三井化学 新体制初の「レポート2020」を発行

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2020年10月6日

 三井化学はこのほど、同社グループの推進する戦略や実績を財務・非財務両面から統合的に報告した「三井化学レポート2020」を発行した。

「三井化学レポート 2020」の巻頭CEOメッセージ
「三井化学レポート 2020」の巻頭CEOメッセージ

 事業活動を通じた社会課題解決に対する取り組みへの理解促進のため、「経済」「環境」「社会」3軸の指標を交えてわかりやすく紹介するほか、今年4月に就任した橋本修社長が、現状の課題認識、中長期的な経営戦略、ポストコロナに向けた取り組みなど、新体制下で改革を推し進めていく強いメッセージを発信している。また、サステナビリティへの取り組みとして、ESG経営の現状、気候変動やプラスチック問題に対する戦略などを収載している。

 同社グループは、今後も同レポートを通じステークホルダーと質の高い対話を続けながら、世界共通のビジョンである持続可能な社会の実現を目指していく。英語版は11月上旬の公開を予定。

三井化学 岩国大竹工場の設備が未来技術遺産に登録

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2020年10月5日

 三井化学はこのほど、岩国大竹工場(山口県和木町)にあるポリエチレン製造装置が、国立科学博物館により、未来技術遺産「世界最初期の工業規模の低圧法ポリエチレン製造装置」(第00286号)に登録されたと発表した。9月15日、同博物館の林良博館長や同工場の高橋眞一人事グループリーダーらが列席し、登録証の授与式が行われた。

今回登録されたPE製造装置を構成する、重合機(左)、原料ナフサフィードポンプ(右上)、ガスエンジン用パワーピストン(右下)
今回登録されたPE製造装置を構成する、重合機(左)、原料ナフサフィードポンプ(右上)、ガスエンジン用パワーピストン(右下)

 同装置は、1958~1962年製の重合器、原料ナフサフィードポンプ、ガスエンジン用パワーピストンからなる。「日本最初の石油コンビナートで、世界で最初期にチーグラー法による低圧法高密度ポリエチレン製造を企業化した装置であり、技術の歩みを示すものとして重要である」として今回登録された。

国立科学博物の林良博館長(左)と三井化学岩国大竹工場の高橋眞一人事GL
国立科学博物館の林良博館長(左)と三井化学岩国大竹工場の高橋眞一人事GL

 同社グループは2012年に「クロード法によるアンモニア国産化史料」(第00095号、下関三井化学)、2016年に「日本初の合成インジゴ関連資料」(第00216号、三井化学茂原分工場)の登録があり、今回が3件目となった。同社は「今回の登録を誇りとし、今後も本資産を未来に引き継いでいく」とコメントしている。

 未来技術遺産は正式名称を「重要科学技術史資料」といい、2008年より開始された国立科学博物館の産業技術史資料情報センターが行う登録制度。日本の「科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義をもつ科学技術史資料」および「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存と活用を図ることを目的としている。

 

三井化学 12月1日からEPT全銘柄を値上げ

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2020年10月1日

 三井化学は30日、自動車部品や電線ケーブル、その他の工業部品などに用いられるEPT(エチレン・プロピレン・ターポリマー)「三井EPT」の全銘柄を12月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は、国内が「20円/kg以上」、海外が「200USドル/t以上」。同製品の著しく増大する、生産設備の保全・修繕費、環境・安全対策費などの是正を図る。

 同社では、あらゆるコストダウンに懸命に取り組んでいるが、自助努力で吸収できる水準を超えている状況にある。同製品を継続的に安全・安定生産し、安定供給するため、価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

三井化学 炭鉱電車の音源で楽曲づくりコンテスト開催

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2020年9月23日

 三井化学は、今年5月に運行を廃止した炭鉱電車の音源を活用し新たなコラボ企画を始めた。日本最大級のダンスミュージック専門メディア「block.fm」とコラボし、炭鉱電車の音源を使用した楽曲を全国のクリエイターから一般公募する。16日から応募受付を開始しており、来月31日まで募集を行う。

炭鉱電車の音源を使った楽曲づくりコンテストを開催
炭鉱電車の音源を使った楽曲づくりコンテストを開催

 東京を代表するダンスミュージック・レーベル「TREKKIE TRAX」のメンバーによるラジオ番組「TREKKIE TRAX RADIO」(毎月第3水曜日午後8時~10時に放送)とタイアップ。コンテスト入賞作品は11月放送予定の同番組内で発表され、最優秀作品はTREKKIE TRAXメンバーが同様に炭鉱電車の音源を使い制作した楽曲と共に配信リリースを予定している。

 今回使用される音源は、三井化学がブランデッドオーディオストレージ「SOUNDS GOOD」と共に進めてきた、炭鉱電車の〝音の資産〟を記録し遺すプロジェクトで録音されたもの。心地よさを感じるASMR音源として6月から公開されており、音源には炭鉱電車にまつわる①走行音と車掌室からの運行指示②点検整備音③踏切の警報機音と手動式線路切り替えレバーの操作音④宮浦駅舎のレトロな音―がある。

 音源素材は「SOUNDS GOOD」から無償提供される。応募の詳細などは、block.fmのウェブサイト(https://block.fm/news/ttr_contest)まで。

 炭鉱電車は、三井化学大牟田工場(福岡県大牟田市)で原材料の搬入などに運用され、三池炭鉱の時代から現在に至るまで100年以上の長きにわたり活躍してきた。同社では、炭鉱電車への感謝と、未来に向けたレガシーとしての活用を検討する「ありがとう炭鉱電車プロジェクト」を進めている。

 

三井化学 長岡技大と再生プラ安定化で共同研究を開始

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2020年9月17日

 三井化学はこのほど、長岡技術科学大学(新潟県長岡市)大学院工学研究科・機械創造工学専攻の髙橋勉教授と、プラスチック廃棄物の再利用を促進する革新的な技術の共同研究を開始したと発表した。

 (左から)長岡技術科学大学の髙橋教授、東学長、三井化学柴田常務、三井化学伊崎RF
(左から)長岡技術科学大学の髙橋教授、東学長、三井化学柴田常務、三井化学伊崎RF

 プラスチック廃棄物は、様々な状態のプラスチックの混合物である場合が多く、マテリアルリサイクルにより加熱加工する際、加熱溶融されたプラスチックの流動性が安定しない。そのため、得られる再生プラスチックが一定の流動性や品質を維持できないことや、用途が限定されるといった課題がある。同共同研究では、加熱溶融されたプラスチックの流動性をインラインで計測・制御を行い、再生プラスチックの品質を安定化させるための技術を3年計画で開発する。

 三井化学は、2018年4月にESG推進室を設置し、ESG要素を経営と戦略に積極的に取り込むことで、「環境と調和した共生社会」と「健康安心な長寿社会」の実現に向けてビジネスモデルの変革を進めている。また、昨年3月に同県内にデザイン&ソリューションセンターを開設。関係会社の金型メーカー・共和工業との連携によるものづくりの開発機能を活用したソリューション提案を通じ、持続的に社会価値を創造していくことを目指している。

長岡技術科学大学。三井化学と再生プラ安定化に向け共同開発を始めた
長岡技術科学大学。三井化学と再生プラ安定化に向け共同開発を始めた

 一方、長岡技大は、持続可能な世界の実現に向け早くから積極的な取り組みを行っている。2018年には国連から国連アカデミック・インパクトでのSDGs目標9(産業と技術革新の基盤をつくろう)のハブ大学に任命されるなど、革新的な取り組みの模範大学として評価が高い。

 両者は産学連携により、サーキュラーエコノミーの実現に向けた実効性のあるプラスチックリサイクル技術の開発を推進していく。

 

三井化学 シンガ社3Dプリンター製品にコート剤が採用

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2020年9月15日

 三井化学は14日、同社の液状ポリオレフィン系接着剤「ユニストール」が、シーメンス社(シンガポール)の扱う3Dプリンター製医療用フェイスシールドフレームのコート剤に採用されたと発表した。

「ユニストール」がシーメンス社(シンガポール)の3Dプリンター製フェイスシールドに採用された。写真提供:Siemens Pte Ltd, Singapore
「ユニストール」がシーメンス社(シンガポール)の3Dプリンター製フェイスシールドに採用された。写真提供:Siemens Pte Ltd, Singapore

 デジタルトランスフォーメーションを推進する企業にガイダンスや研修などを提供するコンピテンスセンターであるシーメンス社のAMTCは、コロナ禍での迅速な貢献を行うため、わずか2カ月で医療用フェイスシールドの設計・開発・製造を行い、6月から同国タントクセン病院で試験導入を開始している。

 「ユニストール」は、三井化学の独自技術によりポリオレフィンに極性基を導入した変性ポリオレフィンを主成分とする液状プライマー・接着剤。従来、接着・密着しにくいといわれていたポリエチレンやポリプロピレンなどオレフィン系樹脂のみならず、各種エンジアリング樹脂など幅広い素材の塗料または接着剤のプライマー、あるいは接着剤そのものとして使用されている。

 今回採用された「ユニストールXPシリーズ」は、BTX(ベンゼン、トルエン、キシレン)フリーのヒートシール剤および耐薬品性ドライラミ接着剤。フェイスシールドのフレーム部分にコート剤として活用されている。フレームはAMTCの3Dプリンターで製造されているが、フレーム表面にミクロな空壁ができるため、その細孔にウイルス・細菌が残留する課題があった。

 「ユニストール」は、フレーム部分のコーティング剤として、①フレーム素材と良好に密着する性能に加え、②ウイルス・細菌の残留を抑える表面平滑性、③再利用のための消毒を可能にする耐アルコール性、④耐傷つき性、⑤弾性強化、⑥破砕防止、⑦耐低線量UV滅菌性を発現。3Dプリントフレームの表面をより滑らかにするだけでなく、より強く柔軟にし、滅菌処理も可能になったため、再利用性能を大きく向上させることができた。

 三井化学は、今後とも新型コロナウイルスの感染拡大防止に対して、製品の提供を通じて、社会課題の解決に貢献していく考えだ。

三井化学 人事(10月1日)

2020年9月14日

[三井化学・人事](10月1日)▽三井化学SKCポリウレタン企画管理部小幡雅司▽佛山三井化学SKCポリウレタン有限公司総経理富沢多問▽ヘルスケア事業本部不織布事業部清野允中▽台塑三井精密化学有限公司総経理岩間道夫▽解兼基盤素材事業本部石化原料事業部アロマGL、同事業本部同事業部長永野伸一▽同事業本部同事業部アロマGL堀裕道。

 

三井・ダウ ポリケミカル 広島・千葉などにフェイスシールド寄贈

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2020年9月10日

 三井化学と米国ダウ・ケミカル社の合弁会社である三井・ダウ ポリケミカル(MDP)はこのほど、「ハイミラン」樹脂で製作したフェイスシールド7000個を、事業所のある地元自治体や医療機関、学校などへ寄贈した。

市原市の小出譲治市長(右)とMDP千葉工場の三輪敦史工場長
市原市の小出譲治市長(右)とMDP千葉工場の三輪敦史工場長

 寄贈先は、広島県庁、大竹市役所(広島県)、市原市役所(千葉県)、日本赤十字社東京都支部、三井記念病院(東京都)、千葉労災看護専門学校、東京都立港特別支援学校、市原市楽友協会合唱団の8カ所。

大竹市の入山欣郎市長(右)とMDP大竹工場の出羽保之工場長
大竹市の入山欣郎市長(右)とMDP大竹工場の出羽保之工場長

 「ハイミラン」は、米国ダウ・ケミカル社のライセンスを受け、MDPが1978年から製造・販売するアイオノマー樹脂。エチレン-メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマーで、透明性や強靭性、耐摩耗性、耐油性などに優れている。

 

三井化学 女性活躍を推進する行動宣言に橋本社長が賛同

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2020年9月4日

 三井化学はこのほど、内閣府が支援する「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言に、橋本修社長が賛同したと発表した。

 同行動宣言は、2014年3月に首相官邸で開催された「輝く女性応援会議」を契機に、輝く女性・輝こうとする女性たちを応援する各界のリーダーたちによるムーブメントが拡がり、女性の活躍推進に積極的に取り組んでいる企業の男性リーダーにより同年6月に策定されたもの。同社は2016年に淡輪敏前社長(現・会長)が賛同を表明している。

 橋本社長は今回の賛同にあたりコメントを寄せ「消費者に近い市場へのアプローチには多様な価値観や感性に対する理解が求められるため、多様な人材が個性を失うことなく活躍できることが必要であり、女性の活躍の場は広がる」との考えを示した。

 また、コロナ禍で急拡大するテレワークを背景に、育児や介護などに携わりながらも働きやすい環境が整ってきていることから、「女性登用の門戸が広がるきっかけにもなると考えている。これからも有能な人材の採用・登用を促す施策に取り組んでいく」方針だ。

 三井化学は女性の活躍をさらに推進するため、2021年度内までの採用、管理職登用、働き方改革に関する数値目標とそれに向けた行動計画を新たに策定。採用比率や女性管理職比率、テレワークなどの多様な働き方の定着率、有給取得率の向上を図り、行動計画とする①安定的な女性社員採用継続と離職防止②女性のキャリア意識の醸成と育成・登用の促進③働き方改革と風土醸成-を課題と捉え推進していく。

三井化学 炭鉱電車ラストランイベントの開催を中止

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2020年8月28日

 三井化学は、9月末に実施を予定していた大牟田工場(福岡県大牟田市)での「炭鉱電車ラストランイベント」の開催中止を決定した。

 今年7月、同市に大きな被害をもたらした豪雨の影響と新型コロナウイルス感染症の拡大防止への配慮のため。7月豪雨による同工場設備への浸水被害により一時全プラントを停止していたが、炭鉱電車についても5両の車両すべてが冠水し稼働できず、イベント会場を予定していた宮浦駅周辺の安全確保も難しい状況にある。

 また、同市では7月以降新型コロナの感染拡大が見られるなど、不透明な状況が続いており、来場者の安心・安全を最優先すべきと判断し、イベント開催中止を決定した。

 三井化学では、感染症の収束や、炭鉱電車の今後の活用方針の決定などの状況により、同様なイベントを別途実施することを引き続き検討していくとしている。

 炭鉱電車は、同工場の三井化学専用線(旧三池炭鉱専用鉄道)として、三池炭鉱の時代から100年以上の長きにわたり活躍、今年5月にその歴史に幕を下ろした。

 同社は炭鉱電車への感謝と、未来に向けたレガシーとしての活用を検討する「ありがとう炭鉱電車プロジェクト」を立ち上げ、炭鉱電車にまつわる音や映像を後世に遺す取り組みを行っている。ラストランイベントもその一環として当初は6月開催を予定していたが、コロナ禍で9月に延期されていた。