三菱ケミカル 記録メディア事業を台湾企業に売却

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2019年6月18日

 三菱ケミカルはこのほど、記録メディア事業から撤退することを明らかにした。三菱ケミカルホールディングスグループの中期経営計画「APTSIS 20」を推進する中、同関連事業を台湾のCMCマグネティクス(台北市)に売却することで、ポートフォリオマネジメントの強化を図る。

 今回両社は、三菱ケミカルの連結子会社である三菱ケミカルメディア(MCM)傘下にある、バーベイタムグループがグローバル展開する光ディスク、USBフラッシュメモリーなどの記録メディア事業と、LED電球などその他事業、MCMが保有するこれら事業に関する資産を売却することで合意した。売却額は日本円で30億円強になる見込み。

 CMC社は、1978年の創業から記録メディア事業を手掛ける光ディスク世界最大手。三菱ケミカルとは長期にわたって光ディスクなどの技術供与や製造受委託などを通じて、強固なパートナーシップを構築し現在に至っている。

 今回の合意により、CMC社は自社が保有する製造技術に加え、三菱ケミカルグループが培ったグローバルな販売ネットワーク、技術などを引き継ぐことで、記録メディア事業をさらに強化していく考えだ。

三菱ケミカル CFRPがホンダ車用ルーフ基材に採用

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2019年6月18日

 三菱ケミカルは17日、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が、八千代工業(埼玉県狭山市)が開発・製造・販売する「CFRP ROOF」に採用されたと発表した。

三菱ケミカルのプリプレグ
三菱ケミカルのプリプレグ

 採用されたのは、ホンダの軽スポーツカー「S660」のルーフ用プリプレグ。CFRP部材の量産成形技術であるPCM工法向けに使う、樹脂を含浸させたシート状の炭素繊維中間基材で、プレス機による圧縮成形により、140℃・5分の硬化時間で自動車向け部材を量産できる材料だ。

 純正の幌タイプのルーフに比べ、約22%の軽量化を実現し、車体の低重心化に寄与するだけではなく、カーボンの織物仕様を施した意匠性にも優れている点が評価された。 

採用された八千代工業の「CFRP ROOF」(画像提供:八千代工業)
採用された八千代工業の「CFRP ROOF」(画像提供:八千代工業)

 昨今の自動車市場では、電動化やCO2排出規制の強化などを背景に車体の軽量化に対する関心が高まってきている。こうしたニーズに対し、三菱ケミカルは、今後も炭素繊維・CFRPをはじめとする最先端素材の研究・開発を加速させ、技術革新の著しいモビリティ分野に対して最適なソリューションを提供するとともに、積極的に事業を展開していく考えだ。

三菱ケミカル 共同研究部門を10月設置で統計数理研究所と合意

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2019年6月12日

 三菱ケミカル(MCC)と統計数理研究所(統数研)はこのほど、共同研究部門「ISM‐MCCフロンティア材料設計研究拠点」を、10月に設置することで合意したと発表した。新たなマテリアルズ・インフォマティクスの基盤技術を構築することが目的。

 統数研は統計科学とそれに関連する数理科学に関する日本で唯一の研究機関で、1944年の設立以降、統計科学の理論と応用で先駆的な役割を果たしてきた。

 MCCは多種多様の素材の扱う化学企業として、実験化学と計算化学の両面からの材料設計技術の蓄積がある。

 新たに研究部門では、データ科学による解析技術と計算化学による予測技術を融合して、新規物質探索を行うマテリアルズ・インフォマティクスの基盤技術を構築することを目指す。

 データ科学に基づく物質探索では、入力されたデータとの類似性から物性を予測するため、入力データに類似した範囲でのみ物質の探索が行われる。一方、計算化学では既存データの有無とは関係なく、未だ現実には作成されていない材料・素材の性質を予測することができる。

 両者の強みであるデータ科学技術と計算化学技術を融合することで、既存データの範囲には含まれない、革新的な特性を持つ材料を見出だすための物質探索アルゴリズムを構築するとともに、高分子や触媒、無機材料といった、具体的な材料設計課題に適用しながらアルゴリズムの高度化を図る。

 なお、同研究部門には両者の研究員に加え、MCCの親会社である三菱ケミカルホールディングスでデジタル・トランスフォーメーションを推進する、先端技術・事業開発室のデータサイエンティストも参加する予定。

 同研究部門で構築したアルゴリズムは学術成果として積極的に発信し、マテリアルズ・ インフォマティクス分野でのオープンイノベーション・オープンサイエンスの促進に貢献する。

三菱ケミカル スイス子会社が米エンプラ加工企業を買収

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2019年6月5日

 三菱ケミカルは4日、連結子会社である三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ(MCAM社:スイス・チューリッヒ)が、米国のエンジニアリングプラスチック加工メーカー、アドバンスド・ポリマー・テクノロジーズ(APT社:カリフォルニア州)を完全子会社化したと発表した。MCAM社の米国子会社(デラウェア州)が、APT社の全持分を6月3日付で取得した。

 エンプラ製品の製造・販売を行うMCAM社は、スイスに本社を置き、米国やドイツ、日本など世界21ヵ国に生産拠点をもつ。

 一方、APT社は2002年の設立以来、独自のポリマー加工技術を用いたエンプラ製品により、北米やアジア地域を中心に、半導体・航空・防衛・エネルギー・医療といった多岐にわたる産業に対してソリューションを提供してきた。社員数は約30名。

 MCAMグループは今回の買収を通して、両社の有する最先端の射出成形・押出成形技術でのシナジーや市場ネットワークの相互活用などにより、さらなるグローバル事業基盤の強化を図る考えだ。

 

三菱ケミカル バイオエンプラが温浴施設用照明セードに採用

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2019年6月4日

 三菱ケミカルは3日、同社のバイオエンジニアリングプラスチック「デュラビオ」が、コイズミ照明の温浴施設用照明セードに採用されたと発表した。先月から販売を開始している。

 照明セードにはガラスのほか、エンプラなどが使われてきたが、ガラスは割れた際に飛散の危険性があることや、エンプラは耐候性が弱く変色しやすいことなど、それぞれ課題があった。

 「デュラビオ」は再生可能な植物由来原料であるイソソルバイドを用いたバイオエンプラで、耐衝撃性・耐候性などの点で、従来の一般的なエンプラに勝る、優れた性能を有している。

 三菱ケミカルは今回、これらの特徴をもちながら、光を拡散することのできる、照明セードに適したグレードの開発に成功した。加えて、新洸化成がもつインジェクションブロー成形技術と組み合わせることで、コイズミ照明の照明セードとしての採用を実現した。屋内外の温浴施設だけでなく、耐久性を必要とする他の照明用途への展開が見込まれる。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる「KAITEKI」の実現に向け、今後も「デュラビオ」をはじめとする植物由来プラスチックの研究開発・用途展開を加速させ、環境にやさしく付加価値の高い製品の供給を通じ、循環型社会の構築やSDGsの達成に貢献していく。

 

三菱ケミカル 2018年度触媒学会賞(技術部門)を受賞

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2019年5月29日

 三菱ケミカルは28日、1‐ヘキセンの製造に用いるクロム系エチレン三量化触媒の開発が、日本の触媒研究分野で権威のある触媒学会から、2018年度触媒学会賞(技術部門)を受賞したと発表した。

 世界に先駆けて超高活性・超高選択性をもつクロム系エチレン三量化触媒を見出し、選択的なエチレン低重合反応の技術分野の発展に大きく貢献した点と、同触媒を使ったシンプルで環境負荷の少ない製造プロセスにより、商業規模での1‐ヘキセンの生産が開始された点が評価された。

 同触媒は安価で汎用のトリエチルアルミニウムを助触媒とし、1‐ヘキセンの反応選択性が95%を超える高い反応選択性を示す一方、ポリエチレンの副生率は0.1%未満となる特徴をもち、超高活性・超高選択的エチレン三量化触媒として、同社が開発した。

 同触媒プロセスは、触媒の生成とエチレンの三量化反応を反応槽内で同時に行う同時接触法を採用している点に特徴がある。この独特な接触法によって、触媒活性種を不安定化させることなく、効率的に生成させることが可能となり、稀有な高い触媒性能を実現した。

 また、同プロセスの革新性は、同時接触法の採用によって、煩雑で高コストとなる触媒調製工程を排除した点にあり、製造プロセスの簡素化や製造時のエネルギー消費の削減、プラントの安定運転、生産性の向上につながった。

 なお、同社はすでにこの触媒を用いたプロセス技術について、タイ国内の大手化学メーカーと2014年にライセンス契約を締結しており、2018年度から生産が始まっている。

 今後も、同社は世の中のさまざまな課題に対してソリューションを提供するため、触媒やプロセスなど、自社の保有技術をブラッシュアップすると同時に、ライセンスビジネスも積極的に展開していく。

 

三菱ケミカル 就業時間内は禁煙に、2020年4月から実施

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2019年5月27日

 三菱ケミカルは来年4月から、国内で勤務する全従業員を対象に、場所の如何を問わず就業時間内の禁煙を実施する。

 同社はこれまでも、分煙などによる受動喫煙対策や禁煙サポートなど、各種健康増進施策に取り組んできた。しかし、喫煙後しばらくの間、喫煙者の呼気に含まれる有害物質を吸引してしまうことによる影響も指摘されており、多くの社員が安心して快適に働ける環境を整えていくため、より積極的な受動喫煙軽減・防止対策を実施していくことにした。

 なお、2017年に実施した社内調査では、喫煙者のうち約6割は「禁煙が必要」と回答している。このような喫煙者が禁煙するためには、周囲が理解を示し、積極的に協力をする形でのサポートが必要となる。これらを踏まえ、同社は喫煙者と非喫煙者が互いを理解して取り組める受動喫煙防止対策を実施する。

 具体的には、まず、同社の従業員か社外の人かを問わず、国内の全事業所で、同社が管理する敷地内は原則常時禁煙とする。ただし、一部対象範囲・期間を限定した特別措置を設ける。

 次に、同社従業員は出張時や在宅勤務中、サテライトオフィスなどでの勤務時も含め、事業所外であっても就業時間内は禁煙とする。この取り組みについては、同社の従業員を対象としており、関係会社の従業員は対象としていないが、その意義を共有し、可能な範囲での協力を要請する方針。さらに、禁煙を希望する従業員がスムーズに禁煙できるよう、禁煙支援サービスの導入や禁煙治療の補助を行う。

 同社は今後もKAITEKI健康経営を推進させるため、さまざまな施策を計画・実行し、多様な人材が安心して、活力高く働くことができる会社・職場づくりを目指す。

三菱ケミカル イノベーション創出加速へ研究棟を新設

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2019年5月24日

 三菱ケミカルはこのほど、横浜市青葉区のScience & Innovation Centerに、新たな研究棟を建設することを決定したと発表した。最新鋭デジタル設備の導入、社内外のコミュニケーションの活性化などによるイノベーション創出を図ることが目的。2021年末に竣工する予定。敷地面積は約1万㎡、建物は地上6階、地下1階で、延べ床面積は約4万5000㎡。

 同社の研究開発は「常にイノベーションを生み続け、持続的に社会に貢献するワールドクラスの研究開発部門となる」ことをビジョンとして掲げている。

 これまで①研究成果の事業化推進や次世代事業の創出を担う「新事業創出部」の設置②フェロー/エグゼクティブフェロー制度の新設③執務時間の10%を自由な研究に使える「10%カルチャー」の導入④社内ベンチャー制度の導入など、研究者の自由度を高め、高度な専門性を有するスペシャリストを志向する風土を醸成することを通じて、イノベーションを生み出す環境を整えてきた。

 また、同センターについては、4月に従来の「横浜研究所」から改称し、サイエンスに近い基礎研究を中心に担い、社内外とコミュニケーションを図りながらイノベーションを生んでいく組織としての位置づけを明確にした。

 研究新棟の建設は、これらの施策をさらに推進するとともに、新たな施策/設備を導入することで、持続的に社会に貢献するイノベーションを生み出し続ける研究開発体制を確立することを目標としている。

 具体的には、ビッグデータやAIの活用を可能とする、ハイパフォーマンスコンピュータや実験データ電子化システムを含む最新鋭デジタルインフラと、試薬管理の自動化システムや生体認証などによる最新のセキュリティシステムを導入する。

 また、コラボレーションエリアやウェブ会議システムなど、社内外のパートナーとリアル/バーチャルに繋がる設備の導入と、オフィス環境を改善。さらに、研究オフィスと実験設備の機能統合によるコミュニケーションの推進と業務効率化を図る。

三菱ケミカル 生分解性プラスチック製ストローが採用

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2019年5月14日

 三菱ケミカルは13日、生分解性プラスチック「BioPBS」を用いたストローが、ワシントンホテルに採用されたと発表した。

 今月、ワシントンホテルのすべてのホテルや飲食店などの施設で、既存のストローから切り替えた。

 「BioPBS」は同社が開発して基本特許を持ち、同社とタイのPTTグローバル・ケミカル社が折半出資するPTT MCCバイオケムが製造する植物由来の生分解性プラスチック。自然界の微生物によって水とCO2に分解されるため、自然環境への負荷が少ないという特徴を持つ。

 ワシントンホテルは、マドラーのプラスチック製から木製への変更、客室へのアメニティ設置廃止など、プラスチックごみ削減活動に積極的に取り組んでいる。

 ワシントンホテルで年間約12万本使用するストローを、「BioPBS」を使ったストローに切り替えることで、さらなる石油由来プラスチックごみの削減を図る。

三菱ケミカル アクリルアマイドを値上げ、国内は10円/kg以上

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2019年4月25日

 三菱ケミカルは24日、アクリルアマイド50%水溶液の国内・輸出品の価格改定を実施することとし、各需要家との交渉に入ったと発表した。

 改定幅は、国内が「10円/kg以上」(フォーミュラ改訂 純分換算)、輸出が「100ドル/t以上」。4月25日出荷分から実施される。

 アクリルアマイドは、国内の紙力増強剤や高分子凝集剤向けの需要が堅調に推移し、海外では石油採掘や水処理用途を中心に需要が伸長している。一方、供給面では原料のアクリロニトリルが、プロピレン価格と国産ナフサ価格との乖離による価格改定を昨年11月に打ち出したことに加え、燃料価格や梱包材料、物流費などの諸経費も急騰している。

 同社は生産の効率化などによるコスト低減に注力しているが、現在の原料価格上昇は自助努力で吸収できる範囲を超えており、安定的な製品供給を継続するためにも、コスト上昇分を価格に転嫁せざるを得ないと判断した。