ブラスケム バイオエチレン生産でタイ社と共同投資検討

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2021年10月11日

ブラスケムのバイオエチレンプラント=トリウンフォ石油化学コンプレックス内(ブラジル)
ブラスケムのバイオエチレンプラント=トリウンフォ石油化学コンプレックス内(ブラジル)

 バイオポリマーメーカーの世界最大手・ブラスケムはこのほど、タイ最大の総合石油化学会社でアジアの業界リーダーであるSCGケミカルズとの間で、バイオエタノール脱水プラントの新設について共同投資の検討を行う覚書を締結した。

 同設備は、ブラスケムが「I‘m green(アイム・グリーン)」のブランドで展開するバイオポリエチレン(PE)の原料となるバイオエチレンを生産するもの。今回の協力関係が実現すれば、ブラスケムのバイオPEの生産能力は現在の2倍に拡大する。

 ブラスケム・アジア担当ディレクターのロジャー・マルキオーニ氏は、「このプロジェクトは、2050年までのカーボンニュートラル実現に貢献するだけでなく、当社のアジアでの足跡となる画期的な第一歩だ」とコメントし、SCGケミカルズとの、大きな可能性を秘めたパートナーシップ構築を強調した。

 同プロジェクトでは、ブラスケムの技術やバイオプラスチックのノウハウと、SCGケミカルズのアジア市場での知見やPE生産技術を組み合わせ、シナジーを最大化する。今後、フィージビリティスタディ(事業化調査)が両社間の合意により承認されれば、生産設備はタイ・ラヨーン県のマプタプットに新設される。

ブラスケム ETBE生産倍増、バイオ燃料需要増に対応

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2021年9月21日

 ブラスケムはこのほど、持続可能なソリューションへの世界的な需要拡大に対応するために、ブラジルでのエチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)の生産能力を増強したと発表した。

ブラジル・リオグランデドスル州のトリウンフォコンプレックスでETBE設備を整備
ブラジル・リオグランデドスル州のトリウンフォコンプレックスでETBE設備を整備

 同国リオグランデドスル州のメチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)プラントをETBE用に転換したもので、投資額は設備の調整や交換などで500万レアル(約1億1000万円)以上。バイーア州にあるETBE既存設備と合わせ、同国内での生産能力は2倍に拡大した。

 ETBEはMTBEと同様に、自動車用ガソリンのオクタン価を向上させる添加剤。ETBEはエタノール(43%)とイソブテン(57%)を反応させて作るが、同社ではバイオ原料由来のエタノールを原料とすることから、メタノールから作られるMTBEの代替品として、バイオ燃料・添加剤分野での需要増に対応していく。また、ブラジル国家石油庁(ANP)が採用する換算方法によれば、同社ETBEの生産一tあたり、MTBEと比較して847kgのCO2排出削減が可能だとしている。

 ブラスケムは、ETBEの生産を通じて要求の厳しい市場での持続可能性の基準を満たすだけでなく、気候変動緩和へも貢献していく考えだ。担当者は「様々な市場、特に欧州やアジアの国々でのバイオ燃料義務化に対応する製品だ。増産により競争優位性を高め、この分野でのグローバルプレーヤーとしての地位を強化する」とコメントしている。

 

ブラスケム バイオPEワックス開発、グリーン製品拡充

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2021年7月12日

 ブラスケムはこのほど、接着剤や化粧品、コーティング、コンパウンドなどの製造時に粘度調整剤として使用されるバイマス由来のポリエチレン(PE)ワックスを開発したと発表した。サトウキビを原料に製造したエタノールから作られており、バイオマス由来のPEワックスは世界初。

 バイオPEワックスは、化石原料由来の製品と同様の特性・性能を備え、従来の製造工程と比較して80%のエネルギー削減が見込まれるとしている。再生可能化学品・スペシャリティ部門の担当者は「イノベーションと持続可能な開発を組み合わせることで、地球と社会によりよい影響を与えていくために日々活動している。今回の製品は、当社のビジネスバリューチェーンの脱炭素化に向けた取り組みの成果だ」と評価した。

 同社は、2011年にバイオポリエチレンの商業生産を開始して以来、CO2排出量を削減する新たな製品を模索する顧客ニーズに応えるため、製品ラインアップにバイオ系エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を加えるなど、「I’m green(アイムグリーン)」と呼ぶバイオベース製品群を拡充してきた。

 今回開発したPEワックスにより製品ポートフォリオの革新と拡大を図り、「2050年までにカーボンニュートラルな企業になる」という同社の取り組みを強化していく考えだ。ブラスケムは今年2月、サトウキビエタノール由来のグリーンエチレンの生産能力増強を発表。6100万米ドル(約67億1000万円)を投じ、2022年の第4四半期(10-12月期)を目標に、現在の年産20万tから年産26万tへの拡張を計画する。世界的に高まるバイオ樹脂需要に対応していく。

 

ブラスケム 再生プラ評価試験設備を導入、高品質化図る

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2021年6月21日

 持続可能な開発と循環型経済に取り組むブラスケムはこのほど、トリウンフォ石油化学コンプレックス(ブラジル、リオグランデ・ド・スル州)内の研究施設・テクノロジー&イノベーションセンターに、再生樹脂の利用促進を目的とした新設備を導入し、7月から稼働を始めると発表した。投資額は15万レアル(約330万円)。

「リサイクルアイランド」で再生樹脂の高品質化を図る
「リサイクルアイランド」で再生樹脂の高品質化を図る

 「リサイクルアイランド」と呼ばれる同設備は、再生樹脂の性能評価試験と、市場ニーズを満たし、環境への影響を低減する持続可能で革新的な製品の開発を担う。同時にリサイクルチェーンとその市場の発展への貢献も果たしていく。同社は「リサイクルアイランド」での取り組みを、ブラジルの石油化学産業の先駆的なプロジェクトと位置づけており、そこでの成果を他の拠点にも展開していく考えだ。

 設備導入の背景には、より高品質な再生樹脂の開発に向け技術の向上を図るとともに、プラスチックのサプライチェーンでの再生樹脂の重要性を高めようとする同社の強い意思がある。市場での研究開発の支援のみならず、2025年までに年間30万t、さらには2030年までに年間100万tの再生樹脂と化学品をポートフォリオに加えるという、同社の持続可能性への目標を見据えたものだと言える。

 同社幹部は「プラスチックの持続可能で革新的なソリューションを開発するために、業界の一員としての役割を果たしていく。使用済みプラスチックの品質向上は、リサイクル製品の用途拡大に重要な要素であり、結果として循環型経済の強化につながっていく」と話す。

 ブラスケムは昨年、2050年までの循環型経済とカーボンニュートラル達成をコミットした。遡ること2018年には、2040年までにプラスチック製パッケージを100%再利用・リサイクル・回収していく方針を打ち出している。同社は廃プラや資源循環に向けた取り組みに、一層拍車をかけていく。

ブラスケム 使用済みプラ再生材を拡大、新設備建設へ

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2020年12月17日

 カーボンニュートラルな循環経済に取り組む、ブラジルのブラスケムはこのほど、消費者によって使用されたプラスチックをリサイクルした樹脂PCR(ポスト・コンシューマー・レジン)のポートフォリオを拡大すると発表した。廃プラスチックのマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルを手掛ける同国のバロレン社(Valoren)と提携し、年間約2億5000万個の使用済み包装容器から1万4000tの高品質PCRを生産する設備を新設する。投資額は6700万ブラジルレアル(約14億円)。サンパウロ州内陸部のインダイアトゥーバに整備し、来年10~12月ごろの稼働開始を予定する。 

使用済みプラスチックの再生樹脂化に取り組み、リサイクルの環を回す
使用済みプラスチックの再生樹脂化に取り組み、リサイクルの環を回す

 同設備で処理される廃棄物は、主に家庭から排出されるポリエチレンやポリプロピレン製の食品、衛生用品、美容製品などの包装容器類。モジュール化された設備により、破砕・洗浄・均質化を行い、ペレット化する。色や素材の種類ごとに汚染物質を除去する光学選別機を備える高性能洗浄ライン、匂い除去モジュール、PCR品質を向上させる高性能ポリマーフィルターなど、最先端のドイツの技術などを導入していく。

 環境意識の高まりから、使用済みプラの回収率が上昇する中、ブラスケムは「潜在的なアプリケーションを拡大するPCRの品質を向上させることが、PCR市場の発展を推進するカギ」との考えの下、同社の事業とバロレン社の廃棄物管理やリサイクル技術の開発に関する専門知識を組み合わせることで、プラスチックのバリューチェーン全体への貢献を図っていく。

 ブラスケムは先月、持続可能性への取り組みとして、2050年までにグローバル事業でのカーボンニュートラルを目指すと発表。その中で、リサイクル製品の販売目標については、2025年までに年間30万t、2030年までに年間100万tを掲げている。

ブラスケム 米で新PPプラント稼働、年産45万t

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2020年7月6日

 ブラジル石油化学大手のブラスケムはこのほど、北米テキサス州ラ・ポルテにあるポリプロピレン(PP)生産設備「デルタ」の建設が完了し試運転を開始したと発表した。 米国市場への供給と世界各国への輸出を拡大し、グローバルビジネス戦略を強化するのが狙い。

米国テキサス州ラ・ポルテの新ポリプロピレン生産設備
米国テキサス州ラ・ポルテの新ポリプロピレン生産設備

 新生産ラインは、同地区にある既存PP生産工場に隣接する。設計に当たっては持続可能性の観点から、CO2排出量や廃棄物の削減、水・エネルギーの効率化、リサイクルなど環境に配慮。最新設備を備え、ホモポリマー、インパクトコポリマー、ランダムコポリマーなど、様々なPP製品のポートフォリオ全体を生産する。推定生産能力は年産45万t。同社が米国に持つ五つの既存PP生産拠点(テキサス州×3、ペンシルベニア州×1、ウェストバージニア州×1)と合わせ、北米全体では年産約200万tとなる。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、特に4月と5月に北米のPP産業は大きな影響を受けた。不織布や包装用途での好調な販売は見られたものの、主に自動車などの耐久財分野が振るわず需要は大幅に落ち込んだ。同社は今後について、6月に入り顧客の事業拡大や消費の回復傾向が見られたことから、第3四半期(7-9月期)のPP業績の好転を見通す。新設備では今月から量産テストを始め、需要回復に照準を合わせる形で3Q中の商業運転を目指す。

ブラスケム バイオPEを宇宙でリサイクル、実証始まる

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2019年12月16日

 ブラジルのブラスケムは、米Made In Space(MIS社)と協業し、高度400㎞の軌道上にある国際宇宙ステーション(ISS)でのプラスチック・リサイクル実証試験を行っている。

ISSで実証運用するバイオPEリサイクル装置03
ISSで実証運用するバイオPEリサイクル装置

 実証用のリサイクル装置は、米バージニア州NASAワロップス飛行施設から、先月2日(現地時間)に打ち上げられた。

 ノースロップ・グラマンのシグナス補給船12号機によりISSに運び込まれた同リサイクル装置は、バイオポリエチレン(PE)の廃棄物を加熱・押出し成形することで、3Dプリンタ用フィラメントに加工するもの。MIS社が装置を開発・製作し、ブラスケムのバイオPEのリサイクル性能を実証する。

 用いられるのは、サトウキビを原料にした「アイム・グリーン」ブランドのバイオPE。両社は2016年から、ISS内で同PE製フィラメントを使用する3Dプリンタの実証を始めているが、今回のリサイクル装置と組み合わせることで、ISSという限られた空間内での資源循環を検証していく。

 MIS社は「地球に依存しない探査を可能にする」を使命に、2010年に設立。微小重力環境下で使用する3Dプリンタの開発と製造を行う。MIS社のチーフエンジニアは、ISSでのリサイクル機能の検証を「太陽系の果てへの探査を可能にする持続可能な製造システムの開発に向けた重要なステップ」と位置づける。

 壊れた部品をマテリアルリサイクルし、新しい部品につくり替える。プラごみを原料に戻し、別の用途へと展開する。宇宙空間で、地球から供給される原料に頼らないリサイクルシステムが実現できれば、将来の宇宙探査に多大な利益をもたらす可能性がありそうだ。