日本製紙 CNF蓄電体でLEDの点灯検証に成功

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2022年1月20日

 日本製紙はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)による蓄電体開発の中でLEDの点灯検証に成功した。学術実験以外の蓄電体実用化の検証実例としては、世界初だ。

 同社はTEMPO酸化CNF(工業用途全般)、

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中越パルプ 粉末状CNFがスニーカーの摩耗を4割低減

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2021年3月31日

 中越パルプ工業はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)「nanoforest」がスピングルカンパニー製スニーカーのラバーソール用添加剤として採用されたと発表した。

 スピングルカンパニー(広島県府中市)はスニーカーの企画・製造・販売を行うシューズメーカーで、日本人の足型研究でたどり着いた特徴的な履き心地に加え、パリコレクション、ミラノコレクションにも取り上げられる洗練されたデザイン性で人気を博している。

 同社は「nanoforest」のラバーソールへの配合検討を進め、バルカナイズ製法のスニーカー「スピングルムーヴ」の2つの新作モデルに採用した。アウトソールは植物由来の材料をゴムに練り込んだ「RUBEAR CNFソール」の採用で、従来のソールと比べ摩耗性を約40%低減し、耐久性と環境への配慮を兼ね備えた地球に優しい一足となった。

 今後、中越パルプは同社CNFのゴム成形加工分野での応用・実用化を目指し、丸紅と共に研究開発と営業展開の強化を図っていく。

 

中越パルプ工業 ACC法CNF、エレクトロ分野で採用

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2020年12月8日

 中越パルプ工業はこのほど、水中対向衝突法(ACC法)で製造したセルロースナノファイバー(CNF)「nanoforest(ナノフォレスト)」が、松尾ハンダ(神奈川県大和市)製造のソルダペーストの添加剤として採用されたと発表した。

CNF「nonaforest」添加剤としたソルダーペースト
CNF「nonaforest」添加剤としたソルダーペースト

 エレクトロニクス製品は、多くの電子部品によって構成され、電子部品と電子回路をつなぎ合わせる部品接合部材では、はんだが広く採用されている。近年、電子機器の開発は、高性能化、小型化、高出力化の方向へ移行しつつあり、それに伴い、はんだ接合部における品質向上が求められている。

 はんだ接合部の代表的な品質特性として、接合部の外観形状不良(ダレ等)、接合強度特性、内部欠陥(ボイド)、腐食などが挙げられる。さらに電子製品の長期連続使用において、ヒートサイクルによる疲労破壊が顕在化しており、耐温度サイクル特性の要求も高まっている。

ソルダーペースト使用例
ソルダーペースト使用例

 こうした中、松尾ハンダは、「nanoforest」を添加したはんだ付け材料の開発を推進。今回、ソルダペーストの添加剤として採用された。CNFを添加したソルダペーストは、金属粉の流動性及び揮発ガス吸着性能等が改善し、ダレ低減による外観形状不良の改善、はんだ内部の金属結晶組織の微細化による接合強度向上、流動性改善による内部欠陥(ボイド)低減、といった効果が期待できる。

 今後、様々な分野でますます電子制御化の加速が予想されており、高い品質を要求される電気自動車や各種精密機器などにおいて、「nanoforest」のさらなる応用・実用化が期待される。

大王製紙 EVレース車の車体外装全体にCNFを実装

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2020年9月23日

 大王製紙はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)の事業化に向けた取り組みとしてモータースポーツチーム・SAMURAI SPEED(東京都港区)にCNFを使ったシート成形体「ELLEX‐M」を提供し、車体外装全体へ実装されたと発表した。

ELLEX-M
ELLEX-M

 「ELLEX-M」はCNFとパルプ繊維を複合化したCNF高配合のシート状成形体で、軽量で強度は汎用プラスチック材料を大きく上回り、熱特性にも優れる。

 SAMURAI SPEEDは、米国開催のレース「パイクスピークインターナショナルヒルクライム」(標高差1500m、全長約20㎞のタイムトライアルレース)に2018年から電気自動車(EV)で参戦。CNF部材の実用可能性を探るため、エアロパーツからリアドアやボンネットへと実装範囲を広げてきた。

CNF複合樹脂
CNF複合樹脂

 3年目の今年は、コンペティション能力向上のために新規にプロトタイプEVを製作。車両軽量化のために「ELLEX‐M」を外装全体(ボンネット、ドア、リア、サイド)と内装(インストルメントパネル)に、さらに「減プラスチック」効果が期待できるCNF複合樹脂をドアミラーに使用した。

 今回は新型ウイルスの状況を鑑みて参戦は見送ったが、今年度中に開催される他レースへの参戦を検討している。レースでのCNF部材の軽量化効果と耐久性を検証し、一般車両への応用展開を進めていく考えだ。

 

大王製紙 高セルロース濃度CNF複合樹脂の供試を開始

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2020年9月18日

 大王製紙はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)の事業化に向け軽く強い特性を生かした樹脂複合化に取り組む中、セルロース濃度55%のCNF複合樹脂「ELLEX‐R55」の開発に成功し9月から供試を始めたと発表した。

 植物由来のCNFの特性を生かした、部分的にCNF化したセルロースの複合樹脂ペレット(濃度10%)のサンプル提供を2018年に開始。用途展開の可能性評価を行う中、最終製品の適性に応じたセルロース濃度や樹脂材料などの設計自由度を高めるために、セルロースの高濃度化を進めた。

 「ELLEX‐R55」はセルロース濃度が55%と高く、樹脂成形加工のニーズに合わせ、性能に応じたCNF濃度に希釈して使用できる。セルロース濃度10%程度でも樹脂単体に対し弾性率は1.7倍、強度は1.3倍に向上。材料の厚さの低減、軽量化、減プラスチックなど、環境省のプラスチック循環戦略に掲げる「2030年ワンウェイプラスチック25%減」への貢献も期待できる。

 「ELLEX‐R55」は同社紙パルプの製造基幹でCNFの製造拠点でもある三島工場(愛媛県四国中央市)で製造することで、製造・物流コストを低減する。さらなるコスト低減を目指し、CNFの前処理プロセスや複合樹脂の生産性の飛躍的改善のために新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発」プロジェクトに参画し、芝浦機械(静岡県沼津市)と共同で開発を進める。

 今後、「ELLEX‐R55」のサンプル提供を通じてニーズに適応した品質改善を進めつつ、CNFの早期事業化を加速させ、経営理念「地球環境への貢献」の取り組みを強化していく。

大王製紙 セルロース

中越パルプ工業 CNF複合樹脂MBの複数グレードを販売

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2020年9月3日

 中越パルプ工業はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)を活用する複合樹脂ペレット・マスターバッチ品「nanoforest‐MB」の販売を開始した。衝撃強度を強化したグレードをはじめ、複数の製品ラインアップを揃えている。

「nanoforest-MB」
「nanoforest-MB」

 CNFはプラスチック分野での低比重・高剛性化による軽量化が期待できる補強剤として、自動車産業をはじめ様々な産業分野で応用が試みられている。これまで同社は、CNF「nanoforest」を利用し、ポリプロピレン(PP)との複合を可能とした粉末グレード「nanoforest‐PDP」を提供。しかし、検討先でPPとの混練時にPDP分散性の課題があったことから、今回、PDPを事前にPPへ良分散させたMB品の提供を開始した。

 一方、CNF複合樹脂の実用化では、剛性が向上する一方で、固く脆い性質に起因する衝撃強度の低下が課題。特に自動車産業分野では衝撃強度の強化が望まれており、同社では標準グレードMB品に加えて、衝撃強度を強化した3種類のグレード「衝撃タイプ」「高剛性タイプ」「高衝撃タイプ」もラインアップした。

 同社では、さらなるMB開発として、剛性、軽量化以外の機能性付与の開発も進めている。今後、様々な分野での応用・実用化を目指し、丸紅と共に開発や営業展開の強化を図っていく考えだ。

花王 CNF疎水化技術、複合高機能樹脂の提供を開始

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2020年6月16日

 花王はこのほど、バイオマス由来のセルロースナノファイバー(CNF)を改質し、各用途の樹脂に配合することで、少量でも樹脂の強度や寸法安定性を向上させることを可能にした。この改質CNF配合高機能樹脂を、ユーザーニーズにあわせてカスタマイズした「LUNAFLEX(ルナフレックス)」シリーズとして提供を開始する。今後、改質CNF配合による物性向上が資源の効率的利用に寄与し、社会のサステナビリティに貢献することが期待される。

 CNFは、植物中でセルロース分子の束を形成しており、サステナブルな高機能素材として世界中でその有効活用が望まれている。高強度・高弾性など様々な機能を持つことに加え、樹脂に配合すると、樹脂の強度や靱性、寸法安定性の向上効果がある。

 しかし、分子間や分子内で強固に水素結合をしているため、ナノファイバーとして単離することは非常に難しい。 また単離した後もその表面は強い親水性を示すため、油性溶媒にはなじみが悪く、分散安定化は非常に困難だった。さらに、樹脂への配合の際にCNFが凝集してしまうなどの不具合が生じてしまうことが多く、樹脂中への均一ナノ分散には種々のノウハウが必要となる。

 こうした中、花王は独自に積み上げた界面制御技術に基づき、CNFの表面に様々な官能基を付加することで発現する機能を探索。その結果、親水性のCNF表面を疎水表面へと改質することが可能となり、CNFを樹脂へ均一ナノ分散することに成功した。

 同社は、複合化原料の提供だけにとどまらず、改質CNF配合樹脂を「LUNAFLEX」シリーズとして提供する取り組みを開始。表面改質を施して樹脂への分散・混合性を向上した改質CNFを光硬化性アクリル樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、および熱可塑性フェノキシ樹脂に対して配合したところ、顕著な物性の向上が認められている。

 同社は今後も、ユーザーが使用する様々な樹脂や使用場面に対して同社CNFが有効活用されるよう、新たな製品、性能を提案していく考えだ。

凸版印刷 CNF使用の飲料向け紙カップを開発、プラを大幅削減

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2020年4月9日

 凸版印刷はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)を用いた飲料向け紙カップで、高いバリア性と密閉性を持つ「CNFエコフラットカップ」を開発した。4月よりサンプル出荷を開始する。

 「CNFエコフラットカップ」のサンプル」
「CNFエコフラットカップ」のサンプル」

 CNFは、紙の原料となる木の繊維をナノオーダーにまで微細化したバイオマス素材。「軽くて強い」「熱変形が小さい」などの特長があり、自動車や家電、塗料、繊維などさまざまな分野で新素材として期待されている。

 同社は、日本製紙グループとともに性能改善に取り組みCNFをコーティングした原紙を開発。今回、その原紙を使用することでカップに高いバリア性を付与した。

 さらに凸版印刷の高度な成型技術を生かし特殊加工を施した完全密閉構造により、商品の長期保存化を実現。これにより、今まで固形食品用途にしか使用できなかったCNFを用いた紙カップを、飲料などの液体用途としても使用できるようになった。

層構成例
層構成例

 また、従来の飲料向けプラスチックカップと比較して、プラスチック使用量を約50%削減することが可能となり、さらにバイオ素材であることからCO2排出量を約20%削減する。

 価格については、従来の飲料向けプラカップとほぼ同等の価格を実現。同製品を飲料メーカーや流通企業などに向けて拡販し、CNFを用いた紙容器全体で2023年度に約5億円の売上を目指す。

 同社は今後も、CNFを用いた新たな紙容器の開発を推進していく考えだ。

NEDO CNFの安全評価手法文書や原料評価書を公開

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2020年4月8日

 NEDOはこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)に関して、①CNFの安全性評価手法に関する文書類、および②「CNF利用促進のための原料評価書」を公開した。

 ①については、NEDO、産総研、王子ホールディングス、第一工業製薬、大王製紙、日本製紙と共同で、CNFの安全評価手法の開発に取り組んでいる。

 今回、CNFを取り扱う事業者などの安全管理を支援することを目的に、「セルロースナノファイバーの検出・定量の事例集」「セルロースナノファイバーの有害性試験手順書」「セルロースナノファイバー及びその応用製品の排出・暴露評価事例集」を作成した。

 今後は、これら文書類を活用してCNFを取り扱う素材メーカーや消費者製品メーカーなどの安全管理を支援し、CNF部材の社会実装を後押しする。

 一方、②については、森林総合研究所、産総研、東京大学、京都大学、京都工芸繊維大学、大阪大学、東京工業大学、スギノマシン、第一工業製薬、三菱鉛筆と共同で、木質系バイオマス(原料)の物性を明らかにしつつ、原料・パルプ・CNFの特性、CNFの利用適正評価など、原料の効率的な選択を支援することを目的に同書にまとめた。

 今後は同評価書を活用して、CNFの材料メーカーや製品メーカーなどのCNF部材の社会実装を後押しする考えだ。

NEDO CNF製品開発の即戦力人材を育成、講座開講

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2020年3月19日

 NEDOは、特別講座の一環で、石油由来の素材の代替となる植物由来の新材料として、幅広い分野への活用が期待されるセルロースナノファイバー(CNF)の社会実装を拡大、促進するため、企業でCNFの新製品開発の中核となる即戦力人材を育成することを目的に、人材育成講座を2020年度より開講する。

 講座は、東京大学、京都大学、京都市産業技術研究所、産業技術総合研究所(産総研)を、拠点として実施。内容は、①人材育成講座、②受講者参加の合同ワークショップ、③周辺研究などの実施、となっている。

 受講生は半年間の講義を通じて、CNF関連の各種製造技術や分析・評価技術を体系的に習得するとともに、実習を行うことで、製品開発に必要な各種技術を身につけることができる。

 なお、受講の申し込みはウェブサイトからのみ。産総研の「CNF人材育成講座(2020年度前期)受講生募集」(https://www.aist.go.jp/chugoku/ja/event/2020fy/0401-0930.html)から参加手続きが行える。

 CNFは、鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上の強度を持つ、軽量・高強度のバイオマス由来の高性能素材。石油由来の代替となる植物由来の新材料として、幅広い分野への活用が期待されている。

 NEDOでは、2013年より「非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発」プロジェクトを通じ、木質系バイオマスから化学品までの一貫製造プロセスとして、「高機能リグノセルロースナノファイバーの一貫製造プロセスと部材化技術開発」を推進。

 自動車や家電などへの利用を実現するリグノCNFの一貫製造プロセスを世界に先駆けて開発し、パイロットプラント(京都プロセス)を構築した。また、同時にCNFの安全性評価基盤技術や、効率的に高性能CNFを製造できる原材料評価手法の開発を実施している。

 NEDOは、産業界のニーズに応えるため、最新のCNF関連技術に関して、実践的かつ即戦力となる人材の育成を目指す。