大王製紙 CNF半導体材料、大学などと共同開発へ

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2023年6月28日

 大王製紙はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)の新たな用途開発として、東北大学、東京大学、産業技術総合研究所(産総研)と共同で半導体材料開発を開始すると発表した。なお、開発テーマは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「NEDO 先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム」に採択され、今年度より4者で共同研究を行う計画。

CNF 半導体材料の開発

 大王製紙のCNFは

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NEDO CNF安全性評価書、応用開発と普及を後押し

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2022年12月8日

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)の安全性に関するこれまでのNEDO事業の成果や取り組み状況、国内外の論文情報をとりまとめた「セルロースナノファイバーの安全性評価書2022」を公開した。 

「セルロースナノファイバーの安全性評価書2022」(右)にとりまとめた情報

 NEDOは2020年度から、

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北越コーポレーション 電磁波ノイズ抑制シートを開発

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2022年8月8日

 北越コーポレーションはこのほど、これまで研究してきたセルロースナノファイバー(CNF)の技術と、コート紙製造などで培ってきた塗工技術を融合し、5Gや次世代移動通信システム「ビヨンド5G」にも対応可能な電磁波ノイズ抑制シートを開発した。

波ノイズ抑制シート (ハーフカット)

 従来の電磁波ノイズ抑制シートは、樹脂に磁性体を練り込んだ磁性シートが主流だが、同社が開発した電磁波ノイズ抑制シートは、カーボンナノチューブ(CNT)をシートの表面に塗布することにより、その厚さを0.055mm以下まで薄く、軽くすることを実現。同電磁波ノイズ抑制シートは、伝導ノイズと放射ノイズともに抑制効果があり、特に

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中越パルプ工業 CNFの再生プラ、農工大に寄附講座を設置

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2022年8月1日

 中越パルプ工業はこのほど、東京農工大学に寄附講座を開設し、循環型資源であるセルロースナノファイバー(CNF)を用い、新たなプラスチック再生技術の社会実装を目的とした取り組みを開始したと発表した。

 石油由来のプラスチックを使用後に回収し、 “中越パルプ工業 CNFの再生プラ、農工大に寄附講座を設置” の続きを読む

日本製紙 CNF蓄電体でLEDの点灯検証に成功

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2022年1月20日

 日本製紙はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)による蓄電体開発の中でLEDの点灯検証に成功した。学術実験以外の蓄電体実用化の検証実例としては、世界初だ。

 同社はTEMPO酸化CNF(工業用途全般)、

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中越パルプ 粉末状CNFがスニーカーの摩耗を4割低減

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2021年3月31日

 中越パルプ工業はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)「nanoforest」がスピングルカンパニー製スニーカーのラバーソール用添加剤として採用されたと発表した。

 スピングルカンパニー(広島県府中市)はスニーカーの企画・製造・販売を行うシューズメーカーで、日本人の足型研究でたどり着いた特徴的な履き心地に加え、パリコレクション、ミラノコレクションにも取り上げられる洗練されたデザイン性で人気を博している。

 同社は「nanoforest」のラバーソールへの配合検討を進め、バルカナイズ製法のスニーカー「スピングルムーヴ」の2つの新作モデルに採用した。アウトソールは植物由来の材料をゴムに練り込んだ「RUBEAR CNFソール」の採用で、従来のソールと比べ摩耗性を約40%低減し、耐久性と環境への配慮を兼ね備えた地球に優しい一足となった。

 今後、中越パルプは同社CNFのゴム成形加工分野での応用・実用化を目指し、丸紅と共に研究開発と営業展開の強化を図っていく。

 

中越パルプ工業 ACC法CNF、エレクトロ分野で採用

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2020年12月8日

 中越パルプ工業はこのほど、水中対向衝突法(ACC法)で製造したセルロースナノファイバー(CNF)「nanoforest(ナノフォレスト)」が、松尾ハンダ(神奈川県大和市)製造のソルダペーストの添加剤として採用されたと発表した。

CNF「nonaforest」添加剤としたソルダーペースト
CNF「nonaforest」添加剤としたソルダーペースト

 エレクトロニクス製品は、多くの電子部品によって構成され、電子部品と電子回路をつなぎ合わせる部品接合部材では、はんだが広く採用されている。近年、電子機器の開発は、高性能化、小型化、高出力化の方向へ移行しつつあり、それに伴い、はんだ接合部における品質向上が求められている。

 はんだ接合部の代表的な品質特性として、接合部の外観形状不良(ダレ等)、接合強度特性、内部欠陥(ボイド)、腐食などが挙げられる。さらに電子製品の長期連続使用において、ヒートサイクルによる疲労破壊が顕在化しており、耐温度サイクル特性の要求も高まっている。

ソルダーペースト使用例
ソルダーペースト使用例

 こうした中、松尾ハンダは、「nanoforest」を添加したはんだ付け材料の開発を推進。今回、ソルダペーストの添加剤として採用された。CNFを添加したソルダペーストは、金属粉の流動性及び揮発ガス吸着性能等が改善し、ダレ低減による外観形状不良の改善、はんだ内部の金属結晶組織の微細化による接合強度向上、流動性改善による内部欠陥(ボイド)低減、といった効果が期待できる。

 今後、様々な分野でますます電子制御化の加速が予想されており、高い品質を要求される電気自動車や各種精密機器などにおいて、「nanoforest」のさらなる応用・実用化が期待される。

大王製紙 EVレース車の車体外装全体にCNFを実装

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2020年9月23日

 大王製紙はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)の事業化に向けた取り組みとしてモータースポーツチーム・SAMURAI SPEED(東京都港区)にCNFを使ったシート成形体「ELLEX‐M」を提供し、車体外装全体へ実装されたと発表した。

ELLEX-M
ELLEX-M

 「ELLEX-M」はCNFとパルプ繊維を複合化したCNF高配合のシート状成形体で、軽量で強度は汎用プラスチック材料を大きく上回り、熱特性にも優れる。

 SAMURAI SPEEDは、米国開催のレース「パイクスピークインターナショナルヒルクライム」(標高差1500m、全長約20㎞のタイムトライアルレース)に2018年から電気自動車(EV)で参戦。CNF部材の実用可能性を探るため、エアロパーツからリアドアやボンネットへと実装範囲を広げてきた。

CNF複合樹脂
CNF複合樹脂

 3年目の今年は、コンペティション能力向上のために新規にプロトタイプEVを製作。車両軽量化のために「ELLEX‐M」を外装全体(ボンネット、ドア、リア、サイド)と内装(インストルメントパネル)に、さらに「減プラスチック」効果が期待できるCNF複合樹脂をドアミラーに使用した。

 今回は新型ウイルスの状況を鑑みて参戦は見送ったが、今年度中に開催される他レースへの参戦を検討している。レースでのCNF部材の軽量化効果と耐久性を検証し、一般車両への応用展開を進めていく考えだ。

 

大王製紙 高セルロース濃度CNF複合樹脂の供試を開始

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2020年9月18日

 大王製紙はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)の事業化に向け軽く強い特性を生かした樹脂複合化に取り組む中、セルロース濃度55%のCNF複合樹脂「ELLEX‐R55」の開発に成功し9月から供試を始めたと発表した。

 植物由来のCNFの特性を生かした、部分的にCNF化したセルロースの複合樹脂ペレット(濃度10%)のサンプル提供を2018年に開始。用途展開の可能性評価を行う中、最終製品の適性に応じたセルロース濃度や樹脂材料などの設計自由度を高めるために、セルロースの高濃度化を進めた。

 「ELLEX‐R55」はセルロース濃度が55%と高く、樹脂成形加工のニーズに合わせ、性能に応じたCNF濃度に希釈して使用できる。セルロース濃度10%程度でも樹脂単体に対し弾性率は1.7倍、強度は1.3倍に向上。材料の厚さの低減、軽量化、減プラスチックなど、環境省のプラスチック循環戦略に掲げる「2030年ワンウェイプラスチック25%減」への貢献も期待できる。

 「ELLEX‐R55」は同社紙パルプの製造基幹でCNFの製造拠点でもある三島工場(愛媛県四国中央市)で製造することで、製造・物流コストを低減する。さらなるコスト低減を目指し、CNFの前処理プロセスや複合樹脂の生産性の飛躍的改善のために新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発」プロジェクトに参画し、芝浦機械(静岡県沼津市)と共同で開発を進める。

 今後、「ELLEX‐R55」のサンプル提供を通じてニーズに適応した品質改善を進めつつ、CNFの早期事業化を加速させ、経営理念「地球環境への貢献」の取り組みを強化していく。

大王製紙 セルロース

中越パルプ工業 CNF複合樹脂MBの複数グレードを販売

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2020年9月3日

 中越パルプ工業はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)を活用する複合樹脂ペレット・マスターバッチ品「nanoforest‐MB」の販売を開始した。衝撃強度を強化したグレードをはじめ、複数の製品ラインアップを揃えている。

「nanoforest-MB」
「nanoforest-MB」

 CNFはプラスチック分野での低比重・高剛性化による軽量化が期待できる補強剤として、自動車産業をはじめ様々な産業分野で応用が試みられている。これまで同社は、CNF「nanoforest」を利用し、ポリプロピレン(PP)との複合を可能とした粉末グレード「nanoforest‐PDP」を提供。しかし、検討先でPPとの混練時にPDP分散性の課題があったことから、今回、PDPを事前にPPへ良分散させたMB品の提供を開始した。

 一方、CNF複合樹脂の実用化では、剛性が向上する一方で、固く脆い性質に起因する衝撃強度の低下が課題。特に自動車産業分野では衝撃強度の強化が望まれており、同社では標準グレードMB品に加えて、衝撃強度を強化した3種類のグレード「衝撃タイプ」「高剛性タイプ」「高衝撃タイプ」もラインアップした。

 同社では、さらなるMB開発として、剛性、軽量化以外の機能性付与の開発も進めている。今後、様々な分野での応用・実用化を目指し、丸紅と共に開発や営業展開の強化を図っていく考えだ。