリルシート「アクリライト」の国内価格について、4月1日出荷分から値上げすることを決定し、取引先との交渉を開始したと発表した。改定幅はいずれも「20%」。
当該製品の国内需要は、コロナ禍において導光板などの巣ごもり需要が堅調に推移し、その他一般用途の需要も回復傾向が続いている。一方で、原料のMMAモノマーは、原燃料価格の高騰などにより製造コストが大幅な上昇を継続。また、国内外における物流費の高騰により、添加剤や梱包副資材などの価格も引き続き上昇していることに加え、工場のメンテナンス費用などのコストも上昇している。
こうした中、同社は、コスト上昇分を吸収するためこれまで自助努力を続けてきたが、これ以上の負担は極めて困難な状況にあることから、今後も国内顧客へ良質の製品を安定的に供給していくためには、値上げせざるを得ないとの判断に至った。
2022年3月8日
三井化学は7日、アセトン(AC)、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、MIBK類を、3月14日出荷分から値上げすると発表した。
改定幅は、ACが「39円/kg」(ナフサ上昇分:36円+用役・副原料上昇分:3円)、MIBKとMIBK類は「53円/kg」(同47円+6円)、IPAは「35円/kg」(同29円+6円)。対象製品の主原料であるナフサ価格は、今年1Q(1-3月期)は6万5000円/klを超える勢いで上昇しており、2Q(4-6月期)には8万円/klを上回る価格が見込まれている。また、重油や液化天然ガス(LNG)の価格上昇により、同社の用役費や副原料価格も大幅に上昇している。
こうしたコストの高騰は自助努力の範囲を超えるものであることから、安定供給体制の維持を図るためにも、価格改定せざるを得ないと判断した。なお、想定したナフサ水準が変動する場合は、さらなる価格改定もあるとしている。
2022年3月7日
2022年3月7日
KHネオケムは4日、各種化学品について、今月22日納入分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、オキソ系(オクタノール、オキソコール900、ノナノール、ブタノール、イソブタノール、酢酸イソブチル、オクチル酸、キョーワノイック‐N(イソノナン酸)、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、キョーワゾールC‐800、キョーワゾールC600M、キョーワノールM、トリデカノール)が「キロ43円以上」、アセトン系(アセトン、アセトン‐P)が「キロ39円以上」、ダイアセトンアルコール(DAA)およびメチルイソブチルケトン(MIBK)が「キロ53円以上」、ブチセルアセテート系(ブチセルアセテート、ブチセノール20アセテート)が「キロ55円以上」、ジオール(オクタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール(BEPG)、キョーワジオールPD‐9)が「20%以上」となっている。
なお、これら以外の少量販売品目も個別に値上げの実施を予定している。第2四半期(4―6月期)の国産ナフサ価格は8万円を超える水準が見込まれている。同社は、現在の急激な原燃料価格の上昇を自助努力で吸収するのは限界を超えており、国内安定供給を維持・確保するためにも、値上げが必要と判断した。
2022年3月7日
日鉄ケミカル&マテリアルは4日、各種エポキシ樹脂製品について4月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品および改定幅は、ビスフェノールA(BPA)・ビスフェノールF(BPF)系液状/固形エポキシ樹脂が「70円/kg以上」、BPA・BPF系液状エポキシ樹脂蒸留品が「100円/kg以上」、フェノキシ樹脂が「100円/kg以上」、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が「70~300円/kg」、結晶系エポキシ樹脂が「70~500円/kg」、ハロゲンフリー難燃(リン含有)エポキシ樹脂が「70円/kg以上」。
国産ナフサ価格は、昨年9月以降も上昇を続け、ベンゼンやフェノールをはじめとする基礎素材の高騰によるエポキシ樹脂の原料価格上昇に歯止めがかからない。また、エポキシ樹脂の主原料であるエピクロロヒドリンは供給タイトが継続し大幅に市況が上昇していることに加え、クレゾールやリン鉱石など供給制限に伴う原料価格の上昇も避けらない状況にある。
こうした中、同社は、原料安定調達のためには、上昇する原料価格を受け入れざるをえないため、今回、値上げを決定した。なお、今後の原料動向次第では、さらなる価格転嫁の可能性もあり得るとしている。